「アフリカ大陸の怪魚を追え!「アフリカはつらいよ その7」」
07(エジプト・エチオピア)
南部の村、最終日。ゴビンダさんの家にお呼ばれされた。土で塗り固めた壁、湖の人々の粗末なお家よりはだいぶしっかりとした作りで安心。

お母さんがコーヒーでもてなしてくれた。

エチオピアンコーヒーはどこで飲んでも、とても美味い。

「さよなら、ゴビンダさん。全く滅茶苦茶な釣り旅だったけど、感謝します!(^-^)/」。
首都アジスアベバに1日がかりで帰って、街中にピザを食べに行った。なんか、ピザもどきみたいな代物だったが、毎日、生肉・ドロワット・焼肉+インジェラの繰り返しだったので、やけ美味い。「あー、幸せだなぁ」と、しみじみしていると、懐かしいチンピラ2人組に声をかけられる。

「よー、帰って来たのか?」と言って隣にドカッと座り、ピザを勝手に食いだした(-_-;)。あまりの図々しさに少しキレかけて宿に戻り、部屋でくつろいでいると、中庭から大声がする。見下ろすと、二人が不法侵入し、「飲みに行かないか」と誘ってくる。「いや、疲れたからいいわ」と断るが、あまりにしつこい。遂に我慢の限界が来てしまった!
「うるせー、こらっ! あばばばbbcでfhwfbふ」、興奮のあまり自分でも何を言ってるのか分からない(-_-;)。大声過ぎて、宿の警備員が何事かと走ってきて、二人は追い出されていった…。
それから、エジプト行きの飛行機が飛び立つまで、報復に備え、四六時中ボガグリップを携帯してた…。
・・・・・・・
再びエジプトにやって来た。夜行列車でナイル川の上流を目指し、エジプト南部のアスワンまでやって来た。カイロから約950km、ここまで来るとナイル川の水も澄んでいて綺麗。気候もより砂漠っぽく、人々も肌が黒々としたヌビア人に変わった。

とりあえず、新たな旅に、ビールで乾杯! エジプト産の「ステラ」、カッコええ。イスラム教徒でほとんど占められている国なのに、気軽にお酒が買える国も珍しい。飲んべいに優しいイスラムの国、素敵!

ご飯は相変わらず肉料理メイン。「コフタ」という、羊のひき肉を串に巻いて焼いた料理。香辛料が効いており、凄く美味い。

エジプトの漬物「トルシー(野菜の酢漬け)」。これもまた、すっぱくてご飯が(パン)が進む。

しかし、釣りの方はと言えば…。フルーカという小さな帆掛け舟を雇ってナイルに繰り出すが、舟は多いし、川ものっぺりと流れていて、全然釣りにならない。なんか、街には釣り旅で頼りになる漁師が全くいない…。

遺跡は相変わらず素晴らしいのだが…。

そこで島に渡って、オカッパリを開始。ナイルパーチは釣れそうにもなかったので、スピニングタックルでスピナーを巻いてると、きたよっ! お馴染のナイルティラピア。

エジプトまで来て、日本でもタイでも散々釣った珍魚を釣るのもどうかしてるが、ナイル川の1匹目はネイティブのこの魚でしょ!

一応、名所にも行ってみる。「切りかけのオベリスク」。

古代の神殿に使われた石材は、ここから船でナイル川を下り、エジプト各地に運ばれていたとのこと。切りかけ途中で放棄されたオベリスクが今なお残されているが、その推定重量は約1170トン。凄すぎる…。やっぱり、エジプト人の祖先の仕事には思えない…。

アスワンの街の南には、アスワンハイダムの建造によりナイル川が堰き止められ、世界屈指の巨大人造湖ナセル湖がある。エジプトとスーダンを跨ぎ南北約500kmに及ぶ広大さ。翌日、湖畔で昼寝をしていた船頭と交渉し、3時間300ポンド(約6000円)で沖に船を出してもらえることになった(高過ぎるが、他に手段がなかった)。
地理の授業で習ったアスワンハイダム。風景が地味過ぎて、感動はない…。

しかし、結果から先に言うと最悪。漁師ではない船頭は魚の居場所を全く知らなかった。そればかりかやる気も全く感じられなかった。彼は船を400mほどは走らせ小さな島に停泊すると、あとはお前の好きにやれとばかりに寝転んでしまった。湖のダムサイドでは乱獲のため、ナイルパーチの魚影は少ないと聞いていた。「もう少し沖に船を走らせてくれてもいいのになぁ」。仕方なく島の周りを丹念に探っていくが、魚の反応が全く無かった。この街ではナイルパーチを手にすることは不可能なことを悟った…。ダルい旅は続く…。
アフリカ大陸の怪魚を追え!「アフリカはつらいよ その8」に続く!