「スマートメーターをアナログメーターに交換させる」
異議申し立て
実は、6月下旬より今まで、我が家では看過できない問題が持ち上がっていたのだが、それが本日無事に解決した。
現在、日本の電力会社は、電気の計量器を、従来の検針員がチェックするアナログメーターから、計量器自体が電磁波を飛ばして電力会社に報告するスマートメーターに交換させている。これのどこが問題かというと、設置された計量器が定期的(30分おきと言われている)に電磁波を発生させるほか、電気の利用状況がリアルタイムに把握されることによるプライバシーの侵害、検針員の大量解雇首切りなどがある。電磁波の問題に関しては、2011年5月31日、WHO(世界保健機関)の研究機関であるIARC(国際がん研究機関)が、携帯電話電磁波を含む高周波電磁波を「2B」(ヒトへの発がんリスクの可能性あり)と評価すると発表しており、健康被害のおそれがあると考えられる。「心配しすぎだよ」と思われる方もいるだろうが、それはそれでその人の評価で結構で、私たちは心配なのである。そして、このスマートメーターの設置は、全需要家(全戸、全事業所)とされてしまっていることが最大の問題である。設置を歓迎する人もいるだろうし、嫌な人もいるだろう、だから選択肢をもうけることが最善だと思うのだが、この間の交渉で明らかになった電力会社の姿勢は、問答無用で設置するというものであった。
この5月に、よくわからないままにうちのアナログメーターがスマートメーターに交換されてしまい、その後に様々な問題を知り、さらに、交換の通知が来た時点で希望をすればスマートメーターにならずにアナログメーターになっている人が複数いることも知り、なんとかしたいという思いで、夫婦2人で東京電力と交渉を続けてきた。最初は電話を何回もかけたが、東京電力は「国のエネルギー基本計画で全戸、全事業所に設置が決まっている。電磁波も国の基準はクリアしている。何ら問題はない」という姿勢を変えない。次に、社長と関係部署宛に内容証明郵便を何通も出すが、姿勢は変わらない。東京電力からすれば、こちらは完全にクレーマーだが、こちらとしても納得いかないものを半分騙されたように設置されて黙ってはいられない。しかし、なかなからちはあかなかった。
最終的には電磁波の問題に取り組んでいる市民団体の協力も得て、私たちとしてはとことんやるという姿勢を示したところ、なんと直接の話し合いに応じるという回答が来て、東京電力本店に乗り込み、例外的な対応ということでアナログメーターへの交換を勝ち取った。4ヶ月半程の闘いであった。というわけで、本日がアナログメーターへの交換工事の日だったというわけである。子育ての傍ら、戦争法案や共通番号制(マイナンバー)への異議申し立てと平行してのこの間の日々は、本当に大変であった。感無量である。
この間の交渉で見えてきた電力会社の姿勢というのは、機会があればつまびらかにしたいところであるが、基本的には言葉遣いだけは非常に丁寧なのだが、客と対話をするという姿勢は見られない。かたくなな姿勢をとり続けて、こちらがあきらめるのを待っている。その主張は完全に政府と一体で、「国が決めたから従ってください」。これに尽きる。スマートメーターでこれなのだから、福島第1原発事故で被害を受けた方たちの救済というのは、本当に大変な道だとあらためて思った。
ちなみにこれがスマートメーターである。


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