今週の車検車両というか先々週末にすでに預かっていた車両
「神戸ナンバー号」と言えば当店に集うお客様やイベントでも見かけたことがあるかもしれない
この度転勤で関西に戻るとのことで神戸の自宅に置いてあるフォアともども今月中に車検を通す。
また、これまでのように何かあれば週末に診て...なんてことができないので
きっちりフルメンテナンス
ただ、このオーナーさんは自分でちょこちょこいじれる人なので
仕様が都度違う
今回ハンドルが変わっていて
寸法を測ると高さはOKだが
幅がオーバーしていた

約77.5cm

+-2cmまではOKだがそれでも3.5cmオーバーしている
構造変更しようにもナンバーの管轄陸事でしかできませんから神戸まで行かないとできないということ
そこで調整して合わせることにする
マスターシリンダーを内側に追い込み
左スイッチも内側に移動

レバーが遠くなるが乗れないわけではない
ばっちぐー!
また、ヘッドライトバルブがLED

光軸が出るかどうかは陸事でラインに通さないとわからない
※車検場そばのいつも使っているテスター屋は社外LEDはすべて受け付けてくれない
バルブを見ると爪の部分が樹脂でできていてすでに変形している(上側)
事前にオーナーさんには元々使っていたH4バルブを一緒に持ち込んでもらっていますので
そちらで車検を通します。
ともに完成して引き渡し時もこのままお渡しします。
当店では元に戻しません
次は足回り
ブレーキを全バラ洗浄
依頼事項でホースの交換がある
フロントホイールを外してベアリングの点検

ゴリゴリ引っ掛かるので要ベアリング交換
次にリアホイール
スプロケットがおかしい動き

ラジアル方向にカタカタ動く
外してみると.....フィキシングボルトが異常に細い

純正新品との比較

これは酷い
実はセブンスターのパチ物ホイールを付けていて
「JWL」マークが無いため車検を通せない、そのためスポークホイールに交換したのだが
フィキシングボルトが違うことに気が付かずそのまま付けてしまったのだろう
(付けた時点でカタカタ動くので分かりそうなものだが....)
もちろんナットも含め純正品に交換
ベアリングは...

こちらも片側が引っ掛かるので交換になります。
ブレーキペダルシャフトをグリスUPのため外す

リアブレーキスイッチスプリングがおかしなことになっているので交換しましょ
スイングアームも外してピボット部の点検とグリスの入れ替え

カラーの状態は良いですね。
次に依頼事項のキャブレター
オーバーフローとフロートチャンバー内のチェックを依頼された
外してすぐに気付いたのはステープレートのシャフトの動き

このシャフトは溝が切ってあり、ステープレートに圧入したピンで位置が決まり溝とピンのクリアランス程度しか動かない
これは動きすぎ、分解しようとして横から叩いてピンを折ってしまったのだろう
ほとんどの場合、ブッシュも破壊されている
よく見れば何かが打ち込まれているのが分かるはずだが

「そんなこと考えたこと無〜い」ってか
ここが位置が決まらず動くということは同調にも影響する
リビルトしなくちゃですね
一部ガソリンの色素で赤く染まっている

ガソリンが滲んでいるようだ
フロートチャンバーを外すと..

ガスケットはぺたんこ、交換しましょ
フロートチャンバーの底には錆が堆積
念のためタンク内をチェック

コーティングされていますがムラがあります。
タンクの背の部分を指で確認するとざらついた上にコーティング
コーティングの場合は完全に錆を除去してムラが無いようにまんべんなくコーティングしたい
万一、浮いて剥がれでもしたら最悪です
念のためタンクの底を石油ポンプで吸ってみた

錆は出てこないのでフロートチャンバーに堆積していた錆は古いもののようですね
フロートバルブを確認

シートに当たる部分に線が入っているので交換しておきましょう
フロートバルブセットも純正品だと¥4040(税抜き/1個)、リプレイス品だと¥1200(税抜き/1個)
何が違うかというとズバリ精度!リプレイス品は作りも含め純正品には劣りますが普通に使うのに問題は無いと考えます。
ステープレートを外すのでキャブを分割できますから、せっかくなのでフューエルジョイントのOリングも交換しておきましょう
横着して交換せずに後から漏れだしたら二度手間になってしまいます。
さて、概算見積もり書かなくちゃ
車両はこんな状態
これは触りたくないな(笑)
