これまで何度か書いてきましたが、クロームメッキは膜厚が厚く
精度が必要な部分はマスキングなどでメッキが乗らない様にしないと
シャフトが入らなかったり、カバーが合わなかったり不具合が生じます
硬度もあるのであとから修正は至難の業
今回もセルモーターのO/Hでメッキ済みの部品とともに持ち込まれましたが...
フロントブラケット内側のリングギアが収まる部分、一応マスキングしてはあったのですが不十分でメッキの膜でリングギアが収まらない
旋盤にて加工することに

完了!
ケース側のリングギアが収まる部分、ここはマスキングがされて無く
また一箇所出っ張っている為旋盤での加工は出来ないので手作業にてメッキを剥いでいきます。

下地の銅メッキが露出するまでひたすら削ります。

収まった〜♪

同じくケースのリアカバー側、こちらもマスキングされていなかった為
きちんとマスキングされていたリアカバーを乗せても合わない為浮いてしまいます、

こちらは旋盤にてメッキ部分を削ります。

はい、収まりました〜
ここまで手間をかけるとO/H技術料に加工費用が上乗せになり非常に高額なO/Hとなってしまいます。
「そんなの関係ね〜」などといって合わないものを無理に締めれば
破壊することに

単品では補修部品設定は無いですから、中古品を探し、再度メッキをかけて大変な浪費をすることに
依頼する場合は、その辺を理解しているメッキ屋さんなら良いのですが、基本的には依頼者がきちんと理解していてマスキングして出すことが原則です。
また、アルミニウムのクロームメッキは内部から浮いてきて長持ちしない場合もあるので依頼時にメッキ屋さんによく聞いてください
当店では、基本的にアルミニウムへのメッキはエンジンカバー類に関しては依頼を受けてはおりません(持込でも部位によってはお断りする場合がございます)