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2019/11/28

11月稽古場 2  稽古

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「福寿」
前大徳紹尚師


運び薄茶の稽古をしながら
先日の席披きの日の感動を語りあううちに
私の心にも
それを文字にするゆとりが少し生まれてきました


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席披きの日は
玄庵での茶事が薄茶まで終わった後
夕刻4時過ぎた頃
師匠に近くの稽古場までお越し頂きました

今日は
その時のことを
少しだけ書かせていただきます



師匠とは
ちょうど十年前の秋にご縁をいただき
社中に入れていただきました



そしてそのおよそ5年後
今からちょうど5年前に
ご自宅の小間でのお茶事にお招きをいただきました



その時の感動は
今でも忘れることができません



その1年後
私は稽古場を洗心亭へ移すことになり
茶室のリフォームについて
色々アドヴァイスをいただきました


稽古場が完成したご報告をした折りに
師匠から

「私をよんでくださいよ」

と言われました


「いやいや・・・それは無理です
稽古場ですから・・・」


「稽古場でもいいよ」


「じゃ...将来『小間』を作りますから...
小間ができたらおよびします!」

「そう・・何年後?」

「えっと...ご..5年後です!」

「よしわかった」


正確ではないかもしれませんが
こんな会話が
師匠との間にあったことを記憶しています


もちろんその時には
具体的にはまだ何も始まっていませんでした



しかしその2年後の秋
不思議な経緯で建築家の先生とのご縁をいただき
それから2年をかけてようやく小間が完成し
師匠をお呼びする日を迎えることができました


結局師匠に申し上げた5年を待たずに
お約束を果たすことができました


こういった経緯の全てを
私は普段から社中のお弟子さんに
お伝えしていましたので

せっかくの機会
お茶事の終わった後

稽古場でゆっくり師匠をもてなしたいと
社中に持ちかけたところ

全員が「是非お会いしたい!!」と大喜びし
師匠にも了解いただいて
実現の運びとなりました


とはいえ
私が玄庵で茶事をしている間に
社中だけで稽古場で炭をおこし釜を掛け
師匠をお迎えする全ての準備をしなければなりません


こんなことは今までに
一度も経験したことがありませんでした


しかし事前に練習もしていただいて
当日を迎えました


ご遠方よりお越しの師匠は
早朝からご自宅を出て
一日茶事にお付き合いくださった後

きっとお疲れだったと思いますのに
社中たちのもてなしを
大層喜んでくださいました


師匠を社中全員でもてなすことができた
その時間は
本当に語り尽くせないほどの
愛に溢れた素晴らしいひとときでした


感動の場面は
数えられないほど
沢山たくさんありました・・・


しかし
今日稽古場で社中からお聞きした
一つのエピソードが
その感動の全てを表わすエッセンスのような気がして
ここに書かせていただくことにいたします


私は当日
稽古場では師匠にくつろいでいただこうと思い
毛氈を敷くように指示を出していました


ところが
師匠は席入りするなり
「こんな物はいりませんヨ〜」と
いきなり毛氈をクルクルと巻き始めました

その時
準備の段階で
毛氈をコロコロで掃除したMさんは

「あぁ〜よかった〜!セーフ!」と

思わず胸をなでおろしたそうです


というのは
Mさんにコロコロを指示した社中の先輩Sさんが
何気なく「裏もやっといてネ」と仰ったのだそうです


Mさんはその時
「えっ?裏もするんですか?」と
思ったのだそうです

しかし
Sさんに言われた通り
毛氈の裏も
コロコロで綺麗にゴミを取っておいたそうです


畳は事前に念入りに拭いてあったとは言え
紺色の毛氈は小さな糸くずでも目立ちます


師匠がクルクルと毛氈を巻き始めたとき
いくら表を綺麗にしていたとしても
裏にゴミがついていたら・・・



だから
Mさんはその時「セーフ!」
とにっこり安堵したのだそうです


その話を今日の稽古場でお聞きし
私は社中の皆さんの真摯なお気持ちに打たれました


茶事が終わった後
何時に稽古場にお越しいただけるか
時間が読めない中
炭をおこし火相を整えてくれた方

師匠に花所望をするための
花を持ち寄り
整えてくれた方


細やかな気配りをして
私の心を汲み取って
それぞれの持ち場で
誠心誠意師匠をもてなしてくれた社中12名全員に
心から御礼を申します


言葉にできないほどの感動を
師匠からいただき
また社中からも与えられたことに
深く深く感謝いたします
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