社会のカナリア　一歩前進　二歩後退

２０１１年７月２６日　火曜日

　中国高速鉄道事故は新しい情報が入るたびに、全体主義国家の恐ろしさを確認することになります。

　もちろん最初は、事故そのものです。落雷で先行する高速列車が止まっているところに後続列車が２５０キロ／時で追突する、という日本では起こりえない事故らしい。新幹線が開通してからこれまで大きな事故が起きていない日本では考えられない事故だと言われています。



　また、次は朝日新聞特派員が実際に見て確認し報道したこととして、衝突した後続最前列の車両を穴を掘って埋めてしまう、という事実です。

　〜〜アサヒ・コム７月２５日引用〜〜
http://www.asahi.com/international/jiji/JJT201107250038.html

高速鉄道が運行再開＝車両埋め「証拠隠滅」の批判も―中国2011年7月25日13時6分


　【北京時事】新華社電によると、中国浙江省温州市で２３日夜に起きた高速鉄道追突・脱線事故で、不通となっていた寧波―温州の路線が２５日午前、事故から１日半ぶりに復旧し、一部の高速鉄道列車の運行が再開された。

　鉄道省は２４日、事故を起こした２本の列車のうち、高架上に残った車両を撤去。また、高架から落下した車両の一部を土中に埋めた。これについて、インターネット上では「証拠隠滅ではないか」との声が上がっている。

　同日深夜に温州市で記者会見した鉄道省の王勇平報道官は「（雨で）地面がぬかるんでいて作業に不便だった。先頭車両を埋めて土を掛けたのは、他の車両の処理に当たり、危険を回避する緊急措置だった」と述べ、証拠隠滅との見方を否定した。

　ただ、事故後１日半で早くも運行を再開したことに対しては、現場検証など事故原因の調査をないがしろにしているとの批判もあり、論議を呼びそうだ。［時事通信社］

　〜〜引用終わり〜〜

　まるで証拠隠滅を国家が行う、ということを世界が注目するなかで行うという非常識国家。それに対しては中国は世界が注視している事故のなかでそんなことができるわけがない、と言いますが、常識の通用しない国で常識の通用しない国家官僚にそのようなことを言われても信じることはできません。この記事には出てきませんが、穴に落とす前に運転席当たりを重機で繰り返し突き刺していたとも言われています。

　第一原因を追求するための一番の証拠品を穴に埋めるなど絶対にありえないことです。考えられるのは「原因を追求しないで原因を追求したことにする」作文がすでに出来上がっている、作文のストーリーでは列車が見えてはまずい、ということです。

　中国４０００年の歴史といいますが、地理的に中国の領土で繰り返されてきたことは事実でしょうが、それは血塗られた歴史そのもの、すでに中国古代文明を起こした賢人である中国人とは異なる民族が現代に存在しているのです。文明発祥の地に今住まう人種は、古代文明を築き上げた人種とは違う、と思っています。

　それはわたしの体験であり、逆説的ですが、中国だけではなく、イラク人や、エジプト人やギリシア人に、古代文明を開くことができたとはとても思えないからです。概して努力をしませんし、勤勉でもありません。しかし自分たちが人類の文明の歴史を作りだしたという自意識だけは人並み以上だからです。

　輝かしい歴史の上に新しく血塗られた歴史を重ねるということは滅ぼされた側の全否定、勝利した側のすべてを肯定することです。海に沈めるとか、土に埋める、という行為は全否定するには手軽な方法です。誰にも見えません。何十年かすれば（少なくとも世代交代する３０年後には）そんなことは誰も覚えていません。

　南京大虐殺で自らに墓穴を掘らせて、残虐な日本人がそこに中国人を投げ入れて射殺した、などという写真が南京大虐殺の証拠だとして巷間言われていましたが、穴を掘って不都合なものを埋めてしまう、というのは中国人独特の方法であるように感じました。だから兵馬俑などの巨大な遺跡が発見されます。


　そして次に、犠牲者数の不思議です。

　〜〜読売オンライン７月２５日引用〜〜
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20110725-OYT1T01087.htm

「遺体がない」鉄道事故の家族訴え…死者３９人


　【温州（中国浙江省）＝角谷志保美】新華社電によると、中国浙江省温州で２３日夜起きた高速鉄道の追突、脱線事故による死者は２５日夜までに３９人となった。

　当局は「これが最後の数字ではない」としており、行方不明の乗客も多いため、犠牲者はさらに増えそうだ。

　「市内の病院は全部回った。遺体もすべて確認したが、どこにもいない」「列車とともに地下に埋められたらたまらない」。温州市内の遺体安置所には、不明乗客の家族や友人ら約２０人が集まり、担当者にすがりついて訴えた。テレビのインタビューに涙を浮かべながら答える者もいた。

　鉄道省は、２４日深夜の記者会見で死傷者数を公表したが、不明者がいるのかどうかについては説明がなく、疑心暗鬼を生んでいる。

　また、妊娠７か月の妻（２８）と義母（５２）ら家族５人を亡くした浙江省の男性は、「政府は生命よりも運行再開を優先した」と声を荒らげた。男性の家族が２４日夜、運行再開のために高架から落とされた車両の中で発見されたためだ。

（2011年7月25日22時33分 読売新聞）

　〜〜引用終わり〜〜

　中国の発表と日本の報道では異なります。その差がこのような被害者家族の訴えです。ヒト・モノ・カネのなかで一番大切にされる資源がカネ、一番たくさんあって代替できるのがヒト、という中国らしい生命無視のやり方です。

　先の列車のなかに回収すべき遺体が大勢残っていたのではないか、とも考えられます。全体主義国家ですから、当然あり得るでしょう。あり得ると考えて推論をすれば真実にたどり着きます。

　その他、各国からの技術のパクリの問題もあります。事故からわずか１日半で運転再開の問題もあります。またＡＴＣを落として運転をしていた人災の疑いもあります。

　最後までお読みいただきありがとうございます。