「イジメに対する弁護士・ソーシャルワーカー・警察の介入」
社会のできごと
2012年3月13日 火曜日
わたしは教育関係の仕事ではありませんので、イジメの類型にどのようなものがあって、その類型の特徴とか、原因とか、対策とか、については全くわかりません。ただ体験的に言えば、殴ったり、焼き入れたりの暴力はありませんが、言葉で囃したりということを小学校や中学校ではした経験があります。
今考えれば残酷なことをした、申し訳なかった、ごめんなさい、というしかありません。そのお詫びをしたくても同窓会にも顔を出しません、このことを考えるとき、人生のスティグマを子どもにして体験させてしまった自分に大きな無力感があります。
〜〜47ニュース3月13日引用〜〜
http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20120313000071
越市長、いじめ撲滅誓う 大津 中学卒業式で涙の告白
滋賀県内の県立を除く公立中学校で13日、卒業式が行われた。昨年10月、いじめを受け、マンションから飛び降り自殺した2年の男子生徒が通っていた大津市内の中学校では、越直美市長がかつていじめを受けた経験を告白、卒業生や在校生に命の尊さを訴えた。
越市長は、蹴られてできたあざを親に見られるのが嫌で風呂も怖かった体験を明かし、「小学3年生と高校1年のとき死にたいと思った」と振り返った。続けて「辛いことがあっても大人になれば世の中は広く、いろんな人と出会える」と述べ、亡くなった生徒にも伝えたかった、と涙をこらえながら語った。
越市長は「4年間でいじめのない社会をつくる」と約束。卒業生261人に「明るく元気に暮らしてほしい」とメッセージを贈った。
県内では13日、県立中学3校を除く97校で卒業式があり、卒業生は両親や恩師らが見守る中、通い慣れた学びやを巣立った。
〜〜引用終わり〜〜
自分の体験としてイジメを語ることができる、というのは女性の感性だと思います。それだけでも女性の首長の意味があります。女性というだけでもてはやす世間に迎合するわけではありません、このような人間としての感性をもっと世の中が共有しなければならないでしょう。
男はとかく体面を気にする、というか、カッコつけたがるので、こういう体験を話したがりません。弱い自分をさらけ出すことになると思っているからです。なので問題を感じて話しをしても説教になりがちです。
さて、わたしはイジメに対しては本質的に少年による暴行・傷害事件だと考えるので、適宜警察の介入が必要だと思っています。いきなり警察が入っていい、ということではありません。
市区町村の教育委員会が少年問題に詳しい弁護士さんやソーシャルワーカーさんとともにイジメの相談を受け、それに基づいて加害者やそのグループに対して、警察とともに介入する、というイメージです。弁護士さんも、警察も、刑事事件では敵味方になる関係ですからあまり協力をしたくないでしょうが、そのようなプロテクトがイジメを受ける子どもには力強い支えとなります。
ちょうど高齢者虐待防止にあたっては警察署長の協力が得られる仕組みがありますが、同じイメージです。
〜〜高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律(高齢者虐待防止法)〜〜
http://law.e-gov.go.jp/announce/H17HO124.html
(警察署長に対する援助要請等)
第12条 市町村長は、前条第一項の規定による立入り及び調査又は質問をさせようとする場合において、これらの職務の執行に際し必要があると認めるときは、当該高齢者の住所又は居所の所在地を管轄する警察署長に対し援助を求めることができる。
2 市町村長は、高齢者の生命又は身体の安全の確保に万全を期する観点から、必要に応じ適切に、前項の規定により警察署長に対し援助を求めなければならない。
3 警察署長は、第一項の規定による援助の求めを受けた場合において、高齢者の生命又は身体の安全を確保するため必要と認めるときは、速やかに、所属の警察官に、同項の職務の執行を援助するために必要な警察官職務執行法(昭和23年法律第136号)その他の法令の定めるところによる措置を講じさせるよう努めなければならない。
〜〜引用終わり〜〜
そのことで、イジメがエスカレートしたときには弁護士さんやソーシャルワーカーさんの要請を受けて警察が動く、そして補導したり、ときには逮捕もやむをえないかもしれません。
要するに子どもたちは自分の行っている行為の客観的な評価ができないわけで、付和雷同でイジメたり、ことの重大さを気付かずにイジメに参加している場合がありえます。そこでタイミング良く警察に補導されたり、逮捕されたりすれば、自分の行ったことの重大性に気がつきます。その気がつくということこそが教育なのです。
もちろんモンスター・ペアレントという怪物は文句を言うでしょう。そこは弁護士さんの出番です。損害賠償請求をすればよろしい。相談を受け、いろいろな証拠を収集しているのは弁護士さん、ソーシャルワーカーさんなのですから、加害行為を立証するのは容易だと思います。
むしろ、このような当たり前のことが制度がない、法律がない、としてできないことのほうが問題です。イジメの当事者になっておられるお子を持つ親御さんには、ぜひ教育や少年事件に強い弁護士さんに相談してください。弁護士さんとの出会いが一生の宝物になるかもしれません。
そういえば、越直美大津市長も弁護士さんでしたね。ぜひとも大津市にそのような制度を作ってください。応援します。
最後までお読みいただきありがとうございます。

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