2012年4月29日 日曜日 昭和の日(旧昭和天皇誕生日)
毎日毎日悲惨な交通事故が報道されます。わたしのなかで交通事故に通底する理由ははっきりしています。道路の強者、自動車に甘い道路・自動車行政の姿勢が変わらないからです。
自動車保有台数が少ない時代の産業優先、物流の迅速化の名のもとに進められた基本的思想をそのままにして、保有台数が飽和状態の現在の状況に当てはめた行政を行っているから悲惨な交通事故が多発するのです。そのことが緊張感のない運転につながり、取締にも「運が悪かった」と済ませ、事故を起こして多数の被害者・悲惨な被害者が出ても少年や心神喪失を理由に軽い懲罰で済まされてしまう、ことに繋がっています。
自動車保有台数の少ない時代の基本思想が飽和状態の現代にマッチしなくなっている、それが動路・自動車行政のあらゆるところに影響を及ぼしているから悲惨な事故が多発する、統計的なデータや、根拠があるわけではありませんがこれがわたしの感覚です。
今朝のグーグルニュース一覧から拾ってみれば交通事故関係のニュースが目白押しです。
そして、今日の痛ましい事故、被害に遭われた方のご冥福をお祈りします。合掌
〜〜毎日JP4月29日引用〜〜
http://mainichi.jp/select/news/20120429k0000e040127000c.html
交通事故:バスが側壁衝突、45人けが7人重体 関越道
毎日新聞 2012年04月29日 08時03分(最終更新 04月29日 08時33分)
29日午前4時40分ごろ、群馬県藤岡市岡之郷の関越自動車道上り線高崎−本庄児玉IC(インターチェンジ)間で、千葉県印西市のバス会社「針生エクスプレス」の大型バスが側壁に衝突した。バスは正面から左側面が大破し、乗員・乗客計45人全員が重軽傷を負い、少なくとも7人が意識不明の重体となっている。
現場は片側3車線の緩やかな左カーブ。高崎市等広域消防局によると、バスは金沢市から千葉県浦安市の東京ディズニーランドに向かう途中だったという。【喜屋武真之介】
〜〜引用終わり〜〜
〜〜TBS4月29日引用〜〜
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye5016418.html
29日未明、群馬県藤岡市の関越自動車道で高速バスが側壁に激突し、7人が死亡、2人が重体となっています。警察の調べに対し、運転手は「居眠りしてしまった」と話しているということです。
事故を起こした高速バスの車体。ほとんどの窓が割れ落ち、前輪も失われ、乗客の荷物の一部が残されたままとなっています。
「バスの左側側面は大きくめくれ上がり、左側の内部はえぐり取られているような状況です。こちらにはバスの前方部分のバンパーが置かれていますが、大きくねじ曲がっていて、事故の衝撃の大きさをうかがい知ることができます」(記者)
事故があったのは、午前4時40分ごろ、群馬県の関越自動車道上りの藤岡ジャンクション付近。28日午後10時に石川県・金沢駅を出発し、東京ディズニーランドなどに向かっていた高速バスが道路左側の側壁に突っ込みました。
「すごい爆発音みたいな音がして、建物が揺れた、アパートが」(事故現場付近の住民)
バスは側壁にめり込み、車体の一部が道路の外側へとはみ出しました。車内には、石川や東京など1都4県に住む乗客45人と男性運転手(43)1人が乗っていて、懸命の救出活動が行われました。
「前の方は席とか人とかぐちゃぐちゃになっていて、左足が座席に挟まれた。(車内では)女の人が『痛い、助けて』と(言っていた)」(左足を骨折した乗客)
この事故で、石川県金沢市の木沢正弘さん(50)と富山県高岡市の林郁子さん(50)ら乗客合わせて7人が死亡。また、2人が重体で、37人が重軽傷を負いました。亡くなった木沢さんは家族で東京に向かう途中だったといいます。
「向こうで亡くなったという連絡を今、ついさっき受けた。木沢さんの妻と子ども2人はけがをしている」(亡くなった木沢正弘さんの義理の兄)
「こちらに到着した頃にはもう亡くなって、富山の方に車で運ばれていって、会うことができなかった」(亡くなった林郁子さんの親族)
警察に対し、43歳の運転手は「居眠りしてしまった」と話しているということで、警察は自動車運転過失致死傷の疑いで捜査しています。(29日17:51)
〜〜引用終わり〜〜
〜〜FNNニュース4月30日引用〜〜
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00222244.html
京都・亀岡市10人死傷 重体だった小3女児が死亡
京都・亀岡市で18歳の少年が運転する車が小学生の列に突っ込み、10人が死傷した事件で、重体だった小学3年生の女の子が28日午後、死亡した。
死亡したのは、安詳小学校3年の横山奈緒ちゃん(8)。
4月23日、亀岡市で18歳の少年が無免許で車を運転して小学生の列に突っ込み、2年生の小谷真緒ちゃん(7)と、保護者で妊娠していた松村幸姫(ゆきひ)さん(26)が死亡、児童8人が重軽傷を負った。奈緒ちゃんは意識不明の重体となり、病院で治療を受けていたが、28日午後9時20分、死亡が確認された。これで犠牲者は3人となった。
〜〜引用終わり〜〜
〜〜読売オンライン4月28日引用〜〜
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120428-OYT1T00741.htm
塀に衝突後ブレーキ…児童の列に車突っ込んだ男
千葉県館山市で児童らの列に車が突っ込み、小学1年の男児が死亡した事故で、逮捕された同市館山、飲食店アルバイト大河原央徹ひろゆき容疑者(20)が、「住宅のブロック塀にぶつかってからブレーキを踏んだ」と供述していることが捜査関係者への取材で分かった。
大河原容疑者が事故当日の27日、午前4時半から釣り場を探してドライブしていたことも分かった。事故は同7時35分頃に起きており、大河原容疑者は考え事をしていたと話していた。
館山署の調べでは、大河原容疑者の車は男児をひいた後、塀にぶつかり、男児は車体の下に巻き込まれたまま引きずられている。しかし、塀に衝突する前後ともブレーキ痕が見つかっておらず、同署は供述の裏付け捜査を進めている。
同署は28日、大河原容疑者を自動車運転過失致死容疑で千葉地検木更津支部に送検した。
(2012年4月28日21時56分 読売新聞)
〜〜引用終わり〜〜
基本的にスピードを出さなければ大きな事故にはなりません。10キロメートルで衝突した場合と60キロメートルで衝突した場合の加速度はどのくらいなのでしょうか。四則演算を含めて計算に弱い管理人のアタマでは比較ができません。
法科学鑑定研究所
衝突科学の基本@
http://www.e-kantei.org/ziko/koutu18.htm
衝突科学の基本A
http://www.e-kantei.org/ziko/koutu19.htm
しかし、科学的な根拠のある比較はできなくても、歩く速さの2倍のスピードで衝突した場合と、60キロのスピードで走るクルマ衝突してみればわかります。秒速に直せば10キロなら2.7メートル、60キロなら16.7メートルです。いいですか、うっかりして電柱や障害物にぶつかったことがありませんか。眼鏡が割れた方もいらっしゃるでしょう。
あの痛さは秒速1.3メートル余り、時速4.6キロです。
このようにしか書くことができなくて情けないです。
しかし、日本では最高速度を道路の状況に合わせて最高80キロとする警察庁の意向だそうです。
〜〜日刊自動車新聞2012年4月20日 06:00引用〜〜
http://www.njd.jp/topNews/dt/3563
警察庁、一般道の最高時速80キロに 速度規制にメリハリ
警察庁は、安全性が高いと認められる一般道の規制速度を時速70〜80kmへと段階的に引き上げる。昨年度までに全国6千区間(約1万2600km)で見直しに向けた調査を終えており、近く対象路線を決定する。一方、住宅街などでは規制速度を時速30kmとする「ゾーン30」を積極的に整備していく方針。走行実態や事故発生状況などに即した形で規制を柔軟に見直し、円滑な交通と事故防止の両立を目指す。
警察庁は2009年10月、約20年ぶりに規制速度の基準を見直し、片側2車線道路などの速度規制緩和や生活道路における最高速度の引き下げを決定。10年4月には新基準のもと速度規制の見直しに向けた調査を行うと発表し、11年度末までに北海道や千葉、神奈川、新潟、石川、岐阜、兵庫、鳥取、佐賀、宮崎、鹿児島などで調査を終えた。
この結果を踏まえ、警察庁は近く最高速度の引き上げ対象路線を決定する。実施にあたっては国や地方自治体などの道路管理者と連携し、道路の改良についても検討する。一般道の最高速度引き上げは、過去に岡山市内の国道2号などで時速60kmを70kmに引き上げた先例がある。
〜〜引用終わり〜〜
警察庁は気が狂っているのでしょうか。スピードを出さなければ大した事故にはならないのです。必要な道路・自動車行政における政策としては逆行です。飽和状態のなかでさらに自動車の速度を一律に上げれば事故の確率は上昇すると考えるのが常識的な理解のように思います。
ここには悲惨な交通事故死が後を絶たない理由についての社会的な検証などこにもありません。この警察庁の問題意識のない状況こそが悲惨な事故を招く一因となっているのです。道路においては王様である自動車、これらの事故における直接の原因だけではなく、それらの事故に通底する原因は自動車に甘すぎる行政があります。
因みにイタリアの高速道路ですらトラックは一番右側車線で60キロ走行です。高速道路で、です。バスや普通の自動車は真ん中の車線を90〜100キロ走行、そして一番左側は追い越し車線で110キロです。したがってトラックの煽りや急接近などの恐怖を味わうことはありません。
高速道路で大型トラックが法定最高速度を軽く超過する120キロで走る日本は恐怖の高速道路です。
その代わり街中には信号が少なくラウンドアバウト方式になっていて、お互いに譲り合って走行します。日本のように優先道路に入るのに一苦労ということはありません。
また、信号がないので運転者は車が通過しない信号で待つ必要がなくイライラはありませんし、ムダな電力を使う必要がありません。日本の警察庁は言うまでもなく信号機メーカーに天下っています。
信号機など民間では使いません、ほぼ100%が公共用であり、警察庁や警察本部がからみます。意図的に信号機の不要な交差点に信号機を付けたり、ラウンドアバウト方式の採用を妨害してきたのは警察庁なのではないのか、と。ちょうど東京電力が地熱発電その他のクリーンエネルギー開発を妨害してきたように。
これは推測にすぎませんので、ジャーナリストの皆様どなたかご調査いただくと嬉しいです。
ラウンドアバウト方式の優れたところはお互いに譲り合うことで信号のない交差点を通行するシステムですから道路交通倫理や道徳が自分勝手ではなくなります。
政治の役割は警察庁の行おうとしている旧来の思い違いを前提にした危険な行政を改めることです。
最後までお読みいただきありがとうございます。

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