2012年5月30日 水曜日
いつの世でも犯罪はなくなることはありませんが、犯罪は世の中を写す鏡だとも言われます。松本清張が拓いた「社会派推理小説」というジャンルは謎解きだけではなく、その背景にある人間の弱さや欲望や権力や不正義が社会的に意味を持つものとしてテーマです。
飲酒運転摘発強化に乗じての犯罪ですがショボ過ぎではないか。そして酒を飲む前にこんな結果になるだろう、ということを想像しなさい。
〜〜YAHOOニュース5月30日引用〜〜
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120530-00000004-mai-soci
<示談金詐取>飲酒運転させ、わざと追突 愛知の5人逮捕
毎日新聞 5月30日(水)1時40分配信
インターネットの出会い系サイトで知り合った女性2人を飲酒に誘い、わざと交通事故を起こして示談金名目で現金をだまし取ったとして、愛知県警岡崎署と刑事特別捜査隊などは29日までに、男5人を逮捕した。
逮捕されたのは▽同県岡崎市赤渋町、無職、鈴木隆嗣(26)▽同所、無職、疋田拓也(25)▽同市羽根町、会社員、黒柳正人(29)▽同県豊田市高岡本町、会社員、山崎慎一郎(28)▽同県豊明市二村台2、会社員、鈴木佳久(28)の5容疑者。
逮捕容疑は、11年12月14日、鈴木隆嗣、疋田両容疑者が出会い系サイトで知り合った同県蒲郡市の女子大生(20)と同県西尾市のアルバイト女性(20)を岡崎市内のカラオケ店で飲酒させ、女子大生が運転する車にアルバイト女性を同乗させて移動。黒柳、山崎両容疑者が車でわざと追突し「警察に行きましょうか」と求めた。別の車で同行した鈴木、疋田両容疑者が「飲んでるからやばい。届けられたら困るから1人70万円くらいで140万円も出せば妥当じゃないか」と言い、翌15日に現金140万円をだまし取ったとしている。
同署によると、5人は会社の同僚や友人で、鈴木佳久容疑者が計画を立て、4人に話を持ちかけたという。
女子大生らが同署に相談して発覚した。同署は余罪を追及する。【丸林康樹】
〜〜引用終わり〜〜
去年の12月の事件で今逮捕される、女子大生が警察に相談することを躊躇したのか、詐欺の証拠集めのための時間がかかったのか、事件を放置していたのか、わかりませんが、こういう事件について注意が喚起できることはいいことです。
こういう犯人たちには死刑でもいいと思いますが、詐欺罪の法定刑は「10年以下の懲役に処され、犯罪によって得たものは没収または追徴されます。詐欺罪の共謀共同正犯です。
それはともかく
事故を起こしたときにはパニックになりますから普段なら何でもないことでも正常な判断ができなくなります。恐怖や不安が極度に強ければ普通のことが考えられません。話しはやや飛躍しますが、そのような人間の弱い心理状態を人為的に作り出して宗教の勧誘を行うのがカルトです。
外から第三者として見ていればなぜそんな甘言に騙されるのか不思議ですが、その前提としての恐怖や不安があります。たとえばオウム真理教では「世の中の救済」だったりします。「世の中の救済が困難になる」と言われれば「それでは困る」と自ら進んで犯罪に手を染めていきます。
そんな心理状態ですから、何か解決の糸口があればそれに飛びつきたい、この恐怖や不安から逃れたいという一心で誘いや要求に応じてしまうわけです。
だから、その事件を思い返して「マインドコントロール」が解けたとき、「あれ、何かおかしいな」と普通は考えるのです。だからカルトにおけるマインドコントロールは一回成功しただけではダメで次々と恐怖や不安を提供し続けなければならないわけです。こうして、恐怖や不安が常態化することでカルトが唯一の心のよりどころになっていきます。
交通事故ごときで70万円の和解金を払うのはおかしいわけで、さっさと「酒飲んで運転してたら追突されました」って警察に駆け込んだほうがいい。警察に届けれあヤクザやその他の介入により事故が複雑化することはありません。警察だけではありません、第三者が介入することです。こういう輩は第三者の介入を嫌います。
わたしが犯人なら70万円も和解金を要求しません(20歳の女子学生がバイトで一生懸命に稼いでも10万円です)し、その後も目撃者がいたらしい、警察が捜査しているらしい、など次々と恐怖と不安を与え続けますね。もちろんこんなセコイ犯罪はしませんが。
世の中全体が恐怖と不安の渦の中にいるような状態ではカルトは大流行りです。
セコイ交通事故詐欺とカルトの共通点でした。
最後までお読みいただきありがとうございます。

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