2013年7月7日 日曜日 七夕
今日は新暦でも七夕の夜空が楽しめそうな天気です、珍しい。でも、熱中症も多発していますので夜だといって安心せずに水分補給と部屋の温度に気をつけてください。
昨日は同業者組合主催のお伊勢さん参り。久しぶりのお伊勢さんまいりでした。内宮(ないくう)と外宮(げくう)20年ごとに行われる式年遷宮は今年の10月2日に内宮、10月5日に外宮で遷御が行われます。
式年遷宮の年に当たるためか、観光客が多く混雑していました。わたしたちも観光客の一部であります。
普通に伊勢神宮と呼びますが本当の名前は単に神宮です。神宮といえば伊勢神宮に決まっているのです。
伊勢神宮には、太陽を神格化した天照坐皇大御神(天照大御神)を祀る皇大神宮(内宮)と、衣食住の守り神である豊受大御神を祀る豊受大神宮(外宮)の二つの正宮、とがあります。
お分かりの通り皇室の氏神さまは天照大御神、伊勢神宮の内宮も天照大御神です。天皇家と伊勢神宮のつながりは深く強いのです。
さらに内宮の境内には荒祭宮・月讀宮・瀧原宮・伊雑宮・風日祈宮・倭姫宮などの別宮があります。
http://www.isejingu.or.jp/naiku/naiku.htm
外宮の境内には多賀宮・土宮・月夜見宮・風宮の別宮があります。
内宮・外宮ともに別宮といえどもところどころで長い待ち行列ができているのでタイトな時間で動く団体旅行のわたしたちは正宮以外は駆け足のお参りでした。
本当は伊勢神宮の境内にいて長き日本の歴史をじっくりと感じ、日本人の精神を清める時間がほしいところです。
内宮の周囲は神宮宮域林ですが、その広さは5,500ヘクタール、神域と宮域林とに区分されています。神域とは内宮のご社殿を中心とした付近およそ93ヘクタールの地域で、ご鎮座以来まったく斧を入れることのなかった禁伐林です。神域には立ち入ることはできません。
http://www.isejingu.or.jp/naiku/naiku.htm
宮域林は天然林と檜(ひのき)の植林が半分ずつ、植林された檜(ひのき)は伊勢神宮のご用材となります。今年平成25年の式年遷宮には昭和2年に植えられた檜が初めて使われるそうです。百年後に神宮に使われるご用材を用意しておく、ここにはカネで買えばいい、という価値観はありません。
5,500ヘクタールというのは伊勢市の約半分の広さになるのだそうです。
式年遷宮は685年に天武天皇が式年遷宮の制を制定され、690年に持統天皇が第1回内宮式年遷宮を始められて以降20年に1度、新しく内宮・外宮の正殿、別宮以下の諸神社の正殿を造り替え神座を遷し、宝殿、外幣殿、鳥居、御垣、御饌殿など計65棟の殿舎といった全社殿を造替するだけではなく、装束・神宝、宇治橋等も造り替えます。
檜の量は10,000立方メートル(一般家屋166軒分の木材相当量)にも及ぶそうです。さらに現在の木材は捨てられるのではなくたとえば例えば、内宮、外宮の棟柱は内宮の宇治橋の鳥居としてさらに20年、さらにその後関の追分や七里の渡しの鳥居として20年使いまわされます。
他の古材も全国の神社の修繕などに譲渡されます。決して古くなったものはケガレではなく、次々と別の用途に使われるわけで、今の使い捨てとは異なります。
日本人はこうして営々と自然のなかで生かされていることを感謝して生きてきたのです。欧米の文化が人間が自然を支配してきたのとは異なります。そして、今でも欧米の価値観にはその考えが貫かれています。ヨーロッパはかつて深い森の続く豊かな大地だったことが最近の実証研究でわかってきました。それを人間が破壊してきた歴史がヨーロッパの歴史です。
人間が地球や自然を支配したと考えるのではなく、人間は地球や自然の恵みを分け与えてもらって生きさせてもらっていると謙虚に思うことがこれからの地球人類の基本的な価値観にならなければいけないのです。
式年遷宮で賑わうお伊勢さん参りもいいですが、一度ゆっくりと自分を問い直し、清める伊勢参りをしてみたい、と思った旅行です。
最後までお読みいただきありがとうございます。

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