「テレビやクーラーなど家電が監視カメラに変わっていたら怖い、でもそういう時代のようです」
社会のできごと
2013年8月8日 木曜日
どうも、奈良県を震源地とする緊急地震速報は誤報だったようですが、天気予報の降水確率のような数字があると便利だと思いますが、各人が誤報はあるかも知れないことを知っていれば火を止めて一旦外に出たとしても「誤報だった」「今回は空振りだった」で終わります。そもそもすべての地震について緊急地震速報がでるわけでもありません。
システムが便利で複雑になればなるほど、そのシステムによって与えられるリスクも大きくなります。何事もいい面だけではなく、マイナスの面を持っているわけで、いい面だけを強調してマイナス面を低く見積もったり、逆にマイナス面だけを見ていい面を見ないということも偏頗な態度でしょう。プラスやマイナスを過大に評価したり過少に評価したりした場合に騙されないだけの基本情報を持っておくことが必要です。
要するに各人それぞれがいい面とマイナスの面を比較し、自分自身で判断することが大事なわけです。
しかし、知らないところで自分の意に反してシステムを悪用して何かが行われているとすれば、それは恐ろしいことです。
便利であるか便利でないかの判断は自分でプラスとマイナスを比較して判断する、そのマイナスに個人情報が丸裸にされ可能性があればわたしはいくら便利なものでも使うことはありません。
でも、技術的には知らず知らずのうちにテレビ受信機が視聴者を監視することが可能な社会になっているのです。
〜〜WSJ8月8日引用〜〜
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887323451804578641091937417474.html?nid=LF20130808&reflink=NLhtml_20130808_a1
2013年 8月 01日 14:48 JST.
ネット接続の家電は危険 ハッカーが脆弱性を指摘 .
By DANNY YADRON 【ラスベガス】ダニエル・クローリー氏(27)は、ドアを一度も見たことがなくても、デッドボルト(本締まり)錠を開けられる。
同氏はまた、自分のパソコンから、ホームセキュリティーシステムのスイッチを切ったり、ガレージのドアを開けたり、電灯を消したりすることもできる。こういったものがインターネットにつながってさえいればそれが可能なのだという。消費者は生活のさまざまな場面をコントロールするため、スマートフォン(多機能携帯電話)やタブレット端末を通じてネットを利用している。
Reutersハッカー会合「ブラック・ハット」(画像省略)
米テキサス州オースティン在住のクローリー氏はおしゃれな髪型をしており、とても泥棒のようには見えない。セキュリティー会社トラストウェーブ・ホールディングスのコンサルタントで、恐ろしいことを為すための新技術を披露しようと今週ラスベガスにやって来た何千人ものコンピューター研究者の1人だ。こうした研究者は一部でハッカーと呼ばれている。
今日、ハッキングの舞台はパソコンやスマホだけに限らない。ワシントンにある米商工会議所が中国のハッカーに最近攻撃された際には、会議所が所有するタウンハウスのサーモスタットが中国に信号を送り返していたことが明らかになった。
日常的に使われるヒーターや電灯といった機器のほか、トイレまでもがインターネットに接続されているが、これにより、ハッカーに悪事を働かせる新たな道が提供されている。研究者2人が今週、韓国サムスン電子の新型テレビ(カメラ機能付き)を使って人々を監視できる方法を別々に発表する。このうち1人は、テレビの電源が切れていると思わせながら監視ができる方法を披露する。
サムスン電子は書面で、「サムスンは消費者のプライバシーと情報セキュリティーに関する懸念を非常に深刻に捉えている」と回答した。同社はとりわけ、ネット機能を使わないときはインターネット接続を遮断するか、あるいはカメラをカバーするように調整することを提案した。
クローリー氏は最近、面白半分で、日本の建材・住宅設備機器業界最大手LIXIL(リクシル)の製造した自動トイレをハッキングし、遠隔操作でトイレの水を流したり、消音のための音楽が流れるようにした。いずれもこのトイレの特色として宣伝されているものだ。LIXILにコメントを要請したが、回答はない。
深刻なポイントは、いわゆるスマート家電は、ハッキング可能なパソコンとは違ったセキュリティー上の課題を提示することだ。例えば、スマート家電は、誰かの電子メールを盗み見するといった方法では不可能な被害、つまり物理的な危害を可能にする。さらに、こういった家電は、例えば携帯電話やノートパソコンに行うような暗号化やハッキングのテストがされていないことが多い。
サンフランシスコのセキュリティー会社iSEC Partnersのセキュリティー研究者アーロン・グラタフィオリ氏は、「あらゆるもののスマート化が進むことは、攻撃にさらされる面が増えることを意味する」と話す。同氏はサムスンのテレビをハッキングした研究者の1人だ。
前出のクローリー氏とともにハッキングプロジェクトに取り組んだトラストウェーブのシニアセキュリティーコンサルタント、デービッド・ブライアン氏は、「発売時期と開発期限を気にし、セキュリティー面の精査を行っていないメーカーは少なくない」と指摘する。
ラスベガスで今週開かれる2つのハッカー会合の1つ「ブラック・ハット」で、クローリー、ブライアンの両氏は、消費者が自宅をコントロールする際にワイヤレス・ハブとして機能するさまざまな家庭用ネットワーク機器をどのように乗っ取ったかを発表する予定だ。
このうちの1つが、香港企業ミカサベルデが作ったシステム「VeraLite」だ。これはZ-WaveやInsteonといった新技術を使って機器を接続して対応の家電に情報を伝達するシステム。ゼネラル・エレクトリック(GE)からライセンスを受けた一部の電灯のスイッチのほか、スペクトラム・ブランズ・ホールディングス傘下の人気ブランド、クイックセットのドアロックなどが対応している。
消費者は自宅のWi-Fiネットワークを使って、パソコンないし携帯電話から家電をコントロールする。問題は、こういったネットワークはたとえパスワードが用意されているとしても、現代の暗号水準からすると打ち破るのが比較的容易な技術を使っていることだ。
クローリー氏は、ミカサベルデにこの結果を警告したが、抜け穴は修正されていないと述べた。
ミカサベルデは自社製品が安全だとの姿勢を維持している。同社の広報担当者は「全てのネットワーク接続機器には全体として脆弱(ぜいじゃく)性があるものの、われわれは当社のコントロールシステムが現在販売されている他のいかなるシステムと同等ないしそれ以上の安全を確保していると考えている」と述べた。
クイックセットにもコメントを要請したが、回答はない。
韓国人ハッカーのスンジン・リー(29)は、消費者はサムスンのスマートテレビを同氏のハッキングから守るためにどうしたらよいかと記者の1人に聞かれ、「コンセントを抜けば良い」と答えた。
ソウルにある高麗大学の博士課程の学生であるリー氏は、ウイルスまみれの電子メールやウェブサイトを使ってサムスンのテレビを乗っ取り、テレビの前で起こっていることの画像を他の場所にあるパソコンに送ることができると述べた。しかも、テレビの電源が切れているように見えているときもこれが可能だったという。同氏はこのテレビのメーカー名を明確にしなかったが、それはサムスンの箱の中に入っていた。
リー氏は「僕はハッカーに見られていても気にしない。家にいるときに下着を身に着ければ良いだけの話だ」と語った。
クローリーとブライアンの両氏は、新しい製品を売り出すのであれば、より安全な製品を作ることがメーカーの責務だと述べる。
しかしコモンセンス(良識)も役立つかもしれない。クローリー氏は「それ以外の対処法としては、ドアロックと同じくらい重要な機能をネットワークにつなげないという選択もできるかもしれない」とも指摘した。
〜〜引用終わり〜〜
ん〜、ということはパソコンでデータを検索したり、メールを送ったりの個人データが蓄積されるビッグデータの収集範囲はパソコンを超えて、一つ一つの家電を通じたデータが蓄積分析されることを意味することになります。いつ帰宅するのか、いつ食事の支度を始めるのか、いつトイレに入るのか、これらの個人情報が個人に知られずに蓄積・分析されることになるのでしょうか。「知らぬが仏」では済まされません。
今のPCはカメラがついていますから一発ですね。よだれを垂らした青年がいると思えばエロ動画を見ていた、なんてことが知らないうちに世界に拡散されていたりして(笑)。
丸裸。
たとえばドロボーがこのデータを使えば楽々と侵入できます。「下痢気味の人にはこれをどうぞ」って、アマゾンのお節介機能だって可能です。ちょうど医薬品の販売はコンビニではできるようになりましたが、今度はネット販売が解禁されるでしょう。
いや、これは恐怖です。便利さはもうこのくらいでいいので自由化とか規制緩和とかグローバル化などもうやめてほしいと真剣に思います。
まだ、法律や仕組みで規制があり国民の眼に見える形で行われるならともかく、仮にそんな制限の下に仕組みを作ったとしても、政府高官や最高裁判所の判事、誰の通話も簡単に盗聴できた、とスノーデン氏が証言したように裏では情報を個人がコントロールできない仕組みはいくらでも作れます。
アメリカのスノーデン氏に対するうろたえと身柄確保への異常な執着はアメリカの裏情報(真実の情報)が流されることへのアメリカ政府の恐怖です。
自宅のトイレも監視つきの自由のない空間になっている可能性を否定できない、ってパロディです。公共の施設のトイレなど行けたもんではありません。倒れたときに困るから、とか、痴漢被害から守るためとか、理由をつけてトイレに監視カメラが付けられている可能性だってあります。
久しぶりに怖いと思う記事を読みました。
最後までお読みいただきありがとうございます。

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