「阪急阪神ホテルズ出崎弘氏、半沢直樹を信じちゃったのかしら(?)」
社会のできごと
2013年10月28日 月曜日
自分が正義だと思うことと反対のことが自分の周りで起きているなら、それに対して、自分の意見を表明し、行動することが必要なわけですが、「出る杭は打たれる」ので、「カネのためには我慢しよう」となる日本人の均質性は、これからの時代にはマッチしません。
組織はそのような態度をとっても救ってくれないからです。組織を守るためには社長の一人や二人のクビ切りなど何でもありません。それが株主主権企業の価値観なのです。
〜〜MSN産経ニュース10月28日引用〜〜
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/131028/biz13102820400022-n1.htm
阪急阪神ホテルズの出崎社長、引責辞任を表明 2013.10.28 20:40
自らの辞任を発表する阪急阪神ホテルズの出崎弘社長=28日午後8時23分、大阪市北区(大塚聡彦撮影)(画像省略)
阪急阪神ホテルズ(大阪市)がメニュー表記と異なる食材を使っていた問題で、同社の出崎弘社長が28日夜、大阪市内で記者会見し、一連の問題の責任を取り、11月1日付で同社社長と阪急阪神ホールディングス(HD)の取締役を辞任する意向を表明した。
一連の問題では、阪急阪神ホテルズ系列8ホテルなどの計23店舗で出された食材47種類が対象となった。
同社は24日の会見で「従業員の認識不足による誤表示」などと偽装を否定していたが、うち、中国産と日本産のそぼ粉をブレンドしていた「天ざるそば(信州)」や、「手作り」をうたいながら既製品のチョコレートソースを使ったデザート、表記と実際の産地が異なったエビや豚肉、ネギなど6種類について、再調査を進めていた。
28日の会見で出崎社長は「再調査の結果、お客さまを欺く意図がなかったことが確認された」と述べる一方、「ただ、この理屈はお客さまには通らない。裏切り行為にほかならず、単に表示を誤っていたレベルを超えた『偽装』との指摘を受けても仕方ない」と話した。
〜〜引用終わり〜〜
出崎弘社長は「知らない」「偽装ではなく誤表示」で押し通そうとしたけれど失敗したわけですね。私は出崎弘社長が「知らなかった」ということが本当だとしても、職務怠慢で「知らなかった」のかも知れないと思います。
つまり、役員などトップ・マネジメントは現場の仕事をしなくても経営状態がわかる優秀なひとたちばかりであり、「現場・現業は身分の低い下の連中がやること」なので、学ぶことは何もない、という無言の価値観を持っていると思います。
だから現場ではすぐにわかることがわからないのです。最近では問題の「見える化」とかいってますが、見える化などという難しいことをしなくても、管理職が現場の仕事を一緒にすればすぐにわかります。
どうもホワイトカラーは現場の仕事がイヤなのですね。机の前に座ってパソコンで資料を作りありもしないことを、あれやこれや考えることが仕事だと思っているようです。妄想の世界です。
問題は必ず現場で起きるからです。
今回の事件も問題は調理場という現場で起きていたのです。不思議に思われるかも知れませんが、レストラン飲食部門(その他のレストランや食堂も同じ)というのは、サービス業ではなく、製造業なのです。
どのような資材を調達し、どのような加工をし、どんな製品(メニュー)を作るか、というのは製造業の基本中の基本です。その計画を立て、発注をし、技術を持った調理人を配置するのが総料理長の主な仕事なのではないでしょうか。
資材調達が間違えばメニュー(完成品)が違うものになることは当たり前です。技術のない人間を調理人として配置すれば予定しているメニューはできません。
資材や技術を偽装で埋め合わせをしても「わかる客」にはわかるのです。
もう一つはホテルの本業は宿泊そのものです。食事を提供するというサービスは宿泊と比較すればあまり儲かるものではありません。
ホテルの宿泊における変動費はシーツやアメニティなどごくわずかですが、食事の提供における変動費は食材が3分の1程度かかります。宿泊料1万円の売上と食事1万円の利益を比べてみれば宿泊料1万円の方が利益額・率ともに高いはずです。
このような「儲からない飲食部門」でなぜ偽装をしたのか、がよくわかりませんが、「もっと利益を」というホテルチェーンの指導があったのでしょうか、それとも持ち株会社の方針だったのでしょうか。
出崎弘社長がどのような序列の人か知りませんが、ドラマ半沢直樹のように「部下の成功は上司の手柄、上司の失敗は部下の責任」って考えていたのでしょうか。
そんなことで世の中が回っているなら、世の中のサラリーマンはこんな苦労をしてません、って。
最後までお読みいただきありがとうございます。

0