「現代社会に通底する成功する価値観はモノ扱いされる99%を大事にすること」
企業経営
2013年12月20日 金曜日
一極集中というのは、平常時には合理的であっても危急時にはもっとも不合理なシステムになります。
ある企業の売上の80%を特定の一社に集中させていれば、その会社がダメになったときに終わりますが、多くの企業を得意先にしている企業は1社や2社がダメになっても倒産にいたるまでにはなりません。
〜〜YAHOOニュース12月20日引用〜〜
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20131220-00026909-toyo-nb
マクドナルド 利益半減の驚愕
東洋経済オンライン 2013/12/20 06:05 猪澤 顕明
「第1四半期(2013年1〜3月期)から続く客数の減少を過小評価する一方、プロモーションの効果を過大評価してしまった」。日本マクドナルドホールディングス <2702> の今村朗執行役員は、そう言って肩を落とした。 12月19日、同社は2013年12月期の業績予想を下方修正した。売上高は従来予想から50億円減の2600億円、経常利益は同95億円減の100億円に見直した。前期との比較だと、売上高は11.8%の減少、営業利益は57.9%の減少となる見込みだ。
経常利益の下方修正幅である95億円を要因ごとに分解すると、次のようになる。売り上げの不振で40億円のマイナス、店舗改装やスタッフ増員など将来に向けた投資で15億円のマイナス、光熱費の上昇で5億〜8億円のマイナス、店舗立地の見直しのための戦略的閉店の費用で8億円のマイナス、といったところが主だったものだ。
このうち、最も影響額が大きく、かつ深刻な「売り上げの不振」の理由について、今村執行役員は「メニューがお客様の期待に応えられなかった」と振り返った。11月にモモ肉からムネ肉に変えたチキンフィレオが女性客に好評だったほか、12月に投入したチェダーチーズを使ったハンバーガーやウィンターデザートは好調に推移しているという。
■ 定番メニュー不振、既存店は前期比6%減
しかし、裏を返せば、「これ以外の定番メニューは全体的によくなかった」(今村執行役員)。消費者がコンビニの中食などへシフトしていることやマクドナルドの期間限定メニューの魅力不足などもあり、年初からの減少モメンタムを変えることができなかった。
こうしたメニュー全般の苦戦によって、既存店売上高は前期に比べて6%強のマイナスとなる見込み。8月に事業会社のトップが原田泳幸氏からサラ・カサノバ氏に替わり、新たな取り組みを進めてきたが、目に見える効果が表われるには、まだ時間がかかりそうだ。
また、一時廃止していたカウンターのメニュー表を12月11日から復活させたことについて、今村執行役員は「今まで以上に楽に注文できるようにする中で、お客様の支持を回復していきたい」と語った。そのうえで、「その時々のお客様のニーズに合わせて、われわれも進化していく」とした。
新社長の下で、マクドナルドはどう進化していくのか。その一端は、12月25日に予定されている新年度のメニュー発表で明らかになるかもしれない。
〜〜引用終わり〜〜
マクドナルドハンバーガーを人生のなかで1度しか食べたことがないジジイの言うことなど信じられるか!、という、お叱りは少し横に置いておいて、感想を一言。
まず、自社のドメインをどこに設定しているか、という疑問があります。高い・安い、高品質・低品質、という軸に落とし込んだ時には、かつてのマクドナルドハンバーガーはファーストフードとしては、並みの価格・並み品質、という感じがしていました。どのようにパンを売るのか、業態としては新しいことが特徴でした。
ところが不景気によって従来の価格では売れないとなると、品質を維持しながらより安い価格設定をせざるをえません。不景気により販売価格を下げざるを得なかったわけです。牛丼の吉野家と比較される安値競争です。吉野家といえば「早い」「うまい」「安い」という生産の3要素を追求したCMが記憶にあります。
ところがマクドナルドは安値競争に耐え切れず(あるいは状況を見誤り)、安い商品をなくして高い商品の導入をするという戦略に転換をしました。実際に店舗に行っていないのでどの商品がなくなり、どの商品が高いプレミアム商品として導入されたかわかりませんが)上記記事のリンクコメントを見ると「高い」というコメントが多いようです。
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20131220-00026909-toyo-nb#commentAnchor
つまり、「安い」を求める消費者に対して、高いものを求める市場をターゲットにしたのでは売上が落ちるのは当然です。
売上高は客数×客単価ですから、真因分析は客数が減ったのか、客単価が下がったのかがスタートです。たとえば1日100万円の売上を作るのに、100人が1万円ずつ買い物をしてくれても、500人が2000円ずつ買い物をしてくれても同じです。
マクドナルドは客数は変わらない、そして客単価を上げれば売上が増える、と見た。
そこで、競合の存在です。コメントにもありますが、同業のモスバーガーだけでなく、ラーメン屋さん、コンビニとも競合となっています。バーガー屋さん同士の競争ではなく外食産業全体が競合の状況です。
マックでそこまで払うならモスの方がいい、ラーメンの方がいい、コンビニの方がいい、という判断をしている消費者が多かったのです。
だからそれらの競争に負けて客数が減り、客数が減った分だけ売上が減った。客単価は上がらなかったのです。
一度安値にすれば、客はその安値に慣れます。企業が高く売りたいのはやまやまだけれど客は買ってくれない。だから安値販売でいくしかない、というのが現状です。高くするというのは命取りになります。
極論すれば、これは、マクドナルドなどを食べる客層は底辺層である、ということの現実社会の裏返しなのです。自社のドメイン(と異なる市場をターゲットにすれば失敗することは明らかです。
マクドナルドは下手に人間を相手にしていると思うから失敗するのです。成功したければ動物に与えるエサ程度のコストのものを美味しい加工をして、同業・他業種飲食・コンビニよりも安く提供することです。
モノ扱いされる99%の底辺層と、人間扱いされる1%の富裕層の社会では99%の底辺層から小ガネを巻き上げた方が利口です。100万人に1円ずつの買い物をしてもらうビジネスこそが王道です。
最後までお読みいただきありがとうございます。

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