2014年6月4日(水曜日)
北朝鮮による1000人にも及ぶ日本人拉致被害者の奪還は日本人の共通の願いだと思いますが、だからこそ自民党から民主党に至るまで日本人拉致問題を利用しようとする動機があります。
問題解決の先鞭をつけたのは小泉純一郎元首相ですが、その交渉はまったく情報が漏れていませんでした。誰もが「アッ」と驚いたのです。
その小泉元首相の「情報がどこからも完全に漏れない」ということについて私は拉致被害者奪還の鉄則だと判断しています。
外交を知らないのですから直感でしかありませんが、これまで拉致被害者につながる数多の情報が流されてきましたが、どれも実った試しがありません。
日本・北朝鮮どちらにも情報をカネに代えたい人物がおり、彼らは(脈もないのに)「信ぴょう性の高い情報があるが使わないか」と持ちかけてくるわけで、それに乗ってカネをもらえば、あとは事態が進まないうちに拡声器役の人物に喋らせる、そして「アンタらが情報漏洩したので頓挫した」と一件落着させる、こういうことの繰り返しだったのではないのだろうか。
政治家の誰もが拉致問題を利用しようとする動機があることに加え、使途不明でも許される官房機密費・外務機密費を使えばカネはいくらでも出せます。
つまりウソ情報を掴まされて困るのは日本だけなのです。もう何回繰り返したことでしょう。
そして、今回の合意について安倍晋三首相の本気度が伝わったとか眠たいことを言っている評論家がいますが出来レースだと指摘する人たちもいます。
〜〜ニフティーニュース6月3日引用〜〜
http://news.nifty.com/cs/item/detail/gendai-000212175/1.htm
同行記者が内幕暴露 “やらせ”だった拉致再調査「電撃会見」
2014年6月3日(火)10時26分配信 日刊ゲンダイ
政権浮揚のためなら拉致被害者さえ“利用”する――。
薄汚い安倍政権の正体見たりだ。先週5月29日夕、安倍首相が突然、「北朝鮮の拉致被害者再調査」の日朝合意を公表した、ぶら下がり会見。記者に囲まれた安倍は「拉致問題の全面解決は最重要課題のひとつ。全面解決へ向けて第一歩となることを期待している」と得意満面だったが、この電撃会見、実は安倍のパフォーマンスのために用意周到に仕組まれた“デキレース”だった。
“デキレース会見”の内幕を明らかにしたのは5月31日のTBSの「報道特集」。26〜28日にスウェーデン・ストックホルムで開かれた日朝外務省局長級協議を取材した政治部の法亢順記者が登場し、「3日目(の協議)は(日本側は)さっさと終わらせて帰る予定だった。安倍首相がシンガポールに外遊に行く前に(内容を判断して)発表する時間をつくるため」などと発言したのだ。
さらに法亢記者は、安倍政権は当初、合意内容について「総理が大々的に会見を開く」と決めていたものの、「ランクを落としてぶら下がり会見」になり、最終的に「官房長官会見に変えた」と暴露。協議終了直後、外務省の伊原純一・アジア大洋州局長が現地で記者団に「北朝鮮は拉致問題の議論を拒否する姿勢ではない」とのコメントにとどめたのも、「控えているな」と感じたという。
■大マスコミがグル
この発言が事実であれば驚きだ。法亢記者の解説通りなら、大新聞・テレビの同行記者は、日朝両政府の協議はとっくに「合意」に至り、安倍政権の公表のタイミングも把握していたことになる。
ところが、安倍会見の直前まで、大新聞・テレビは、日朝協議について「再調査合意せず」「交渉決裂」と連日報道。協議が決裂したように見せかけながら、29日夕の臨時会見も「突然」決まったように報じ、「日朝協議に進展か」「交渉の扉が開く」などと盛り上げ役に徹したわけだ。報道機関が安倍のサプライズ演出に一役買っていたことになる。「やらせ」のような会見だ。
そもそも安倍は今回の拉致被害者再調査を大手柄のように喧伝(けんでん)しているが、内容は08年に福田政権下で北と合意し、あっさりホゴにされた「日朝実務者協議合意」とほぼ同じ。しかも、安倍は04年の自民党幹事長時代、北朝鮮の拉致再調査について、「(北が)知らないふりをして(日本と)一緒に調査するというのは、時間延ばし以外の何物でもない。拉致問題は金(正日)総書記がすべてを話せば一秒で解決する」と断じていた。安倍自身が金正恩第1書記に直談判したならともかく、かつて自ら茶番だと批判した再調査を大げさに発表するなんて、まさに茶番だ。
「拉致事件は北朝鮮による国家的犯罪です。ですから本気で向き合わなければ解決しません。ところが、今の安倍政権を見る限り、政権浮揚に利用したいという動きにしか見えません。メディアは安倍政権に取り込まれ、政権のヨイショばかりしている。どうしようもありません」(元外交官の天木直人氏)
メディアが政権にゴマをする姿は北朝鮮と同じ。何だか日本はかの国とソックリになってきた。
(日刊ゲンダイ2014年6月1日掲載)
〜〜引用終わり〜〜
そして日朝合意の中身については大きな食い違いがあります。
〜〜朝日新聞デジタル6月2日引用〜〜
http://www.asahi.com/articles/ASG62535ZG62UHBI00Z.html?iref=com_alist_6_02
総連本部問題は「日朝合意に含まれる」 北朝鮮・宋大使
北京 2014年6月2日17時37分
北朝鮮の宋日昊(ソンイルホ)・朝日国交正常化交渉担当大使は2日、北京の空港で記者団の質問に答え、日本人拉致被害者らの再調査に関する日朝の合意内容に、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部を巡る競売問題が「含まれる」との立場を改めて示した。
先月のスウェーデンでの日朝局長級協議に出席した宋大使は2日、経由地の北京から北朝鮮に帰国した。
日本側は朝鮮総連本部の競売問題は「合意文書の中にはない」(菅義偉官房長官)として協議の対象外との立場だが、宋大使は記者団に「(文書に盛り込まれた在日朝鮮人の地位問題の中に)含まれている」と主張した。(北京)
〜〜引用終わり〜〜
記事にはありませんが、北朝鮮のスパイや拉致した日本人の輸送船である万景峰号の日本の港への寄港についても食い違いがあるようです。
こんな重要な問題についてすぐに見解の相違が生じる程度のものが果たして「合意文書」と言えるのでしょうか。
しかも北朝鮮の「再調査」など意味がありません。拉致してきた日本人がどこにいるかわからない、などということは100%ありえません。
私は、合意の結果はこれから1年間の間に出るということなので期待をしたいと思いますし、1000人に及ぶ拉致被害者の無条件帰国を望みます。そのためにも制裁だけではなく資金も出すべきだ、と考えていますが、それでも「どこからも完全に漏れない」どころか、日朝当局の出来レースで公表したのだとすれば失望を禁じえません。
日本人拉致被害者が全員日本に帰国できれば、さっさとカネを払っておしまいにする、それ以降は韓国・北朝鮮=朝鮮半島は無視をすべき国家だと思います。
最後までお読みいただきありがとうございます。

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