2015年1月4日(日曜日)
経済が低迷すると言われる背景には、産業革命に匹敵する次の技術が出てきていないこと、先進国では新たに欲しいと思うものが存在しないこと、逆に後進国・途上国は労働集約的な産業立地で供給能力は高いが所得増加が一部に留まること、これらが複合して需要が少ない状態が世界に広がっています(需要不足のグローバル化)。
この現象を景気の波で説明するか、それとも資本主義じたいの限界・死滅として説明するか、いろいろな説があると思いますが、上記は事実です。
成長戦略の中身がないと言われるアベノミクスですが、成長というのは新市場開拓か新製品開発か、その両方しかありません。
アベノミクスの成長戦略のメニューは法人税減税、女性活用・外国人労働者導入・非正規増加等労働市場の流動化、医療・農業を成長分野として特区を作ったり既存利権を廃止して新しい利権と入れ替えることが中心です。
http://www.kantei.go.jp/jp/headline/seichosenryaku/shinchoku_ichiran.html
医療分野で新製品開発・新市場拡大といっても、産業競争力会議審議経て日本再興戦略(2013.6.14閣議決定)では医療関連産業の市場規模を2020年に16兆円(現状12兆円)というのですから中身はやってもやらなくても同じ程度です(GDPは付加価値=売上総利益の合計なので、売上高を12兆円から16兆円に4兆円増やしても減価償却を含む経費を差し引けばマイナスも有り得る)。
農業分野は現在農協がやり玉に挙げられていますが農業委員会・農協の解体と株式会社の農業への自由参入、「いい農産物を作れば海外で需要がある」という貧弱で独りよがりな発想では成長は見込めませんし、TPP農業分野に先鞭をつけるだけの政策でしょう。
そもそも、アベノミクスは金融緩和・公共事業拡大、法人税減税・労働市場開放・特区の創設等々の「成長戦略」は、サプライサイド(供給者側)からの政策なので、需要不足という現状にマッチした政策ではありません。需要不足は需要を高める政策(デマンドサイド)が必要です。
そこに持ってきてバクチを成長戦略に位置付けるなど愚の骨頂です。どこの国家がバクチで成り立っているでしょうか(?)
そもそも賭場は隠れた存在、ヤクザのやる商売です。それは人間の弱さに起因します。丁半バクチでもパチンコでも、遊びとしてやるならカネを払ってお終いでなければならないのです。遊園地に行ってジェットコースターに乗ればカネがいるのと同じです。ジェットコースターに乗ってカネ儲けをする、と言ったらアホか、でしょ(?)。
ところが、バクチは遊んでいるのにカネ儲けができるという錯覚が生まれ騙されるわけです。遊びなのにカネ儲けができると射幸心を煽るから人間熱くなる。大王製紙の坊ちゃんが10億円だったかをバクチに注ぎ込んで背任罪か横領罪で逮捕された事件がありました。要するに10億円で遊んだのだから諦めればいいのに、取り戻そうとする、その心根が射幸心です。
人間の弱いところに付け込んで商売するのは全うな商売ではありません。だからまっとうな人たちはヤクザな商売として遠ざけてきました。法律でも禁止されています。
ラスベガスのあるアメリカはギャンブル全開の国のようなイメージがありますが、アーカンソー州・ハワイ州・ユタ州の3州ではカジノを含む一切のギャンブルが禁止されています。世界中から観光客が訪れるハワイにカジノはありません。
経済効果はシンガポールで日本円にして4000億円程度らしいです。
http://uniunichan.hatenablog.com/entry/2013/11/06/183118
シンガポールのGDPは約30兆円なので1%がカジノによる増加分ということになります。
GDPに寄与すればバクチもヤクザも何でもあり、というならヤクザや中国系マフィアを合法化して経済計算に加算した方が効率がいいのではないでしょうか。
ヤクザのしのぎに国家が手を突っ込んで上前を撥ねるというのは下品です。
ところが、アベノミクスではバクチで成長しようと位置付けられているようですね。そもそも安倍晋三首相自身の取り巻きにバクチ仲間がいらっしゃる。
困ったことです。
以下の引用は知っている方には不要な情報、ご自由にどうぞ。
最後までお読みいただきありがとうございます。
〜〜YAHOOニュース引用〜〜
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20150104-00010000-biz_bj-nb&p=1
安倍首相と政府関係者、カジノ参入のパチンコ大手セガサミーとの“親密すぎる関係”
Business Journal 2015/1/4 06:00 編集部
昨年末に衆院選が実施されたことにより、安倍晋三首相自ら「成長戦略の要」と位置づけていた「統合型リゾート施設(IR)整備推進法案」(通称・カジノ法案)は先の臨時国会で廃案となった。自民党と連立を組む公明党には根強いカジノ反対論がある。今年の通常国会で再提出される見通しだが、こうした動きの中で、安倍首相と親交のある里見治氏が会長兼社長を務めるセガサミーホールディングス(HD)はカジノ運営に本格的に進出した。
昨年11月、ゲーム・パチンコメーカー大手セガサミーHDは、韓国カジノ最大手パラダイスグループと合弁で、統合型リゾートに進出した。韓国初の大規模IRは2017年上期の開業を目指す。建設予定地はソウル近郊の仁川国際空港から数分の場所で、東京ドーム4個分以上(20万3000平方メートル)の敷地に外国人専用カジノ、五つ星の高級ホテルのほか韓流エンターテインメント施設、国際会議場、スパ(温浴施設)などを備える。第1期の投資額は約1380億円だ。
セガサミーHDとパラダイスグループの合弁会社パラダイスセガサミーが運営に当たる。出資比率はパラダイス55%、セガサミーHD 45%。完成後は「パラダイスシティ」の名称で営業を始め、韓国に押し寄せる中国人富裕層をターゲットにする。
着工式に出席した里見氏は「北東アジアの観光の中心的存在にするため、グループの総力を結集する」と述べたという。里見氏は日本でカジノが解禁された場合、12年に買収した宮崎県のリゾート施設フェニックス・シーガイア・リゾートにIRを誘致する構想を表明している。だが、セガサミーHDにIRやカジノを運営するノウハウはないため、韓国でのIR事業を通してノウハウを蓄積する。
●パチスロ関連企業、こぞってカジノ事業に進出狙う
セガサミーHDはアミューズメント機器のセガとパチンコ機器のサミーが04年に経営統合して発足。14年3月期の連結売上高は3780億円、営業利益は385億円で業界最大手だが、06年3月期に売上高5532億円、営業利益1194億円をあげていた頃に比べると、業績は低迷している。
そこで、新たな収益源と見込んだのがカジノ関連事業である。カジノの専用遊技機を開発中で、世界各地のカジノに売り込む方針だ。カジノの運営に本格的に進出するのは、専用機器を売り込む一環とみられている。
パチンコ・パチスロ業界は、かつて30兆円産業ともてはやされたが、相次ぐ規制の強化で03年をピークに下降線をたどる。「レジャー白書2014」(日本生産性本部)によると、13年のパチンコ・パチスロの市場規模は18兆8180億円にまで落ち込んだ。パチンコブームが起きるたびに、射幸心を刺激するとして規制が強化された。1980年代のフィーバー機、90年代の連チャン機、2000年代前半の爆裂機の規制が好例だ。長期低落傾向を受け、メーカーもホールも多角化を加速。パチンコ・パチスロと親和性の高いカジノ事業が関心を集める格好となった。
パチスロ機主体のユニバーサルエンターテインメントは、IRの国内解禁をにらみフィリピンでカジノ事業に力を入れている。ゲームを主力に、パチンコ・パチスロなど幅広い事業を手掛けるコナミは、米国、カナダ、オーストラリアでカジノライセンスを取得した。パチンコホール最大手のマルハンは、香港上場のカジノ開発企業でマカオに本拠を置くサクセス・ユニバースに出資した。12年にパチンコホール企業として初の香港上場を果したダイナムジャパンホールディングスもカジノ進出に意欲を見せる。パチンコ・パチスロのメーカー、ホール大手はこぞってカジノを目指している。
●セガサミーと政界
カジノを中心としたリゾート施設の整備を後押しすることを目的として、前述のIR整備推進法案が超党派の「国際観光産業振興議員連盟」、通称カジノ議連の手でまとめられた。同議連には、パチンコ業界の団体、パチンコ・チェーンストア協会のアドバイザーを務める国会議員が多数参加している。いずれもパチンコ業界の族議員と呼ばれる人たちだ。
かつて、パチンコ業界の利益代弁者は、亀井静香議員のような元警察キャリア組だった。影響力を失った亀井氏などの警察出身議員に代わってパチンコ業界の窓口となったのが安倍首相であり、カジノ議連の最高顧問を務めていた(昨年10月に辞任の意向を表明)。
その安部首相に政権交代前から接近していたのが里見氏だ。下野して支持基盤が弱くなる中で支援者を求めていた安倍氏と、政界へのパイプを欲しがっていた里見氏の思惑が一致。政権交代後にも里見氏と安倍首相は複数回会合をもっている。
東京五輪が決定した1週間後の13年9月16日、ホテルオークラ東京で、里見氏の娘、有紀恵さんと、経済産業省のキャリア官僚である鈴木隼人氏の結婚披露宴が盛大に行われた。披露宴には安倍首相を筆頭に、首相経験者2人を含む多数の政治家が集まった。こういった席にはめったに顔を出さない小泉純一郎元首相も出席した。安倍首相、小泉元首相は、披露宴に出席した森喜郎元首相が会長を務めた派閥「清和会」のメンバーであり、里見氏の政界人脈は清和会と関係が深いことを見せつけた。
昨年1月に日本版NSC(国家安全保障会議)の国家安全保障局初代局長に就任した谷内(やち)正太郎・内閣特別顧問も、セガサミーの顧問に就いていたことがある。谷内氏は安倍首相の外交・安保のブレーンである。「週刊文春」(文藝春秋)が13年に里見氏と安倍人脈との密接な関係を報じたが、それによれば里見氏の知人が経営する東京・赤坂の高級韓国クラブに谷内氏は出入りしており、その交遊はかなり古い時代からのものだという。さらに谷内氏はセガサミーのゲーム機の中国への輸出解禁にも尽力していると報じられた。
里見氏と谷内氏は家族ぐるみの付き合いで、前出結婚披露宴にも谷内氏は出席していた。この披露宴に安倍首相が出席することについては、官邸内で議論があったという。菅官房長官は出席を見送ったが、安倍首相は出席した。なぜ反対が起きたかといえば、入管法違反で逮捕された赤坂の韓国クラブママと里見氏が親しい関係にあることが問題視されたためだとみられている。
安倍首相が成長戦略の目玉と位置付けていたカジノ法案は、今年の通常国会での成立を目指す。公明党内には依然として慎重な意見が多く、与党間の意見集約は進んでいない。カジノ利権目当てと見なされていることを、公明党は潔しとしない。安倍首相の在任中に成立しなければ、カジノ法案が陽の目を見るのは難しい。15年にカジノ法案が成立しても、カジノ議連が掲げている20年の東京五輪までにカジノ第1号が開業するのは厳しいとの見方が強い。
〜〜引用終わり〜〜

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