2015年1月12日(月曜日)成人の日
今日が成人の日という祝日ですが、ほとんどの成人式は昨日終わっているのではないでしょうか。かつては1月15日が成人の日でしたがハッピーマンデーというバカ基準のおかげで毎年成人の日が変わるというおかしなことになっています。
この国にはバカ基準が非常に多いのですが、従順にバカ基準に従うバカ国民を作り出すのに役立っていますから、為政者が成功しているのでしょう。そろそろバカ基準を見直す国民にならないと幸福にはなれません。
労働は企業経営にとってはヒト・モノ・カネと言われる通りコストの面を無視できません。自動化・ロボット化が進めば人手は少なくて済みます(ヒトのコストの側面)。
では、人手は要らないのかといえば、そうではありません。いくら自動化・ロボット化が進んでも、基は人間が考えて作り出し、時間をかけてブラッシュアップしてきた技術を機械化しているからです。そして自動化・ロボット化がさらに進化するのは機械が勝手に進化するわけではなく人間の工夫が必要です(ヒトの資産・財産としての側面)。
このように労働にはコストの側面と資産の側面の両方があります。
国の労働政策のなかで派遣労働者の位置づけはコストの側面だけを重視した施策です。要するに「好きなときに仕事して、自分の価値観にマッチした働きができる」などという抽象的な理由づけが行われていますが、現実には普通の生活ができない人たちが大勢いること、実質賃金の低下により企業の製品やサービスが売れないという事態にまで至っています。
では、ホワイトカラーエグゼンプションはどういう位置づけになるのか(?)
ホワイトカラーエグゼンプションが導入されたときには「1075万円以上の賃金をもらっているサラリーマンは残業代を払わない」という方向性が示されました。
コストと資産という考え方でいけば、
1075万円以上の人材は コスト<資産であり、それ以下の人材(人罪?)はコスト>資産ということです。
平成25年の民間企業の平均給与は414万円、分布を見れば300〜400万円(17.4%)、200〜300万円(16.8%)と他の分布より多く(最多値)、1000万円超は186万人(3.9%)と少ない、となっています。
平成25年分民間給与実態統計調査(国税庁)
https://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/minkan2013/pdf/001.pdf
しかし、国税庁の統計は民間企業の源泉徴収が元データですから、従業員・役員を含みます。公務員は含みません。
ここで疑問です。1000万円以上の給与所得のある186万人のうち何人が役員で何人が労働者か(?)ということです。これに関する資料はありません。
大企業や優良な中小企業を除き1000万円超の給料のある労働者は多くはない、186万人の多くは役員ではないか、と想像します。
だとすれば施策としてコスト削減の意味でのホワイトカラーエグゼンプション導入効果はほとんどありません。もともと役員は会社との委任契約であり業績が悪ければ引責辞任は当たり前、残業代という概念が当てはまらない地位にあります。
日本の行政では、多くの国民が「自分には関係がない」と思わせておいて徐々に適用範囲を広げていく手法が一般的です。私は「大きく生んで小さく育てる行政」と表現しています。
つまり導入時には1075万円以上あるとしてホワイトカラーエグゼンプションが適用される労働者はほとんどいないけれど、1075万円が500万円に引き下げられる可能性が大きい思っています。
いえいえ、アメリカでは週給455ドル以上の固定給が支払われることが給与要件になっていますが、これを日本に当てはめれば年収290万円です。
(455ドル×53週×120円=2,893,000円)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%83%88%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%82%A8%E3%82%B0%E3%82%BC%E3%83%B3%E3%83%97%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3
要するにここが最終目的なのです。そもそも竹中平蔵が旗振り役であるところで警戒しなきゃいけない。アメリカの大便人、もとい代弁人であり、中国系日本人の顔をしたアメリカ人です。
さて、このホワイトカラーエグゼンプションは公務員には適用されません。アメリカの利益第一の売国キャリア官僚にすれば当然の結論です。そこで「そんなにいい制度なら公務員にも適用せよ」と追及した政治家がいました。
公務員もいろいろありまして、否定する人たちは「すでにキャリア官僚たちはサービス残業をしているからホワイトカラーエグゼンプションは必要ない」と言います。つまり現状のままです。
キャリア官僚の働き方については経験がないしわかりませんが、制度を推進しようというなら例外なく適用すべきです。
キャリア官僚の仕事は国会の会期中かどうか、予算編成時期かどうか、によって随分変化があると思いますが、その他の時期には各省庁の同窓生の先輩後輩、同級生と「情報交換・意見交換」をすることが仕事であり、国家の制度を研究・構築・推進しているのだ、といいます。
これこそ、まさに成果を時間で評価せず、成果を結果で評価するに値する職務であり、ホワイトカラーエグゼンプションを適用すべき代表的な事例です。
日本の企業では横並びで「上司が残っているから先に帰ることができない」という事情があったり、公務員では、個々の意思で半日有給を使い、その分の仕事を休日出勤して行う(割増)ということが行われています。
このどちらもおかしい。残業は本人の申告により上司が許可をすべきとしなければなりません。そして業務結果に責任を取らなければならない職責と権限のある上司が必要だと判断すれば残業を行わせなければなりません。
当然割増の残業代が発生します。
私は従業員のいない自営業なのでこの制度が導入されてもされなくても関係ありませんが、労働者のみなさまはいかが判断されますか(?)
日本国と日本国民の利益のためにはホワイトカラーエグゼンプションなどという詐欺的な施策を導入すべきではないと思いますし、導入するなら原則に立ち返って公務員にも民間企業労働者にも適用すべきです。何よりも残業を上司の許可にかからせることが必要です。
最後までお読みいただきありがとうございます。
〜〜毎日新聞1月8日引用〜〜
http://mainichi.jp/select/news/20150108k0000m010153000c.html
成果主義賃金:「年収1075万円」線引き 厚労省が素案
毎日新聞 2015年01月08日 07時30分
働いた時間に関係なく仕事の成果で給料が決まる新たな成果主義賃金制度(ホワイトカラー・エグゼンプション、労働時間規制の適用除外)に関する厚生労働省の素案が明らかになった。対象者を「高度の専門知識等を必要とする業務」に従事する「年収1075万円以上」の会社員に限定するのが柱で、全サラリーマンの数%とみられる。同省は26日召集予定の通常国会に労働基準法改正案を提出し、2016年4月の適用開始を目指す。
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現行制度は役員らを除き、1日8時間を超す労働には残業代を出さなければならない。これに対し、新制度には「残業」の概念がなく、企業は休日出勤でも賃金を支払う必要がない。労働組合側は「『残業代ゼロ』で長時間労働を強いられる」と強く反発している。
こうした懸念を解消するため、厚労省は本人の同意を新制度適用の条件にしたうえで、導入企業には、(1)仕事終わりから翌日の仕事始めまでに一定時間を空ける「インターバル規制」(2)会社にいる時間に上限を設定(3)年間104日の休日を必ず取得−−などの健康対策のうちいずれかを実施するよう義務付ける。
厚労省は素案を16日の労働政策審議会の分科会に示す方針。新制度は経済界が強く要望し、政府の産業競争力会議などが同省に検討を求めていた。【吉田啓志】
〜〜引用終わり〜〜

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