「官僚の悪知恵、ホワイトカラーエグゼンプション導入」
経済に関する記事
2015年3月26日(木曜日)
日本の行政官僚は優秀という神話がありますが、昔のことは知りませんが今では少しも優秀とは思えません。偏差値の高い大学を卒業した、先輩の引きで官庁に入った、それだけです。
官僚の仕事(義務)は国家国民の幸福を実現することですが、そこから大きく逸脱し、天下りや私物化など私的な官僚利権を追い求める存在を「優秀」だと言いますか(?)
ただ、政治家や国民を支配する悪知恵には伝統的なノウハウがあるようです。
その突破口はカネと権力です。カネは財務省・権力は法務省です。
鳩山由紀夫元首相の母親からのカネは財務省は当然知っていたけれども、首相を辞めさせる必要がでてくるまで待ち、タイミングでどこかにリークするわけです。問題が拡散すればニュースソースは永久にわからないまま、でも確実に財務省スジからの情報です。
もう一つは小沢一郎氏の西松建設事件・陸山会事件です。単なる期ズレを政治資金規正法違反として秘書を逮捕し、大々的にキャンペーンを行い小沢一郎氏を潰そうとしたものでした。検察・検察審査会(最高裁事務局内)ともに法務省管轄です。
カネ儲けになるなら何でもやる人間はいくらでもいます。今の大マスコミがその典型です。カネと権力をコントロールできる財務省・法務省にはそのルートが存在しています。
カネと権力の他にもう一つあります。とりあえず法律にしておけば、後々政省令で変更がいくらでも可能だ、という立法上のテクニックです。これは問題のないレベルで法律を作っておいて、何年か経過した後に徐々に基準を上げたり・下げたりして適用範囲を広げるものです。
結果的に後から見れば当初の法律から随分後退した中身の制度になった、ということは日常的にあることです。
法律を改正するわけではないので面倒な手続きは不要、しかし制度の中身は変えられる、という魔法の杖。
ホワイトカラーエグゼンプションについては1月12日に日記を書いています。併せて一読ください。
http://wind.ap.teacup.com/ippo-nifo/1847.html
〜〜弁護士ドットコム引用〜〜
http://www.bengo4.com/topics/2857/
「ホワイトカラーは残業代ゼロ」を導入したらどうなったか?弁護士が米国の実態を報告
アメリカで調査を行った三浦直子弁護士(画像省略)
「制度を取り入れることで、ダラダラ残業がなくなることはありえない」「残業代の抑制がなくなれば、使用者(会社)はどこまでも社員を働かせる」
政府が導入を検討する「高度プロフェッショナル制度」(通称「残業代ゼロ法案」)のモデル制度が実施されているアメリカでは、こんな指摘が出ていると、現地調査をおこなった弁護士たちが3月23日、東京・永田町の集会で報告した。
衆議院第二議員会館で開かれた集会のテーマは、アメリカの「ホワイトカラー・エグゼンプション」の運用実態と問題点。今年1月25日〜2月1日にかけてニューヨーク、ワシントン、ロサンゼルス、サンフランシスコの4カ所で現地調査をおこなった日本の弁護士たちが登壇した。
調査団の1人である三浦直子弁護士は、冒頭の声のほか「『アメリカは手本ではない』などの声を、どこでも耳にした」と語り、制度導入への慎重な姿勢を求めた。
●エグゼンプションの年収要件は「貧困ライン以下」
アメリカの法定労働時間は週40時間であり、超えた分については50%増しの賃金支払いを義務づけている。しかし、ホワイトカラー・エグゼンプションでは、年収要件(週給455ドル以上)と職務要件(管理職や専門職)を満たす人をこの規定から除外し、残業代を支払わなくても良いとしたのだ。
しかし、週給455ドルを年収換算すると、日本円でおよそ年収280万円ほどだ。三浦弁護士は、この金額設定にも問題があると指摘する。
「アメリカでは、時給で働く人を除いた人のうち89%が、週給455ドル以上をもらっています。そもそも、この週給455ドルという金額は、国際調査局が定める4人家族の貧困ライン以下の金額です」
本来の趣旨とは異なり、貧困層にもデメリットの大きい制度であることを強調した。さらに、職務要件の曖昧さも問題点にあげた。
「管理職として除外された人の中には、管理業務は1%ほどで、残りの99%は商品棚の前での作業など、管理職とは無関係の仕事をしている人もいます。彼らは上司から『あなたは管理職だ』と言われて断りきれず、残業代が支払われていないのです」
●「日本は時代に逆行しようとしている」
現在アメリカでは日本とは反対に、ホワイトカラー・エグゼンプションの規定が時代遅れだとして、低すぎる年収要件の見直しや職務要件の明確化などを検討している。今年中に改正案が発表される見込みだという。
三浦弁護士とともに調査を行った井上幸夫弁護士は、次のように警鐘を鳴らした。
「アメリカではエグゼンプションの対象者をより少数に限定することで、残業代を支払わない労働者を大幅に減らそうと改善に動き出しているのに対し、日本は時代に逆行しているのではないかと感じます。
日本でもし制度が導入されたら、名ばかり管理職や、ブラック企業の不払い、名ばかりエグゼンプトが横行する危険があります」
日本の国会に提出された「残業代ゼロ法案」は、「年収1075万円以上を稼ぐ一部の専門職」の労働者に限って、残業代を払わないようにするのだとされている。しかし、いったん「残業代ゼロ」がルール化されてしまえば、その後の改正によって年収要件がだんだん下げられていく可能性は否定できない。アメリカの現状は、対岸の火事とは言い切れないのだ。
〜〜引用終わり〜〜
ということで、世界は1%の富める者と99%の貧しい者を作り出すグローバル企業による独占・寡占化が進んでいます。私は自営業者なのでホワイトカラーエグゼンプションとは無関係ですが、グローバル化が効率化をもたらすというウソの思想に基づく流れに通底するホワイトカラーエグゼンプションには絶対に反対です。
最後までお読みいただきありがとうございます。

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