2009年6月16日 火曜日
梅雨らしい、湿気が肌にまとわりつき、そして生暖かい外気が一層疲れを感じさせる季節です。
通勤には大変な時期ですが、それを除けば決してイヤな季節ではありません。特に好きな季節でもありませんけれど。
梅雨なら梅雨らしく、雨がしとしと降り、そしてあじさいの青が映え、やまいもの蔓が似合う風情があればいいのですが、そういう風流は見なくなりました。
この時期のフルーツに枇杷があります。フルーツという言い方に抵抗があるくらい日本の果物です。
イタリアにも枇杷が実るには時間と藁が必要だ(Col tempo e con la paglia maturano le nespole 意訳、すべてのことは時間をかければ解決する)という格言があるので枇杷があるのですよね、多分。見たことはありません。
この枇杷という果物、変わっているのです。寒い真冬に花を咲かせます、そして春に実をつけ夏に熟すのです。
日本人には冬に咲く花といえば水仙か椿くらいしか思い浮かばないのではないですか。今は海外からいろいろな植物が輸入されますから、冬に咲く花もあるかもしれません。
そして初夏の果物、さくらんぼ、すいかは春に花が咲き実をつけます。枇杷のように冬に花が咲き実がつくものは少ないと思います。
この枇杷の花、地味なんです。白い小さな花です。
山田無文老師(1900年〜1988年 愛知県北設楽郡(現在は豊田市に編入)生まれ、元花園大学学長)は若い頃に結核に罹ったものの、枇杷の葉を煎じて飲み続けて治したといわれています。
今でも枇杷の葉を煎じて飲むという健康法があると聞きます。試したことがありますが、あまり味はありません。煎じ詰めた枇杷の葉の色は深く濃い赤茶色、きれいです。
枇杷の葉をきれいに洗い、はさみで2a幅に切り、ナベに入れ、2時間ほど煎じます。自然に冷めるのを待ち、冷蔵庫に入れて冷やして飲みます。
さて、この枇杷の実もそれはそれでおいしいのですが、実を食した後に残る枇杷の種を使います。
枇杷の種を洗って焼酎と氷砂糖に漬け込み、1年ほどするとおいしい枇杷種食後酒が出来上がります。
ややトニックのような爽やかな刺激のある味、色は無色透明です。甘さを抑えれば食後酒ではなく、おしゃれな飲料となります。
レモンも合います。無色透明なのでミントなどのハーブも合うかもしれません。さらに実と種のシャーベットにするのもいいでしょう。
この梅雨の時期の大きい楽しみです。
梅酒も今の時期に漬け込みますね。梅酒は造り酒屋さんでも清酒をベースのものなどが作られるようですね。
さて、このような果実酒(果種酒)ですが、問題は酒造法です。
どのような問題か、一問一答です。
酒を買うこと → 合法
酒を売る免許を取得 → 合法
免許を得て、合法的に仕入れた酒を販売 → 合法
購入した酒を料理に使う → 合法
購入した酒をカクテルに混ぜ合わせて店で提供する → 合法
購入した酒に梅を漬けたものを「日本酒」として売る → 合法
購入した酒に梅を漬けたものを「梅酒として売る」 →
違法
こうしていろいろな梅酒は造られていてもどこの飲食店でも提供されることがないのです。このようなおかしい酒税法が改正されいろいろな果実酒が、いろいろな知恵と工夫で世に提供されれば、世界に通用する酒ができることは間違いないことです。
そもそも酒造法は酒税を徴収するための法律であり、徴税事務のための法律です。時代錯誤があります。
これからも、いろいろ試していきたいと思います。皆様の感想をお聞かせくださいませ。
最後までお読みいただきありがとうございます。

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