ここのところ、海外の投資ファンドが全面的に売り越しのため、日経平均株価はつるべ落としのように下がっています。
http://www.traders.co.jp/domestic_stocks/domestic_market/foreign_funding/foreign_funding.asp
これを見ていただけば一目瞭然、下がっているときには外資系ファンドが売り越しています。
理由は簡単です。金融機関から投資資金として使っている貸金の返済を要求されているからです。投資ファンドにすれば運転資金です、その回収、適切な日本語で言えば貸し剥がし(?)です。
その金融機関はなぜ回収するかといえば、自己資本が毀損してお金がないからです。当面の決済資金だけは自社で売るものがあれば売って資金を作らなければならない。公的資金も自由に入れられるわけではありません。限りがあります。
そういう意味では必要な資金を獲得するために一気に売却したほうがいいのですが、それをすれば株価は今以上に暴落します、暴落しないように小出しに売っていてこの状態ですから本来は売り圧力は相当あると考えたほうがいいのです。
それともう一つ、国内資金は臆病になっているせいでこの安値状態でも買いに動きません、当然です。特に銀行株は日本の金融機関も自己資本の毀損があることが増資報道によって明らかになってしまいました。
金融機関にとって自己資本毀損とは信用をなくすことであり、行きつく先は取り付け騒ぎ→倒産があるからです。いくら政府が全額保証するといっても、その政府すら信用できなくなる状態がありえます。
カネのないヤツの保証ほど怖いものはありません。保証というのは本人がダメでも保証人から回収できる安心の制度だと思われがちですが、その保証人がカネを持ってないのですから初めからムリがあります。
当社は取引を保証するといいますが売り込むためのセールストークです。そういわれたら担保よこせ、と言いましょう、絶対に出しませんから。それだけ保証というのはウソっぽいものなのです。
その典型は今のCDSです。AIGが積極的に行ってきたましたが、それが命取りになりました。保証対象の証券化商品がほとんど事実上デフォルト状態(今は市場が機能していません)、したがってAIGが保証しなくてはならないのですが、カネがない。そして倒産寸前でアメリカ国有会社になり救われたのです。
これからどうなるか?今のところ株価が上がる条件はありません。まだ下がり続けるでしょう。外資系ファンドもすでに損出しで売却していると思います。日本の企業も含み損が出ています(わたしも、泣)。そして日本国政府は企業に粉飾決算もOKと言いました(時価評価しなくていい)。
各国中銀は利下げをしたり資金をじゃぶじゃぶに出したりしながら時間を稼ぐしかありません。問題が大きすぎてはっきりした着地点を決められない、とりあえず目先の問題を解決することで精一杯、こんな状況なのです。
こんなときにこそ新しい日本を作る青写真を競う解散総選挙が必要なのでしょうが、麻生総理は任期一杯勤めることを決めているようで・・・。
とにかく株価というより環境が悪化することを覚悟して経営をする、そのためにはお客様を基点にもう一度事業を再確認する必要があるのでしょう。大きくしようなどとは努々考えてはいけません、小さくして今をやり過ごすことが大事です。

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