厚生省事務次官経験者、その家族殺傷事件の真相がどこにあるか興味はありませんが、世の中がここまでイスラム化しているのだという意味で警戒をしておかなくてはならないでしょう。
秋葉原事件の加藤智大、JR荒川沖駅で殺傷事件を起こした金川真大、そして事務次官殺害の小泉毅、みんな無職や派遣という経済的に不安定な状態の生活をしていた。そして自爆テロとも言える論理で殺害人数を意識しています。
この世では幸せになれないからこの世の最後に立派な仕事をしてあの世で幸せに暮らせるようにする、自己犠牲と幸せの先送り、イスラムの若者が抱く心情と似通っていると思います。
同情するのではありません、むしろそれだけの事件を起こすエネルギーがあるなら死に物狂いで自分のチャレンジをしなかったのか、と思います。言い分はあるのでしょうが、聞きたいとは思いません。
しかし、社会防衛を考えたときには大きい問題があります。経済的に追い詰められるというのはつらいものだということが体験的にわからないとこの心情は理解できないかもしれません。今日生きられた、ということより明日からの不安が先に立ちます。今日生きられたことには何の意味もないのです。
希望のない仕事、誰からも相手にされない希望のない時間の消費、うまく言えませんが、これが続けば簡単に絶望に陥ります。そもそも人間は誰かから存在していることに肯定的な意味を与えられているから生きていられるのです。
職場、学校、友人、恋人、家族、地域、ボランティア、趣味、無数にある人間の関係ですが、どこの誰でもいいので自分自身を評価してくる言葉さえかけて上げられれば、自分は受け入れられていることを認識できたでしょう。
人間は自分よりレベルの高い集団に入れられると自信をなくします、逆に自分のレベルより低い集団では自信をつけることができます。それは自分の存在を認めてもらえるからです。
非行少年は概して自己評価が低いのですが、それは学校で学力でしか評価されていないことと関係があります。原因は(家庭に問題のある子供もいるでしょうが)多くは児童・生徒に適切に学習の動機付けができない教員と教育制度の質の問題が大きいのです。
いわゆる動機付けに失敗した例です。山本五十六は「やってみせて、言って聞かせ、させてみて、褒めてやらねば、人は動かじ」と言いました、けだし名言です。教師は子供が学習したくなるような教育をしているのでしょうか。そうではない教育が行われているはずです。
きちんとした学力を回復することが日本の今を変える重要な一本の道です。そのためにはもっともっと児童や生徒の心理や教育法法を勉強した教師が現場で活躍してもらわなければいけません。
同時に緊急に社会保障を充実させて、まず若者が将来に不安を持たないで済む就職をさせる、そして能力向上のチャレンジができる社会を作るべきです。
イスラム原理主義は貧困がベースになっていることは明白です。もちろん、貧困で正義感の強い若者を自分たちの都合のいいように使い捨てているだけのイスラム資本主義の身勝手が背景にあります、この状態が続けば支配関係が安定的で自らの利益が確保できるからです。だから貧困者層にアブラで儲けたお金のほんの一部を与えるだけで、自爆テロを起こしてくれるし、社会の不安定化が続き、自らも安定するのです。
日本は卑怯な国であってはいけません、そんな国に堕落したなら情けない限りです。アメリカでは新自由主義は終わりました、たくさんの負の遺産を遺して。アメリカの後追いをすることはありません。
日本は日本としての国家の形を作り、日本の伝統的なやり方で国づくりをすればいいのです。戦後の日本復興にアメリカは手を貸してくれました、しかし、もう十分に返したはずです。

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