2011年2月27日 日曜日
SNS/ソーシャル・ネットワーキング・システムが中東の革命を起こした原動力になっていることは間違いないことのようです。
わたしたちは、youtubeにアップされる動画、フェイスブック書き込まれるメッセージ、ツイッターで流される情報、まさにネットを通じて個人が世界に情報を流すことができる世界にいます。
同時に以下の指摘もあります。
〜〜ニューズウィーク2010年7月22日引用〜〜
http://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2010/07/post-1473.php
フェースブックがあなたの人生をぶち壊す
10 Ways Facebook Can Ruin Your Life
借金取りに追われ、就職できず、鬱になりやすい?──ユーザー5億人を突破した世界最大のSNSに潜む10の落とし穴
2010年07月22日(木)17時27分
ケート・デイリー
7月21日、フェースブックの登録者数が5億人を突破した。この節目は重要だが、無意味でもある。世界最大のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の巨大さを世界に思い起こさせるニュースではあるが、そもそもそんなことを思い出す必要はないのだから。
フェースブックが多くのアメリカ人の日常生活の一部になっているのは間違いないが、日常生活にどんな影響を及ぼしているかはまだ未知数。もちろん、健康を増進したり、人付き合いから写真の共有まで生活のあらゆる側面を便利にしてくれることはわかっている。
だが、その一方でユーザーの個人情報がフェースブックの提携企業に流出しているという疑惑をはじめ、さまざまな負の側面もある。フェースブックが私たちの生活にもたらしかねない10の弊害を挙げた。
1)生みの親が見つかる
いいニュースの場合もあるが、そうでないこともある。プリンス・サガラは元夫が10年以上前に連れ去った子供たちをフェースブックで見つけた。サガラは子供たちに連絡を取り、親権を手に入れたが、父親に育てられた子供たちは彼女との関わりを拒んでいる。
15歳になった息子をフェースブックで発見した女が、我が子を性的に虐待し、懲役9〜30年の判決を受けたというひどい話もある。
2)債権者に監視される
債権者はフェースブックを使って借り主の動向をウォッチしつつ、担保に取れそうな資産がないか目を光らせている。彼らはまずフェースブックを読み込んで、あなたにカネを貸して大丈夫か判断する。返済が滞ると、あなたの書き込みをモニタリングし、資産がないかチェックできる。
3)保険会社に支払いを拒まれる
鬱病を患い、労災補償を受けていた女性が、フェースブックに笑顔の写真を投稿したために保険金の支払いを中断された。写真から判断して、職場に復帰できる状態だというのが保険会社の言い分。今では多くの弁護士が、フェースブックに情報を公開しすぎないようアドバイスしている。
4)離婚の際に不利になる
離婚弁護士にとってフェースブックは非常に便利なツールだ。クライアントの配偶者のページをチェックして、不倫や嘘の証拠を見つける(離婚申し立ての5件に1件で、フェースブックが証拠として提出されているという報告もある)。子供と一緒に過ごす代わりに、フェースブック上のバーチャル農場ゲーム「ファームビル」で遊んでいたことを元夫に知られてしまい、親権を失った女性もいるという。
5)鬱になりやすい
ストニーブルック大学(ニューヨーク州)の研究者らがティーンネイジャーの少女を調べたところ、一日の大半を友人との人生相談に費やしている少女のほうが鬱になりやすい傾向があることがわかった。他人のゴシップや自分の悩みについて考えすぎると、気分が落ち込むのだろう。SNSのユーザーは友人と常につながっており、不健康なおしゃべりに没頭しやすいと、研究者は示唆している。
6)就職できない
イギリスのある調査では、アンケートに回答した企業経営者の半数が、就職希望者の未熟な面をフェースブック上で発見した場合、採用を見合わせると回答した(酒におぼれたエピソードや不法行為の写真、文法の間違いなど)。
7)家族に秘密がばれる
口の軽い友人があなたの秘密をコメント欄に書き込んでしまうかもしれない。また、マサチューセッツ工科大学の学生が開発したアルゴリズムを使うと、同性愛者の友人の数を分析することで、どのフェースブックユーザーが同性愛者かを見分けられるという。
8)ストーカーや虐待者に自分の状況が伝わりやすい
正直に言おう。フェースブックがなかったとしても、あなたに暴力を振るうパートナーは別の理由を見つけて怒りを爆発させるだろう。だがフェースブックがあるために、関係を断ち切った後も監視されやすくなったのは確かだ。
例えば、夫から逃げ出した女性が、フェースブックのステータスを「パートナーなし」に切り替えたために殺害されるという事件があった。プロフィールを見た夫が妻の自宅に押し入って刺殺したのだ。
9)名誉毀損で訴えられる
フェースブックの書き込みをめぐる名誉毀損訴訟は数多い。アメリカよりも名誉毀損が認められやすいイギリスでは、中傷に満ちた偽のプロフィールをでっち上げた元クラスメートから、2万2000ポンドの慰謝料を勝ち取ったビジネスマンがいた。
米ミシガン州のレッカーサービス企業は、同社が駐車違反をしていない車をレッカー移動させていたという偽の書き込みをした学生を訴えた。今のところ、実際に名誉毀損が認定されるケースは少ないようだが、気になる話ではある。
10)子供が誘拐される
イギリスでティーンエイジャーの少女が、フェースブック上で同世代のふりをしていた性犯罪者の男に殺害される事件が発生。フェースブックのイギリス版は「パニックボタン」の機能を追加し、ネット上のいじめなどの迷惑行為を当局に直接通報できるようにした。だが、イギリス以外の国のフェースブックでは、そうした機能はまだ用意されていない。
〜〜引用終わり〜〜
日本でのフェイスブックは250万人程度と言われており、ミクシィなど他のSNSと比較すればまだ少数でしょう。
わたしもフェイスブックを使っていますが、今のところ大きく生活が変わったということはありません。可能性としては海外の生活者情報が入手しやすいかもしれない、と思う程度です。ただし、それは現地の新聞やブログなどを使えばもっと多くの情報がヒットしますから必要不可欠というほどでもないように思います。
また、フェイスブックではリンクが簡単に張れるのでビジネスに使うというケースが多いでしょう。よく見るのはIT関連のフェイスブックのセミナーなどの紹介です。わたし自身が現実に使いこなしているわけではないので詳細については誤解があるかもしれませんが。
ただ、実名での登録ということになると躊躇するのは、やはりプライバシーです。リアルな知り合いならプライバシーは付き合いの度合いにより積み重ねられるし、明らかにしていいプライバシーとそうでないプライバシーは区別できます。
また、自分で自分の情報はコントロールできるので、「あの人にはそんな情報を話した覚えはない」ということが自分自身で確認できます。つまりわたしたちは日々自分のプライバシーをコントロールしながら生活しているのです。
ところが、フェイスブックの場合には書き込んでしまったらどのように利用されるかわからないという心配があります。それがニューズウィークに記載されている10の事例です。つまり現実に想像もできない事態に利用される恐れがあるわけで気になります。
民主主義の成熟していない日本で一番危惧されるのが、言論を理由とした犯罪や差別です。たとえば、森ゆうこ議員は検察審査会の問題を精力的に調査・発信していますが、気味の悪い空き巣に入られていることをブログで告白しています。
http://my-dream.air-nifty.com/moriyuuko/2011/02/post-9495.html
事実を明らかにされると不都合な人たちが、ヤクザ関係に「アイツを殺せ」と言わなくても、「アイツが邪魔らしい」とつぶやくだけで、消される恐怖は故石井紘基議員の例でも明らかです。同じことはオウム真理教の村井秀夫や豊田商事事件の永野一男も同じと考えてもいいでしょう。
一般市民がここまでの影響力を持つことはありませんが、こうしたデータが意図的に収集され蓄積されていれば個人を特定することは簡単にできることです。
ITの起業程度の緩〜い話しではそのようなことは起きないかもしれませんが、それがどのように使われるかわからない、自分の情報がコントロールできない、というところに得体の知れない怖さがあります。
最後までお読みいただきありがとうございます。

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