「田園発 港行き自転車」宮本輝
北日本新聞の連載小説で2015年にハードカバーが発売されたのですが、いつか読もうと思いつつ5年も過ぎてやっとその時になりました。
上下2巻、合わせて760頁の長編です。
今回は、富山市立図書館にアクセスして山室地区センターに一冊づつ転送してもらって入手しました。
表紙には遠くに見える「愛本橋」が印象的です。
簡単に物語のイントロを紹介すると。
東京に住む絵本作家の女性の父は、家族には仕事で九州に行くと言っていたのに、富山の滑川駅で突然亡くなります。
娘は、その15年後、父の足跡を辿る旅に出ます。
亡くなった父のことを知るのは、富山をはじめ、東京、京都の三つの都市に住む人たち。
それぞれの物語が紡がれ、様々な偶然が重なって徐々に交わっていくようになります。
彼女の父が家族に嘘をついてまで滑川に行った理由は?
父の秘密とは?ってな事です。
登場人物がある程度の人数を越えると、人間関係が混乱してしまいます。
ノートに人間関係の表を書いて、見ながら読み進めました。
長編なのに加えて読むのが遅いので、読み終えるにはかなりの時間がかかりましたが読み応えがある愉しいお話でした。
富山人なら是非読んで欲しい二冊です。