地方都市の中心市街地は、街の郊外化の影響でどこも惨憺たる状態だ。
富山の中心商店街も今や見る影も無い。

市電通り挟んで西に伸びる総曲輪通り。東に伸びる中央通りは、県都のメインアーケードとして一世を風靡したが、今や総曲輪通り入口の西武デパートは何年も前には撤退し、向かいのロッテリアもついに撤退して両側とも真っ暗になってしまった。

青森と並んで中心市街地再開発事業のモデル指定を受けた富山は、国・県・市の三位一体の税金投入で従来の市電に混じってオシャレなトラムが走り一時賑わいを見せたりもしたが、どんなオシャレな電車が走っても街自体に魅力が無ければ人は何度も来たりはしない。

唯一生き残っているデパートも閉店は19時。税金の助けで生き延びている死に体だ。市電を走らせている地方鉄道も同様に税金の助け無しで自立はできない。
鉄道員もデパガも在る意味、公務員だ。
街中は19時を過ぎると歩く人もまばらになる。
四半世紀前までは、人でごった返していたなんて思えない。

シャッター通りなんてよく言うけど、ここはそれ以上。完全に壁で蓋されてしまっている。
その壁の向こうで、商店が壊され更地になっている。
なんでも10階建てのマンションを建てるらしい。
またまた税金で家賃援助して人を住ませ、街中の賑わい復活を図るとか。
富山はその昔、市内電車が街中を縦横に走り回り、公共交通の充実した街だった。
郊外にどんどん大型のショッピングセンターを呼び、今やマイカー時代だと次々に電車軌道を道路に換えたのは他ならぬお役所だったろう。
それが、掌を返したように再度電車軌道を復活させているが、一度マイカーの味を知った者はそう簡単に電車に戻るとも思えない。
長い目でモノを考えられない方針では、またまた税金の無駄使いなのではないか。
知事が良く言っている。
新幹線の開通は県民の悲願と。
しかし、ボクの回りに新幹線を悲願している者など見た事が無い。
ボク達は非県民なのかも知れないが、実際に新幹線が開通して得られる経済効果は富山にとってはマイナスの方が多いのは簡単に予想が付く。
簡単に東京へ行けるようになれば、富山県民は東京まででもお買い物に行くだろう。
反面、富山に観光に来てくれる東京の人は、富山に泊まらなくても遊んで帰れるようになってしまうんじゃないだろうか。
もう少し有効な税金の使い方を考えて欲しいものだ。