
3日間ぶら下げて乾燥させたエンジニアブーツ。
本来の長靴型を取り戻しました。
心配していたカウンターもなんとなくではありますが、元の姿に近い形状を取り戻したようです。
さて、それでは革のメンテに入ります。

何年も放置された挙句に水洗いまでされてしまったブーツの革の繊維は今やスポンジのようにスカスカな状態のはず。
革にしなやかさと潤いを取り戻してやる手入れが必要です。
水洗いしてあるので、ブラシでの汚れ落としは不要です。
さっそく乳化性靴クリームで保革作業に入ります。

エンジニアブーツは使い込んでいくうちに黒い色が落ちてきて革の色(芯茶)が見えてきます。
これはこれで味わいがあってイイのですが、左右の色具合に差があり過ぎる感じだったので今回は黒クリームを乗せて下地色も整えまする。
ボロ布を指に巻きつけ、指先にクリームを取って革に擦り込んでいきます。
そーっと直径3cm程の小さな「の」の字を続けて描くようにします。
ボロ布を透過したクリームで指先が黒くなります。気になる方は指サックでもしてください。

気が遠くなるような面倒な作業ですが、まあ、クルマにワックスをかけるのと同じで仕上がりの為には重要な作業なので、革の状態を細かく確認するようなつもりでじっくり愉しんで磨き込みましょう。
シワになってる部分が茶色くなってた革。

写真でお伝えするのは難しいのですが、しっとりして黒くなりました。
これは好みの問題なので、黒くしたく無い場合は無色のクリームを使ってもいいでしょう。
また、普段の手入れには乳化性クリームを使わずにミンクオイルだけでも充分っていえば充分です。
今回は20年ぶりって事で特に革を労わった手入れをしています。
クリームが充分浸透したら(5〜10分程度・夏場なら5分ほど)キレイなボロ布などで全体を磨きあげ余分なクリームを落とします。

さらに仕上げにミンクオイルを塗布します。
今回はいつもの「KIWI」じゃ無くて「Original Mink」のクリームタイプのオイルを使いました。
伸びがイイので手入れが楽で、浸透性もイイような気がします。
革をしなやかに保ち、防水性も期待できます。
スポンジみたいだった革の繊維の間にオイルが行き渡るのをイメージしながら塗り込んでやりましょう。

オイルも塗り込んだ後はしばらく時間をおいてから、余分なオイルを拭き取るようなつもりで乾拭きしてやるとイイでしょう。
写真の右側が今回メンテした「レッドウィング」。
左はお手入れ前の「ジョージアブーツ」
写真でも黒々感としっとり感は伝わるんじゃないかな?
一度ここまでやっておけば、後は定期的(2〜4週間)にブラッシングとミンクオイルの塗布だけでエンジニアブーツは元気に愛着に応えてくれる筈です。
もちろん、この後「ジョージアブーツ」の方もお手入れしたのは言うまでもありません。