11月の聖書の言葉「同じ愛を抱き、心を合わせ、思いを一つにして、喜びを満たしてください。」 フィリピの信徒への手紙2章2節
11月のテーマ「共感する」キリスト教保育連盟の年主題や月のテーマを戴いています
森の風の秋のテーマは「一緒に暮らそう」です。
気候の変動を肌で感じるようになりました。それでもありがたいことにちゃんと秋がやって来て、やすはるおじいさんが植えた蜜柑や柿が今年も枝が重たくなるくらい沢山実をつけました。田んぼのお米も収穫ができました。畑からはサツマイモやサトイモ、夏の名残の野菜たちの収穫があり、其々のクラスでお味噌汁やてんぷら、栗ご飯など作っていますね。本当にありがたい秋です。あの土から実の成るものが生えて、私たちを養ってくれるとはこの上ない恵み、祝福ですね。そして不思議なくらい、子ども達も連動するかのように、ひとりひとりずっしりと重たく存在感が増しました。
小さかったやすはるのもりさん・おはなさん達。脱穀した稲わらを乳母車に山のように乗せて田んぼまで力を合わせて運んでいきました。もりさん達だけで乳母車を引っ張ったり押したりしてあの坂を登ったというのは快挙ですね。「わたしもひっぱりた〜い」「わたしも」「わたしも」と言うので、布の紐を腰に巻いて乳母車に繋いで・・ご苦労様でした^^。
おそらさん達も力をつけて来ましたね。なかやのおそらさん達がおひさまさんの居ない日のこと。畑に着いたらサツマイモが草の中です。「俺達に任せといて!」自分達で鎌を持って草取りをし始めました。「先生は向こうで見てて!」。刈り取った草も集めてそりに乗せて、運んで・・・ちゃんと役割分担して、お見事でした!
おひさまさん達は言うまでもなく自分の寝袋を担いで山を登り、何も無い山の中で自分達でテントを張り、トイレを作り、水を汲み、米をとぎ、みんなで楽しく夜を過ごしました。あっぱれ!
お分かりのように、それらが一日でそうなったのではなく、毎日毎日の積み重ねがあって、このように成長見ることができるのですね。
幼児期に育って欲しい10の姿が幼稚園教育要領に示されました。「健康な心と体」「自立心」「協同性」「道徳性・規範意識の芽生え」「社会生活との関わり」「思考力の芽生え」「自然との関わり・生命尊重」「数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚」「言葉による伝え合い」「豊かな感性と表現」です。
いかがですか?子ども達を見ていてどんな風に感じられますか?私はこれをみた時に「やったね!」と思いました。あ〜なるほど、森の風の子ども達の中にはこういう力が育っているんだ!と思ったのです。
この自然環境の中で生活をしようとして、田んぼで米を作り、畑で野菜を育て、野山で遊んでいると、ちゃんと育ってくるではありませんか!それらは教え込んで、口で言い聞かせて育ってくるものではないのです。良い土地(環境)の中に住まわせてやるとちゃんと育ってくるのです。人とはそのように育ちたいと思っている存在なのですね。良い環境とは健康(人がちゃんと関わりあっている)な自然・(共に育つ)仲間・(土から離れない)暮らしです。一昔前の里の暮らしが大きなヒントだと思っています。「この大きな自然の中で生かされているんだな〜」としみじみ感じることのできる生活の中に生きる希望があるのだと思います。・・・保育ってそもそも総合学習なのです。ですから、そんなに意識をしなくても、10の姿は自然に育っているのは当たり前なのです。もちろん、保育者はただ見ていてはいけません。常に一人ひとりがあるいはグループが心地良く居るかどうかセンサーを働かせていないと育つものも育ちません。
それには「共感」することがとても大切で必要です。保育者だけではなく「互いに」なのです。森の風セミナーでお母さん達と学んでいます。先月は「五感」を取り上げました。私たちに備わっている五感、お母さん達の話を聞き続けていると、五感って「愛を感じるセンサーなのだ」と教えられました。外界と自分の間にあるのが「五感」です。「一緒に暮らす」ためには「同じ愛を抱き、心を合わせ、思いを一つに」することが幸せに生きる為にとても大切なことで、それは一方通行ではなく、「互い」にで、「響きあう」時に「喜び」が満たされてくるのです。それを今日も明日もその次の日もと重ね続けていける幼子は幸せです。
そして、それは人生の鍛錬なんですよね〜。さあ、11月も幸せに生きよう!