今月の聖書 「あなたたちは私の宝」出エジプト19:5
「あなたたち」とは私達のこと。私とは神様のこと。
神様は私達を「宝」と呼んでくださるというのです。
これはイスラエルの民が昔エジプトで奴隷であったとき、
そこから「モーゼ」に引き連れられてエジプトを脱出する壮大な物語の終盤、
「十戒」という神様の律法をシナイ山でモーゼが神様から頂くときに語られた言葉です。
あなた達は誰の所有物でもなく、自由であり、神の宝と言われるのです。
息子が高校生ぐらいだったときに講演を頼まれて小学校に行ったことがあります。
内容を考えているときに息子に
「子ども達が親に本当にしてもらいたいことって何?」と聞くと
「祝福」と言いました。正直なところ言葉が出てきませんでした。
そうか・・・と。そして彼は続けて「神様が俺らに何をしてくれたかってことやな」
まさにその通り。無条件で「宝」として大切に思ってくださる。
それが「祝福」です。「森の風」の子ども達だから宝なのではありません。
でも、「森の風」の子ども達はそのような神様がいてくださるということを
知っているのです。
今月のテーマ 「感謝する」
あっという間に一年が過ぎているように思うのですが、
夏、海蔵川に飛び込んだのはもうずっとずっと昔のように感じられます。
みんなで歩くのもおぼつかなかったもりさん、おはなさん、
冬の雪の中を笑って転げ回り「我」がはっきりして、
ぶつかり合うようになりました。
自分のことが精一杯で「ようちえん」という
社会の一員であることがようやく判って、
おひさまさんと一緒に過ごすようになったおそらさん達の4月。
今は山に行くと「おひさまさんと同じところまで行く!!」とやる気満々。
良く歩けるようになって体の動きがしっかりしました。
年少のころの「我」が「個性」へと変容して一人ひとりの輪郭が
はっきりしたおひさまさん、お互いにそれを認め合いながら、
作業をしたり、遊んだりしています。
最後のまとめの「お泊り」が今週末にあります。
秘密基地を作り、タイムカプセルを埋め、
私達の生活をいつもど〜んと見ていてくれる「タカヤマ」に登る・・
など計画があるようです。一人一人の中から湧いてくる思いを
みんなで共有しながら助け合って一泊二日を過ごします。
先週の土曜日に「全国タナゴサミット」が菰野町で開かれ、
誘っていただきましたので、パネル展示の参加をさせていただきました。
パネルは渓介先生の力作ですから
しばらく保育室に貼っておきますのでご覧下さい。
生き物とのかかわりの部分を取り出してきましたが、
改めてこんなに豊かな出会いの中で子ども達が過ごしていることに驚いています。
そして、自然はいのちを常に育もう育もうとしている
ということにも改めて気付きました。
その中に身を投げ出して遊ぶことの出来る「森の風」は本当に幸せです。
「どうぞ」と言って下さった方々に心から感謝ですね。
千草の歴史の積み重ねの上に、
また、今生活を営んでおられる方々の中に守られているということを
「森の風」は決して忘れてはなりません。
その中だからこそ子ども達がこんなに健康に育まれているということを。
先日おおぞらの部屋で「こうさくこうえん」が開かれました。
忍者ショーや紙芝居、獅子舞もありました。
紙芝居の中の一節を紹介します。全て別々の紙芝居です。(覚書です)
「春になりました。鹿の赤ちゃんが生まれました・・・」
「雪が沢山降りました。さむい。まださむい。こたつにはいってねた。」
「田んぼで泥んこ遊びをしました。荷物を持ってようちえんに帰ります。お帰りの会をして帰ります。」
お友達の作品に惹きつけられ、子ども達の目はきらきらしていました。
年中さんのおうちで朝こんなメモがありました。
「きょう、○ちゃんはおやまにいく、それでゆきであそびます、
みんなとあそぶ、みんなとたのしくあそんで、おおきくなる

」
子ども達のこのような内から湧いて紡がれた言葉の中に
「みんなありがとう」という気持ちが隠されています。
一年を締めくくるこの月、どちらを向いても感謝の思いでいっぱいですが、
ひとつひとつに丁寧に感謝の思いを持ちながら過ごしてまいりましょう。