2010/9/27
労働の意味は変わった・「働かざる者食うべからず」?その1 21世紀の人智学

我が庭のハイビスカス。
今、ドイツの人智学とキリスト者共同体の運動の中で、一番熱いテーマは、「ベイシックインカム」です。ドイツのドラッグストア・チェーン店社主、ゲッツ・ヴェルナーを中心に、次第次第にこのベーシックインカム運動は、大きなうねりとなりつつあります。
そもそも、ドイツでは、ほとんど全ての商品に「隠れ税金」があり、大体その商品の53%が、税金であると言われています。日本の消費税に対応する「付加価値税」は、その氷山の一角に過ぎず、例えば、10ユーロのTシャツには、もうすでに、関税、法人税、所得税等の税金が含まれているのです。
そこで、ヴェルナーは、ありとあらゆる全ての税金を廃止して、消費税のみでドイツ連邦共和国は、問題なく「運営」出来ると考えました。彼の案は、消費税を50%にするという、一見無謀な案ですが、あらゆる税金が無くなった上で、消費税のみ50%にすれば、これは、机上の計算ですが、以前より物価は3%安くなることになります。
さらに、ドイツ国民の一人一人に(子どもも含めて)、おおよそ月額1000〜1500ユーロの「ベーシックインカム」を、無条件で給付しようとする案です。
「食うために働く」のは、ドイツ国憲法で保障されている「人間の尊厳」の侵害であるというのが、まず前提としてあります。
先進国に存在している「労働基準法」の原型は、ローマ帝国の「奴隷管理法」であることを皆さんご存じですか?自分の理想や理念に反した仕事せざるをえず、働かないと「餓死」するかも知れないので、働かざるをえない、そんな状況は、未だに奴隷とかわりはありません。
そこで、「ベーシックインカム」反対派の人が、常に引用するのが、「パウロによるテサロニケ人への第二の手紙」第三章です。ここに、「働くつもりがないなら、食うべきではない」という言葉が記されています。
かつて、レーニンがこの言葉を引用して以来、「働かざる者食うべからず」という言い回しで、日本でもよく使われるようになりました。でも、引用したレーニンは、無神論者の共産主義者です。ソビエトの労働者を、うまく働かせるために、すなわち、ソビエトの「奴隷」を管理するために、このパウロの言葉は引用されたわけです。
つづく




生きることそれ自体が、素晴らしい「労働」なのです。


2010/9/28 14:39
投稿者:小林直生
korierumashii様 コメントをありがとうございます。まさにその通りですね。
2010/9/27 12:14
投稿者:korierumashii
今時の価値観にとらわれずに、
個々人が自分の本当の仕事をする意思と、実行する勇気を持てるような、社会になると、自分にとっての真の労働が何かが見えてくると思います。
世の中には、色んな人々がいて、色々な労働があるし、たぶん働かない人は、中々いないと思います。
korieru mashii
個々人が自分の本当の仕事をする意思と、実行する勇気を持てるような、社会になると、自分にとっての真の労働が何かが見えてくると思います。
世の中には、色んな人々がいて、色々な労働があるし、たぶん働かない人は、中々いないと思います。
korieru mashii