ゲーテアヌム建設現場で講義するルドルフ・シュタイナー(唯一の写真)        「ラディカル」とは「ラディッシュ」と同じ語源で、「根源的」という意味。表面のみならず、その「根」を見ようとすること。このブログはそういった意味でラディカルでありたい。

2011/1/15

ルドルフ・シュタイナー生誕150周年に想う  21世紀の人智学

 来月、2月25日(金)は、ルドルフ・シュタイナーの150回目の誕生日だ。シュタイナー自身は、2月27日を誕生日と言っていたが、この日は、彼が洗礼を受けた日である。1861年生まれのシュタイナーは、言うまでもなく19世紀の人間である。だから、今とは、「質的」に2世紀の格差がある。それでもなお、ルドルフ・シュタイナーの思想が新しいのは、やはり、人間の自由と、そして、一見それとは矛盾する「運命の法則」の「和解」を実現する人智学を、社会的な活動の基盤としたからだろう。

 ルドルフ・シュタイナーは、第一次世界大戦の戦前と戦後では、全くと言っていいほどに豹変していった存在である。戦前は、「霊的修行」に重きを置いていたシュタイナーは、戦後、「社会活動」に重きを置くようになる。日本ではシュタイナー学校と呼ばれる「ヴァルドルフ学校」が創立され、社会有機的三層化運動が展開され、医学、農業、障碍者教育である「治療教育」が実践され、1922年、大正11年には「キリスト者共同体」が創立された。この時シュタイナーは、それは「私の人生のハイライト」であったと語っている。

 学問(科学)と芸術と宗教の刷新が、シュタイナーの晩年のテーマであった。まさに、人智学は「文化改新運動」としてその活動をスタートさせたのである。

 ルドルフ・シュタイナーは、生前、敵対勢力から自分を守ってくれない弟子達に怒りを感じたり、弟子に裏切られたり、自分の救済と保守、保身に明け暮れる多くの弟子達に苛立ちを感じながら、シュタイナー自身が望んでいたよりもかなり早く他界してしまった。本当は、ゲーテと同じ82歳まで生きるつもりだったのに。だから、決して幸せな人ではなかった。これも、大きな仕事をなす人の「宿命」なのかも知れない。

 ルドルフ・シュタイナーの死後、人智学協会は、霊的に見るならば「血で血を洗う」抗争と分裂を繰り広げ、その力をかなり弱めてしまった。原因は、シュタイナーが自分の「棺」と言っていた「シュタイナー全集」の著作権であった。実体のない「棺」をめぐって抗争は続いた。これは悲劇である。

 その後、ヒットラーの台頭と第二次世界大戦で、大きな打撃が与えられ、ドイツを中心とする中部ヨーロッパでは、人智学が禁止され、キリスト者共同体も禁止され、治療教育施設にいた子ども達は、カス室に送られた。

 ああ、なんとネガティブなことばかり書いてしまったのか。生誕150周年記念だと言うのに!でも知って欲しい。このような出来事を乗り越えて「今」があるのだと。

 しかし、第二次世界大戦の後、人智学運動とキリスト者共同体は、不死鳥のごとくよみがえり、まだまだではあるが、ひとつの「世界運動」に発展したのだ。

 今、世界中どこでも、しかしながら、人智学運動の低迷期だと言われている。いろいろとその原因を探しては見るものの、はっきりしたことは分からない。

 だが、ひとつだけ言えることがある。古くから言われるように「継続は力なり」だ。「にもかかわらず」、「でも」、「そうは言っても」、人智学を背景に、なんでもいいから、小さなことでもいいから、「社会の為」になろうと、行動することだ。

 で、次回の「ブログ交流会」は、2月6日(日)に箕面で開催予定です。詳しくは後ほどお知らせいたします。ルドルフ・シュタイナーの生涯について話してみたいと想います。いろいろと珍しい物も展示します。シュタイナーの自筆サイン本とか・・・

 参加を希望される方は、また「拍手」ボタンを押して下さい。


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 「法」とは、「さんずい」に「去る」と書きます。法とは、「流れ去る」もの。今まで慣れ親しんできた様々な「法」を流れ去らせ、全く新しいことをしませんか?
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2011/1/23  9:04

投稿者:小林直生

korierumashii様 それはいいですね!!幕末と同じ、ですか?まさに改革期!人智学とキリスト者共同体の「体制派」と「保守派」を打破するには結構時間がかかりそうですが・・・

2011/1/22  13:39

投稿者:korierumashii

人智学運動の低迷期ですか・・・今年は
あの幕末と同じ星のめぐりが再びやってくると聞きました。
旧体制が機能不全に陥ったり、社会は混沌として、不安定ではありますが・・・
そういう状況こそが、飛躍するチャンスのときでもあるかもしれないと思います。
小さなことですが、私も人智学の学びを重ね、そこで学んだことを背景に物事に接して自分自身意識の進化に努めて生きたいと思います。

2011/1/17  10:48

投稿者:小林直生

miyo様 どういたしまして。シュタイナーの勇気と悲劇性を日本でももうちょっと詳しく紹介していきたいと想います。

2011/1/15  15:11

投稿者:miyo

記事をありがとうございます。

読み進めながら落涙しました。
彼の人生の役割が特別なものであることで
より辛い試練があったとはいえ、道半ばで
旅立ってしまったこと。
そして今この時代を見ているのならどんな
ことを思っているのか・・・と考えたから
です。

歩みを止めず、勇気を持って進めるという
ことのすごさと意志の強さを見習って何か
出来る事がなにかを私も考えたいとあらためて
思いました。


http://blog.goo.ne.jp/miyo08

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