2007/9/6

バッハの手  舞台裏のひとりごと
いわずと知れた、バッハの肖像画としては一番なじみのあるものではないでしょうか?

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すぐれたオルガン奏者として名高かったバッハですが
ヴァイオリンという楽器の可能性を知り尽くし駆使しつくした、
それぞれに個性的な6曲の無伴奏ソナタ・パルティータを弾くと、

(実際に演奏活動をしたかどうかは別として)
バッハがどれだけのヴァイオリンの名手であったかが容易に想像できます。

そして、楽器を持つその手のかたち、動き、ヴァイオリン奏者としての個性までを
実感できるような気がするのです。

この肖像画の手のように、ふくよかで、指が太くもっちりとした感じ。
パガニーニのように長くて華やかによく動く指、という印象ではなくて、
すごく器用というより、ヴァイオリンを包み込むような、無駄な動きをしない堅実な手。

作曲家としては、もちろん音のイメージがあってこそのことですが、
この無伴奏ソナタ・パルティータに関しては、
右手も左手も、実際に楽器の機能と可能性を知り尽くしていなければ
こうは書けないはずなのです。

ヴァイオリンというのは、主として旋律楽器な訳だし、
多くの楽章が複数声部・対位法的な無伴奏ソナタ・パルティータも
すべてが重音で書かれているわけではもちろんありませんが、

バッハが、オルガンを弾くときと同じように、
多分、ヴァイオリンの運指をすべて、重音(和音)を基として
捉えていたにちがいない、というのは想像に難くありません。

例えば、ヴァイオリンは完全5度で調弦されるので(下からソレラミ)
同じ指で二本の弦を同時に押さえなければならない完全5度の重音は
ヴァイオリン弾きにとって、結構いやらしいものなのですが
バッハの、苦もなく2本でも3本でも弦を押さえられそうな
太くてもちっとした指を持つ手、を想像しながら弾くと、
案外、楽になるような気がするから不思議です。
(本当は不思議でもなんでもなくて実際そうなのですが・・・)

旋律的な音符を楽譜の上から下へ、左から右へ順に追い、
重音の箇所の指使いを苦労して拾い繋げる、というのでは到底捌ききれない、
たった4本の弦、4本の指(左の親指は別の役目があるので)、1本の弓から
つむぎだされる音楽の完成度の高さ。
左手にも右手にも甘さを許さない、厳しい作品。

その偉大な作曲家の、ヴァイオリンを弾くその手、指を想像するだけで、
楽に弾けるようになるなら、もちろんこんな旨い話はないのですが、

逆に言えば、
それほど、楽器を手の内に入れ、しかも迷いのない求心力をもって書かれた不朽の名作、
弾けば弾くほどそういう実感が深まるのです。

***********
ヴァイオリンひとり 
Vol. 33
9月28日 富士宮・木村邸ハウスコンサート

Vol. 34
10月7日 北海道・美唄アルテ・ピアッツァ 近自然学セミナーにて

Vol. 35
10月20日 新宿・バー十月

Vol. 36
10月27日 八王子・ギャラリーヤスタケ

Vol. 37
11月3日 東大寺・二月堂北参篭所

Vol. 38
11月18日 京都・善生寺
0

2007/10/30  21:58

投稿者:junichi
京都の善生寺ってどこにあるんですかね?
東京の善生寺か、でなければ善峰寺と違いますか?

2007/10/1  0:15

投稿者:noriko
>みえこさま
新参者です、よろしくお願いいたします!富士山の懐に抱かれる感じで、富士宮、非常に気に入ってます。

28日のコンサートはほんとにあたたかい良い雰囲気で、新しい出逢いがたくさんあり、とても幸せでした。

シャコンヌは、本当に素晴らしい曲ですね。弾くたびに、喜びにひたってます。(汗水たらしながら・・。)

>くろさま
バー十月、って新宿のゴールデン街にあるのです。(ご存知ですか?)行けばわかるのですが私もうまく説明できないのです。(新宿は私の昔の縄張りだったのですが・・・)お客さんが8人も座ると満員になってしまいそうな気がする。一体どうなることでしょう??

ほんとにおいでいただけるのでしたら、DMでご連絡くださいますか?

2007/9/29  11:22

投稿者:くろ
バー十一月の詳しい場所を知りたいのですが、どこを見ればいいので
しょう?

http://www.countless-river.com/

2007/9/29  11:04

投稿者:くろ
あ、新宿でコンサート。しかも土曜日。見に行けますね(^^)
楽しみにしてます。

2007/9/28  22:38

投稿者:みえこ
はじめまして^^
今夜はすてきな演奏をありがとうございます。。
すてきなご縁から、芝川のKK邸にての
ホームコンサート。。
すばらしかったです。最後の曲・・・こころに
響いてきました。また、いろんな場所で聞きたいと思いました。100回・・・・がんばってくださいね。


http://botanicalart.blog27.fc2.com/

2007/9/14  5:07

投稿者:noriko
楽器弾きは、どうしても指の動きに関心がとらわれるのだけれど、
それが自分の中の響きのイメージとひとつになっているか、
ということが大事なんですね・・・。

まさに、「言うは易し、行なうは難し」ですけど
kohjiさま、練習楽しんで励んでください。私も、励みます。

2007/9/11  20:58

投稿者:kohji
素晴らしい記事、ありがとうございます。
キタラ弾きの私めは
あるときはセゴビアの手を
あるときはイエペスの手を
またあるときはドンレヒーノの手を
想い描いて弾いてみることにします。
このおまじない、多分すごく効くと思います。楽しみです。

2007/9/11  7:56

投稿者:noriko
>masakoさま

そうそう、たいてい、音楽室の黒板の上の壁の、左か右の一番端っこに貼ってあったんですよね。
それにしても、ホントにもっちりした手ですね。ヴァイオリンの音も、やわらかくふっくらしてそうな・・。

(HPを拝見しようと思ったら、開けませんでした)

>のーこさま

ご指摘有難うございます!明日できることは明日しよう、という私。どーも、更新が滞りがちで、というか、どういうわけか過去へ逆戻りしてました・・。

2007/9/10  18:49

投稿者:のーこ
今後のコンサート予定、
Office.NのHPのページの2007年の予定としてもアップされるのか知らん?今、消えている状態ですが。

10月20日の新宿ゴールデン街でのコンサート、他の場所とのミスマッチが宜しゅうございます。バッハのおじ様も喜ぶに違いありません。

2007/9/10  16:50

投稿者:masako
このバッハの顔は学生時代に音楽室などでよく見ましたが、手まで書いてあったとは初めて知りました。右手だけでしかも楽譜を持っていますね。なにか画家の意図があるのでしょうか?興味深い肖像画を見せていただいてありがとうございます。

http://www18.ocn.ne.jp/^music55

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