2011/10/19

大いなるギャップ  舞台裏のひとりごと
13日に郡山入りし、小学校、大学、教会とコンサートを行いました。

福島県内陸の郡山市は、津波の被害は無かったけれど、
原発事故により、市内各所が放射能汚染の数値が高いホットスポットとなってしまいました。

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最終日、郡山教会でのリハーサル

日本国民の日常を根底から揺るがしてしまった3月11日からすでに7カ月以上が
経っているわけですが、
人災と言える事故の一刻も早い解決と今後への展望を願うものの、
未だに原発の現場の収束は見えず、大手メディアの報道の表向きな緩やかさに反して、
実は、自然環境と食物の汚染は人類にとって未知の領域に入っているのではないか
と言う気がしてなりません。

そして、個人的には、遅々として進まないように見える政府や行政の事故への
対応に対する、私の中で燃えていた当初のいらだちと怒りが、
あきらめや無力感や疲労感と混在するようになったことも感じる今日この頃です。

見えない相手との戦いがすでに始まりこの先長く厳しく続くはずなのに、
情けなく悲しいことです。


そんな中、チューリッヒから来日したピアニストのアレーナと、郡山へのツアーを行ったのでした。

校庭の高い汚染数値で有名になってしまった小学校でのコンサート後には
校長先生自らの運転で、海岸沿いを北上し、いわき市の先まで連れて行っていただきました。

初めて訪れた福島県の自然はゆたかで、景色は心に懐かしく、
しかし、今はただただ静かに流れる空気のなかで垣間見た、
巨大な瓦礫の山や、津波という自然の力の爪痕には、言葉もありませんでした。

道すがら校長先生から聞かせていただいた、学校環境・周辺での除染や児童の健康保護、
学校生活環境維持へのご苦労は、本当に切実で厳しいものでした。

お世話になった小学生の保護者Mさんご家族の、日常生活における、
平常心を保つ努力とゆらぐ心のストレスは、身体の健康だけではなく、
世間との軋轢やプレッシャー、孤立感などと関わる、
圏外からは想像もできない複雑で重いものだと思いました。

今回関わった現地の方との話で、
私の中での数カ月来の疑問がすべてクリヤーになったとはとても言えないですが、

行ってみて、
景色を見て、
人と触れて、

初めて明らかになったこともたくさんありました。

日本と、日本の未来に関する日本人全体の問題と思っていても、
厳然と存在する現地と圏外の大いなるギャップ・・・。

どんな選択をするにしても、当事者の方々の他人には代わってもらえない日常の重さ。
何か根本的な変化を期待したり、働きかけをする時間や心の余裕はない。
今、目の前の問題に最大限の努力で対処するほか選択の余地も無い。

一方で、圏外の者であることも、それを認識するしかない。
現地でのそういう状況を理解すること、そのうえで、
未来に向けて少しでも貢献できることを熟慮し、模索し、できることを行動するしかない。

未曾有の事故以前の状態には、もうリセットできない日本。
この厳しい経験が、せめて次の世代への多大な負荷とならず、

今からでも遅くない、あきらめずに
何かしらの良き変化をもたらすきっかけとなってほしい、と切に思うのです。
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