2006/10/20

上方か前方か  
今月号の「奏意工夫」(ストリング誌11月号)の校正がきたので
自分の書いたものを読み返しました。

音だと、自分の演奏の録音はいつまでも生々しくて
客観的に聞くにはなかなか時間がかかりますが
文字の方は、書いてから一ヶ月ほど経ってから読み直すと、はるか忘却の彼方で、
どこか気恥ずかしい一方、「なあるほど、そっか」、と思うことも多々ある
おめでたさです。

今月号のテーマは「上達する」。
ドイツ語だと gute Fortschritte machen 
(グーテ 良い フォルトシュリッテ 前進 マッヘン する)で 
「良い前進をする」という言い方になります。

日本語だと目指すのは常に上、
「上達」「向上心」「上質」「上手くなる」「上級」・・・。
ドイツ語では「前」なのですね。

登るのか進むのか、ま、どっちでもいいようなものですが
「上方」は誰にとっても常に「上方」、
とりあえず「上」を目指す、というのが和風です。

一方、同じく、とりあえず、にしても一体どちらが「前」なのか、
ひとりひとり自分で方向を見定めなくてはならない洋風、
(権力による「前へならえ、前へ、」の時代もあり、ということですが)
言語の持つこの違いは面白い、と思います。

楽器奏法の教育で、良いお手本、というのはとても大事です。
良い音、良い姿勢、良い演奏・・・。
模倣から始まる、長い長い修練の道のりです。

でも、お手本が良いから、といってそれを目指せば上手くなるのか、
といえば、模倣ばかりが上手くなってもしょうがないわけで
自発的な模索が大事。

自分のなかにあるイメージという「直感」を形にする、というのが
「動機」であり「持続するエネルギーの源」、「創意工夫の基本」
そして、目指す「目標」であるべき、っていうのが日本流の弱いところだな〜。

考えてみれば、方向、というからには自分の立ち居地と目指す先、
この二つの点が必要なわけで、まずは、自分の中を見つめてみたら、
といいたいようなこと、そういえば世の中に蔓延してますね。

「とりあえず」「手っ取り早く」「モノと情報が飽和状態」のこの時代、
上方、より、前方、より「内方」を見つめることが必要なのかもしれません。

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2006/10/20  11:28

投稿者:羅刹龍
目標を持ってそれに突き進まれてるかたは光ってらっしゃいますよね。。その方向性が間違ってさえいなければ、、、

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