2006/11/24

紡ぎだされるもの  舞台裏のひとりごと
千歳の書家、三上さん御夫妻との、書と楽器演奏、の談義から。

場所は、林の木立に囲まれたひろびろとした三上御夫妻の書のアトリエでした。

ヴァイオリンひとり、と書のコラボレーション、
バッハの音楽は、そういう試みも許容する懐の深いものであるのではないか、
ということと、空間のもつ雰囲気と深い関わりのあるものを、との思いから
行なったひとつの試みです。

お客様が大半お帰りになったあと、書と楽器演奏の話になり、
あの、大きくて太い、さらには墨を含んで重さを増す筆、
両手で持ち、全身を使わなければならないほどのその筆の紡ぎだす空間、
といった話となりました。

筆自体のもつ勢いや反発力、制限された紙の平面、さらにはその平面の下に
想定されるべき重力と空間との対峙、といった話。

これはまさに、弦楽器の話なのですね。
駒と弓がえがく不思議な弧、はるか宇宙のかなたまで続くであろう弓の延長線、
弦がもたらす張力と弓の圧力、そこに紡ぎだされる音の生命力。

弦が弓の毛でこすられれば、もちろん物理的に音がでることにはなっているのですが、
その張力をもつ弦の何ミリ下から音を紡ぎだす想定があって、はじめて音作り、
ということになる。

紙の平面は、そのように仮に存在するだけで、想定されるべきは
その下にひろがる空間と重力。

掴まえて解き放す、音の世界も書の世界も同じなのですね。

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