今日はあの大震災から節目の五十日。昨日は四十九日ということで、改めて犠牲となられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。しかし生き残った日本人は、可能な人間から少しずつ従前の生活を取り戻し、前へ進まなければならないのも確か。そこで関係者各位の刻苦奮闘を経て、東北の地と全国をつなぐ幹線道路網や東北線が相次いで復活しましたが、東北新幹線の全通こそ東北、そして日本の復興の歩みが本格化する象徴として待たれていたのではないでしょうか。
そしてついに本日、東京から新青森までの全線直通運転が再開!
普段は特段に新幹線にまつわる趣味活動をしているわけではない私ですが、とにかく新幹線の話題をこれほど待ち焦がれたのは個人的に初めてです。これもひとえに、原発事故という名のテクノロジーの失敗によって日本全体が暗くなった中、日本が真に世界に誇りうる科学技術の精華といえる新幹線が被災地をもいち早く貫き、東北と日本全国を結ぶことに計り知れない希望を見出したいからこそでしょう。
というわけで、先日ふと東北新幹線を撮ってみたいという気分になり、埼京線に揺られてちょこっと大宮へ向かい、CRH2……ではなくて (^^;) E2系が行き交うシーンを激写してみました。いやはや、個人的には長らく「E2系なんて乗っても大した面白みは感じられず、極めてありふれた存在だ」と思っていたのですが、まさかこれほど東北新幹線の到着を期待し、カメラとレンズを持つ手にも力が入るとは……(^^;)。自分自身の心境の変化に驚くばかりです。
何はともあれ、東北新幹線が再び全通したということは、九州新幹線鹿児島ルート全通僅か1日前の大震災により先延ばしとなっていた本州〜九州新幹線縦断ルートの49日遅れの完成を同時に意味します。今後は、JREが東北新幹線復旧とともに掲げていた「つなげよう日本」というスローガンの延長として、東北新幹線と九州新幹線をタイアップさせた象徴的な広報宣伝がなされ、それによって観光などの遠出の需要が喚起され、危機に直面した日本経済に少しでも明るい兆しが現れることを期待したいものです。いっぽう、復興計画とのからみもあって沿岸ローカル線の再建はまだまだ先となりそうですが、東北新幹線全通に傾けられたエネルギーが今後この方面にも振り向けられることを願っています。