2016/12/6

都庁で働く皆さま 都民の皆さま 2016年11月24日号  Y暴走する都教委
  《河原井さん根津さんらの「君が代」解雇をさせない会 都庁前通信》
 ● 原発避難した横浜・中1生に対するいじめ手記から学ぽう


 「ばいきんあつかいされていつもつらかった」「いままでなんかいも死のうとおもった」「でも、しんさいでいっぱい死んだからつらいけどぼくはいきるときめた」。
 2011年8月に小学2年生で横浜に自主避難したこの生徒は、「(いじめを受けている)他の多くの子の励みになれば」と手記を公開したという。
 5年生の時には「(原発事故の)ばいしょうきんあるだろう」と言われ、同級生から遊興費をせがまれ、「すごいいらいらとくやしさがあった」が、「ていこうするとまたいじめがはじまる」とお金を渡した。その額150万円、転居・生活のため、親が知人から借りたお金だった。
 2014年に保護者は学校と市教委に金銭トラブルを伝えたが、学校側は放置していた。


 さらに、「なんかいもせんせいに言(お)うとするとむしされてた」「いままでいろんなはなしをしてきたけれど、(学校は)しんようしてくれなかった」。担任や同学年の教員が、いじめに気づかないはずはない。
 この生徒が言うように、教員は無視したのだと思う。この生徒の6年近くの苦しみを考えると、胸が締め付けられる。よくぞ、「いきるときめた」ものだ。

 いじめが原因と思われる子どもの自殺が後を絶たない
 昨年9月には、都立高校1年男子が山梨県大月駅で列車にはねられた。
 今年8月には青森県で中学2年の女子が自殺した。
 9月に兵庫県で自殺した中2の女子につても、少女のメモを見た遺族からいじめが原因との訴えがなされている。

 「放射能が感染する」「避難者は賠償金がもらえる」と子どもたちが言ったのは、大人たちの話を聞きかじってのことであろう。
 自主避難者には補償金は支給されていないが、大人たちの中にも「金をもらって」と非難めいたことを言う人が少なくない。
 原発事故の自主避難者に対するこうした心ない言葉は各地で聞かれる。大人たちの、他者の苦しみに対する共感や想像力の欠如は子どもたちのいじめにゴーサインを出している。
 大人社会を真似て、いじめは起きている。いじめを受けた当事者者についてはもちろんのこと、いじめをする背景について考えていくことが大切だ。

 ● こうした問題を道徳の授業で

 文科省は2011年に大津市で起きたいじめをきっかけに道徳を正式教科にして評価することを打ち出し、教科書づくりを進めている。
 しかし、文科省、都道府県教委はいじめ調査はしても、いじめの背景について考え合う授業の提起や勧めはしない。
 この生徒の件が公表・報道されてから1週間になるが、この件について授業で取り上げることを勧めた教育委員会や校長、授業をした教員が全国にどのくらいいるであろうか。

 沖縄の米軍北部訓練場の工事に反対する人たちに機動隊員が投げつけた「土人」という言葉に対して鶴保沖縄・北方担当相は「差別とは思えない」と断言した。沖縄の人々が過剰反応だといわんばかりだ。
 沖縄に全国の基地の74%を押し付けているという差別が現実にあるから、沖縄の人たちが「土人」発言を差別と感じるのだという、差別されている他者の苦しみに対する共感が、この人物には著しく欠けている。

 政府は子どもたちに道徳教育の教科化を進めるのならば、道徳の教科書や副読本よりも、自主避難者に対するこうしたいじめや沖縄に対する差別といった今身近で起きている問題について子どもたちと考え含うことのほうが、子どもたちの心に響くのは間違いない。
 7月に起きた相模原やまゆり館での「重度障害者」殺傷事件についても、「特異な犯行」で済ませるのではなく、「障害者に生きる価値はなく、社会のために抹殺されるべき」という優生思想による犯行であったことを認識し、その意識はこの犯人だけにあるのか、私(たち)にはないのかを考え含う授業をしてほしい。
 そうしたことの積み重ねが、偏見や差別をなくしていくことにつながるはずだ。


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