2016/12/18

沖縄県全体の民意を否定する最高裁判所  ]平和
 ◆ 最高政治裁判所 (東京新聞【本音のコラム】)
佐藤 優(さとうまさる 作家・元外務省主任分析官)

 筆者は、鈴木宗男事件に連座して東京地検特捜部に逮捕、起訴され最高裁判所まで争った経験があるので、この国の司法については書物で知った知識とは別の体験知がある。
 最高裁判所の本質は最高政治裁判所だ。時の国家権力にプラスになる状況を司法の仮面をつけて提示するにすぎない。
 十二月十二日、最高裁第二小法廷(鬼丸かおる裁判長)は、米海兵隊普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画をめぐり、埋め立ての承認を取り消した沖縄県の翁長雄志知事を国が訴えた訴訟の上告審で、判決を二十日に言い渡すと指定した。


 高裁判決の結論を変更する際には弁論が必要とされる。弁論を開かないということは、翁長知事の敗訴とした福岡高裁那覇支部の結論を確定させるということだ。

 中央政府がこれで沖縄を押さえこむことができたと思うならば、大きな間違いだ。
 日本帰属によって、基地の過重負担という差別的な状況を押しつけられ続け、しかも沖縄県全体の民意、名護市の民意によって否定された辺野古新基地建設を、中央政府が強行を試みるならば、沖縄人の自己意識が変化する。
 中央政府が辺野古新基地の建設を強行する際に反対派と流血の衝突が発生し、沖縄人が死亡するような事件が起きれば、沖縄全体で日本からの分離を要求する動きが本格化する。

『東京新聞』(2016/12/16【本音のコラム】)


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