2017/3/31

アベを倒そう!(242)<「道徳」教科書と日本主義の帰趨>  X日の丸・君が代関連ニュース
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 最近、「道徳」の教科化に基づいての▲ 小学校道徳の教科書検定が終わり、8社の24点66冊が出そろった。
 そして、報道などでその検定が如何にバカバカしいものかが明らかになっている。
 例えば、
     ・パン屋の「おじさん」を「おじいさん」に、
     ・「パン屋」を「和菓子屋」に、
     ・アスレチックの遊具で遊ぶ公園を、和楽器を売る店に、
 といいう具合で、その理由としては、
     ○感謝する対象として指導要領がうたう「高齢者」を含めるため
     ○指導要領にある『我が国や郷土の文化と生活に親しみ、愛着をもつ』
 という点が足りないためなのだそうだ。
 これだけでも検定官の「忖度」のレベルの低さががわかる。


 ところで、ここに来て、「愛国心」教育の復活と並行して、「森友学園」の教育や卒業式における和装など、復古的な風潮(日本主義)が強まりつつある。
 しかし、戦前もやはり同じような動きがあったようだ。

 戸坂潤の『日本イデオロギー論』(1935年)の「序論」には当時の傾向を次のように述べている。
 (以下の引用文中、〔 〕部分は余儀なくされた伏字である)

 「現代の日本に於いては、凡(ほと)んどありとあらゆる思想が行われている。
 ・・・・現代日本に於いてまず第一に挙げられるべきものは、自由主義なのである。
 ・・・日本に於ける自由主義の意識は、甚(はなは)だ不徹底な形に於てであるにも拘わらず、吾々の社会常識の基調をなして今日に及んでいる。
 ・・・日本主義が台頭するに当って、さし当りあたり第一の目の敵としなければならなかったのは、だから、この普及した社会常識としての自由主義思想だったのであって、之は別に、それまで自由主義の思想が特に意識的に旺盛を極めていたからではない。」

 その上で、
 「社会に於ける現実的な矛盾がもはや自由主義思想のメカニズムでは解決出来なくなった現在のような場合、その血路の一つが(但し唯一の血路ではないが)・・矛盾の現実的な解決の代りに、矛盾の観念的な解決が、或いは矛盾の観念的な無視・解消が、その血路である。」

 と述べ、結局のところ「日本主義の埒(らち)内に収容される」と述べている。
 そうしてそれは「解釈哲学」「文献学主義」などを産み出すとし、次のように述べている。、
 「文献学主義は容易に復古主義へ行くことが出来る。
 復古主義とは、現実の歴史が前方に向かって展開して行くのに、之を観念的に逆転し得たものとして解釈する方法の特殊なもので、古代的範疇を用いることによって、現代社会の現実の姿を歪曲して解釈して見せる手段のことだ。」

 「さて文献学主義が愈々(いよいよ)日本主義の完全な用具となるのは、之が国史に適用される時なのである。・・・
 一般的にムッソリーニ的ファシズムやナチス的ファシズム、社会ファシズムと呼ばれるべきものさえ、今日では日本主義と或る共通の利害に立っていると考えられる。・・
 アジア主義王道主義も実は一種の日本主義なのである。・・
 だから結局、一切の日本主義は淘汰され統一されて、〔絶対〕主義にまで帰着しなければならず、又現にそうなりつつあるのである。」

 「とかくの議論はあるにしても、日本主義は日本型の一種のファシズムである。」

 そうして戸坂は、「第一編 日本主義の批判とその原則」、「第二編 自由主義の批判とその原則」、「結論」、と展開して行くのであるが、その中から、「日本主義」の評価に関する部分を以下に紹介する。
 少し長くなるがお許し願いたい。

 「日本主義・東洋主義乃至(ないし)アジア主義・其の他々々と呼ばれる取り止めもない一つの感情のようなものが、現在の日本の生活を支配しているように見える。
 そしてこの感情によって裏づけられている社会行動は至る処吾々の眼に余っている。而(しか)もそうした種類の社会行動は何か極めて意味の重大なものであるかのように、巨細となくこの世の中では報道されている。・・・・
 併(しか)しこうした国粋主義(又はもっと忠実に説明すれば国粋拡張主義)の勢力は最近の日本に於いて初めて盛んになったのではない。
 幕末の国学運動から系統を引いているこのイデオロギーは、明治初年から二十年代にかけてまず第一に「欧化主義」に対する反対運動の形で著しく現れた。
 つぎにそれは日清日露の役を著しい契機として台頭した初期の無産者運動に対して、その反動イデオロギーとして目覚ましい生長を新たにする。
 それから第三に世界大戦を境として起こったデモクラシー運動に対する反感として潜行的に可なり根強く発育したものである。
 それが世界危機の一環としての日本資本主義の〔危機〕に際会して、〔満州事変〕や〔上海事変〕の喇叭(らっぱ)の音と共に、今は津々浦々にまでその作用を丹念に響き渡らせたものに他ならない。
 でこう跡づけて考えて見ると、国粋主義の横行は実は却(かえ)って『国粋』の〔危機〕を物語るインデックスに他ならないわけで、国粋主義なるものは即ち自分自身を裏切ることをその本質とするもののことに他ならない。
 一般に之が反動イデオロギーの『宿命』なのである。」

 この戸坂の指摘の正しさは歴史が証明した。
 また、戸坂は当時の日本主義について次のように述べている。

 「・・日本主義的イデオロギー程、範疇論的に云って薄弱な観念体系はない。
 ・・薄弱な点の第一は、日本主義が好んで用いる諸範疇(日本・国民・民族精神・農業・〔神ながら〕の道・ 〔神〕・〔天皇〕・その他都合のよい一切のものの雑然)が、一見日本大衆の日常生活に直接結び付いているように見えて、実は何等日常の実際生活と親和・類縁関係がない、ということだ。」

 「日本の国粋主義イデオロギーの範疇使用法における弱点は、寧(むし)ろそのと古代主義(Arhaisumus)とでも云うべきものの内に横たわる。
 国粋的な体系を建設するためには、現代の国際的な(普通外来欧米思想と呼ばれる)範疇では都合が悪いのでわざわざ古代的範疇が持ち出される。
 処がこの古代主義は往々脱線して凡(およ)そ国粋とは関係の遠い云わば国粋的外来思想への復帰をさえ結果する。
 漢学的、シナ仏教的、原始仏教ーーバラモン的、範疇をさえかつぎ出そうとするのである。」

 「それは如何にも尤(もっと)もらしく意味ありそうなポーズを示す、処が実はその内容に這(は)い入って見ると殆(ほとん)ど全くのガラクタで充ちているのである。」

 結局、「日本主義」といってもそれは、
  @なんら実際生活に結びついているものではなく、 
  Aよく調べて見ればその内容は外来的なものに解消してしまい、
  Bなんら論拠のあるものではなく、ガラクタに充ちているものである、
 と述べているのである。

 そうして戸坂は、第一編の最後の節「日本主義の帰趨」で次のように述べている。

 「政治観念はどういう時でも市民常識に基かずには成り立たない。
 従って軍部団にだけ特有な農兵一如への復古主義は、それだけではまだ政治的観念となる資格がない。
 処が又小市民的中間層に特有な精神主義は、それだけでは物理的支配強力を予想していない。
 二つが云わば軍市合体することによって、復古主義に於ける日本主義は、ファシズム的政治権力の意志表示となることが出来る。
 皇道主義こそだから、日本主義の究極の帰一点であり、結着点なのである。
 之は、私が今まで分析しながら触れて来た一切の規定を、最後に統一総合した総結論なのである。」

 この本は82年も前の本なのであるが、現在の私たちにとっても十分に「思想的武器」を提供してくれているのではないだろうか。
 私たちは、先覚たちが磨き上げたこのような「思想的武器」(文化的伝統?)の遺産を受け継ぎ、闘う必要があるだろう。

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 (2017年版パンフの紹介)
 「〜卒業式・入学式の前に〜日の丸・君が代について考える」
 (発行:卒業式・入学式の『日の』『君が代』について考える保護者の会)
 全12頁 一部100円。


 <連絡先>郵送します。(10部以上は郵送料は要りません)
  @根津公子さん(取次) nedukimiko@ybb.ne.jp
  A谷口和憲法さん(発行元) taniguchik@nifty.com

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