2018/7/29

あぶない教科書を子どもに渡さない市民の取り組み  ]Vこども危機
 ◆ あぶない教科書を採択させないために!
   〜教育委員会への働きかけ―滋賀における取組み〜
(教科書ネット)
木村幸雄(子どもと教科書市民・保護者の会)

 市民運動は、国の機関や行政に対して働きかけることが大切な取組みです。教科書採択に関し、文科省は「外部からの働きかけについて・・把握し、・・不当な働きかけにより・・問題が生じている場合には・・報告すること」と教育委員会に通知し、教委は市民運動の働きかけに神経をとがらせ、以前滋賀では働きかけ自体受け付けない教委もありました。
 しかし、明らかに違法なものはともかく、請願・要望等は正当な働きかけであり、憲法は請願をなんびとにも保障しています。逆に、教委は市民からの要望等をしっかりと聴いて公正な判断をすべきであると要請してきました。

 ところで、教科書検定において、政府見解の記載強制や不合格の脅かし等を含む検定基準により、より良い教科書の発行は妨害されている状況です。


 よって市民は、採択権は教員や学校にあるべきという基本を堅持しつつも、各地の教委で、よりましな教科書の採択を求め、問題ある教科書の採択を止める働きかけをする意義は大きいです。
 そのため、採択会議の公開、透明性の確保等は、不正や恣意的採択を阻止する手立てとして有効で、これを要望等してきています。

 滋賀における採択会議の公開は、2013年までは実質的にすべての教委で非公開でしたが、2014年の小学校教科書採択で6採択地区の内、第2採択地区(6教委)が初めて公開しました。これは当方の要求と、ある教育委員長の前向きなスタンス、教委事務局職員の誠実な調査・提言等で実現しました。
 これを突破口に、文科省が言う「静謐な環境」が保てないことはないと他の教委にも働きかけ、昨年までに市町教委のすべてが公開し、現在非公開は県教委のみという状況です。よって今年、県教委の公開が焦点で、全国の都道府県教委の状況も示し要請しています。

 透明性の確保は、教育委員の名前、会議資料や議事録のHP等での公開で、以前は非掲載が多かったですが、毎回要求し、今は教育委員名は全教委で、議事録などはほとんどが掲載しています。
 また、情報公開請求では、会議資料や議事録等を、選定委員会・採択地区協議会の選定内容を教科書採択までに事前公開させることをめざしています。
 2005年に扶桑社歴史教科書を滋賀県立中学校で採択され、一旦採択したらこれを撤回させることは難しく、撤回運動をしっっも次の採択まで待たざるをえなかったことから、選定段階の内容を事前把握できれば、教委においてあぶない教科書を採択しないよう取り組めるためです。
 それでも厳しい状況もありますが、滋賀では2つの採択地区で事前公開または公開すべきとしています。今後、県下全体に広げることが課題です。

 これらの取り組みとあわせ、「道徳の教科化」の問題性とあぶない道徳教科書である日本教科書・教育出版の内容を確認するために、講演集会を開催し会場満杯で、参加者の関心の高さと危機感を共有しさらに運動を広げることを確認できました。
 歴史教科書で子どもの歴史認識をゆがめ、それを基に権力に従順な人間を育み自己犠牲してでも全体一国家に貢献する人間をつくろうとする道徳教科書および「道徳の教科化」の意図は、安保法制下の戦争する国において、最終的には戦争する「愛国兵士」を育成することです。何としてもあぶない教科書を子どもに渡さないよう頑張りましょう。(きむらゆきお)

『子どもと教科書全国ネット21ニュース 120号』(2018.6)


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