2018/9/3
ケータイ・スマホの電磁波が子どもの脳に与える影響調査研究 ]W電磁波と基地局
▼ 子どもを対象にした調査でわかった
脳の記憶機能に電磁波が与える悪影響 (週刊金曜日)
ケータイ・スマホの電磁波が脳腫瘍を引き起こす原因になることはわかっていますが、記憶力にも大きな影響が。1年間の曝露で確かな差が出たそうです。スイスの研究です。

みなさんはスマホやケータイを左右のどちらの耳にあてて使われるだろうか?
右耳にあてる場合、右脳が電磁波を多く浴びることになる。その結果右脳の働きが悪くなることを示唆する研究が発表された。2018年7月19日に米国国立環境健康科学研究所のジャーナルに発表されたものだ。
スイスの12歳から17歳の子どもたち約700人を対象とした調査研究で、携帯電話の使用による脳への電磁波の吸収による記憶テストのスコアへの影響を調べた。
まず子どもたちに携帯電話などの使用実態の聞き取り調査を行なうとともに、通信会社から個々人の通信記録のデータを取得、1日の使用時間などをもとに、一人ひとりの脳への電磁波の吸収量を推定した。
さらに1年間追跡し、最初と最後に記憶テストを行ない、電磁波の吸収量と、前後のテストスコアの差に関連があるかを調べた。
また記憶テストは、主に右脳を使う図形の記憶テストと、主に左脳を使う言語の記憶テストの2種類を行なった。
その結果、右脳を使う図形テストのスコアで、電磁波の吸収量が増えることで、スコアが低下する傾向がみられた。
そこで携帯電話の使用データを通信会社から入手できた274人に絞って解析したところ、統計的有意な、つまの偶然とは判断されない差があった。
また携帯電話を右手で使用することで右脳に主に電磁波を浴びていた子ども(全体の8割程度)に限定したところ、スコアの低下は2倍程度大きくなった。
一方左脳を使う言語テストでは、おおむね電磁波の影響は見られなかったが、通信会社からデータを得られたグループで、左手で、使っている(左脳へ主に浴びている)子どもたち(全体の2割程度)に限定した場谷、電磁波の吸収量とテストのスコアの低下に統計的、有意な関連が見られた。
この調査では、スマホやケータイでの通話以外、ゲーム時間やメールの使用量なども調べたが、それらではテストのスコアの低下は見られなかった。
今回観察されたテストスコアの低下はどの程度のものか?
論文によれば、スイスの学校制度ではその後の進路によって、中学校が4段階にレベル分けされている。今回右耳使用による右脳の図形テストの低下率は、そのレベルの違いに相当する程度であった。
研究を行なったスイス熱帯病・公衆衛生研究所のマーティン・ルーズリー博士は、プレスリリースの中で「さらなる研究が必要ではあるが、携帯電話の電磁波が、子どもの脳の記憶の働きに影響を与えていることを示唆している。電磁波による脳への潜在的リスクを減ちすには、通話時にイヤホンマイクや音声モードを使うことが有効。特に通信環境が悪くて、携帯電話の出力が最大になる時には注意が必要である」と警告している。
携帯電話の電磁波の影響としては長期的な曝露で脳腫瘍のリスクが増えることなどが示唆されているが、今回の研究は、子どもの脳の発達に1年間という短期間でも影響が出ることを示している。
つまり逆に言えば、小・中学校の段階で、頭部への不必要な曝露を減らせば脳の発達も改善する可能性があるということだろう。
【出典】https://ehp.niehs.nih.gov/EHP2427/
『週刊金曜日 1197号』(2018.8.24)
脳の記憶機能に電磁波が与える悪影響 (週刊金曜日)
植田武智(うえだたけのり・科学ジャーナリスト)
ケータイ・スマホの電磁波が脳腫瘍を引き起こす原因になることはわかっていますが、記憶力にも大きな影響が。1年間の曝露で確かな差が出たそうです。スイスの研究です。

みなさんはスマホやケータイを左右のどちらの耳にあてて使われるだろうか?
右耳にあてる場合、右脳が電磁波を多く浴びることになる。その結果右脳の働きが悪くなることを示唆する研究が発表された。2018年7月19日に米国国立環境健康科学研究所のジャーナルに発表されたものだ。
スイスの12歳から17歳の子どもたち約700人を対象とした調査研究で、携帯電話の使用による脳への電磁波の吸収による記憶テストのスコアへの影響を調べた。
まず子どもたちに携帯電話などの使用実態の聞き取り調査を行なうとともに、通信会社から個々人の通信記録のデータを取得、1日の使用時間などをもとに、一人ひとりの脳への電磁波の吸収量を推定した。
さらに1年間追跡し、最初と最後に記憶テストを行ない、電磁波の吸収量と、前後のテストスコアの差に関連があるかを調べた。
また記憶テストは、主に右脳を使う図形の記憶テストと、主に左脳を使う言語の記憶テストの2種類を行なった。
その結果、右脳を使う図形テストのスコアで、電磁波の吸収量が増えることで、スコアが低下する傾向がみられた。
そこで携帯電話の使用データを通信会社から入手できた274人に絞って解析したところ、統計的有意な、つまの偶然とは判断されない差があった。
また携帯電話を右手で使用することで右脳に主に電磁波を浴びていた子ども(全体の8割程度)に限定したところ、スコアの低下は2倍程度大きくなった。
一方左脳を使う言語テストでは、おおむね電磁波の影響は見られなかったが、通信会社からデータを得られたグループで、左手で、使っている(左脳へ主に浴びている)子どもたち(全体の2割程度)に限定した場谷、電磁波の吸収量とテストのスコアの低下に統計的、有意な関連が見られた。
この調査では、スマホやケータイでの通話以外、ゲーム時間やメールの使用量なども調べたが、それらではテストのスコアの低下は見られなかった。
今回観察されたテストスコアの低下はどの程度のものか?
論文によれば、スイスの学校制度ではその後の進路によって、中学校が4段階にレベル分けされている。今回右耳使用による右脳の図形テストの低下率は、そのレベルの違いに相当する程度であった。
研究を行なったスイス熱帯病・公衆衛生研究所のマーティン・ルーズリー博士は、プレスリリースの中で「さらなる研究が必要ではあるが、携帯電話の電磁波が、子どもの脳の記憶の働きに影響を与えていることを示唆している。電磁波による脳への潜在的リスクを減ちすには、通話時にイヤホンマイクや音声モードを使うことが有効。特に通信環境が悪くて、携帯電話の出力が最大になる時には注意が必要である」と警告している。
携帯電話の電磁波の影響としては長期的な曝露で脳腫瘍のリスクが増えることなどが示唆されているが、今回の研究は、子どもの脳の発達に1年間という短期間でも影響が出ることを示している。
つまり逆に言えば、小・中学校の段階で、頭部への不必要な曝露を減らせば脳の発達も改善する可能性があるということだろう。
【出典】https://ehp.niehs.nih.gov/EHP2427/
『週刊金曜日 1197号』(2018.8.24)






