2018/9/9

JR常磐線復旧のための工事現場で働いているのは協力会社の作業員  ]Xフクシマ原発震災
  《連載 20mSvの下でB(『労働情報』)》
 ▼ JR常磐線復旧工事と労働者の被爆管理
瀧 秀樹(労働情報事務局長)

 JR常磐線「2020年のオリンピックまでに全線開通」を旗印に急ピッチで復旧工事が行われている。津波で破壊された駅舎や線路をはじめとして多いときは一日2000人近い労働者が工事に当たっている。放射能汚染で働く労働者の被曝管理はどのようになされているのか気になり、7月中旬、国労水戸地本福島支部の国労組合員、本田さんと阿部さんお二人にお話しを伺った。

 本田さんは56歳、ベテランだ。保線課で働いている。
 阿部さんは58歳、建設課勤務。やはりベテランだ。

 本田「今は富岡〜浪江〜小高駅間が工事中なのですが、そこの保線工事の担当です」
 阿部「私は設備担当ですので駅舎等の建設などを担当しています。


 他にも土木、電力設備の担当は電気担当、信号設備は通信課といろいろな工事が行われています。線路以外の除染の仕事は土木の仕事です。富岡川や前田川の橋梁、大野、双葉駅間の道路のアンダーの仕事とかやっています」

線路の下のバラストという砕石は結構放射線量が高かったのではないでしょうか。

 本田「確かに高かったですね。もう列車は走れないかな、なんて話していましたからね。富岡、浪江間の線最の高いところは除染するまでは行きません

−本田さん自身は保線の現場で働くことはあるのですか。

 本田「いえ、現場での作業は協力会社の方々がやっています,仙建、東鉄、ユニオン建築(建設関連業務)などがあります。私たちは発注者の立場ですので、時々立ち合いなどで呼ばれることはありますが普段は行きません。JRは発注者、元請けは建設業法の適用を受ける特定建設会社となります」

−建設の場合も現場で実際に解体作業や建設作業をやるのは協力会社の方ですか。

 阿部「そうです。先ほどあったユニオン建設、仙建とか」

 −放射線被ばく線量管理の件でお伺いしますが、被曝線量は測定されていますか。

 本田「職員は50mSv/年以下、100mSv/5年以下という基準が決められていて、水戸支社においては20mSv/年以下、100mSv/5年以下と決められ、線量計は持たされます。
 被曝線暴の記録もきちんと取って、毎月累計を取っています。
 常磐線の復旧工事を具体的にするにあたり、富岡〜浪江間以外では1μSv/h以上を高線量箇所と位置付け、1μSv/h以上の箇所があった場合には、すぐに離れてその箇所を連絡すると整理もされました。
 他にもいくつかあります。また、富岡〜浪江間については年間1mSv/年以下を目指すとしています。
 20mSv/年以下、100mSv/5年以下とされていますが、具体的に労働が行われるとき、労働組合も本当に頑張ったと感じています」

−協力会社の方々もきちんと測定されていますか?

 本田「測っています」

ホールボディーカウンターでの測定は行っていますか。

 本田「希望者については受診できます。年一回。電離則に定められている特定医療検診は年に2回やっています。協力会社の一次下請けも測定して報告があがってきます」

−現場作業の際はどんな服装?

 阿部「タイベックスは着ていないですね。最初のころ除染作業では着ていましたね。今は作業着です

−復旧工事はどのように風に進められているのでしょう。

 阿部「まず、土木課が除染作業を行います。線量の高いところは除草をし、表土を50o以上鋤き取りをして、モルタルを吹き付けて覆います。低いところは草の鋤取りですね。
 建物解体などで出てくる除染ごみは黒い袋に入れて保管しています。線量の高いものは(コンクリートガラ)細かく砕くと線量が下がるので(表面積が大きくなるから)処分場へ持っていきます。特定廃棄物のままだと運び出せませんので特定廃棄物扱いにならないようにするんです

−えーそんなことしちゃうんですか。今は富岡まで開通して運転していますが、乗務員の方々についても線量計は持っているのでしょうか。

 本田「乗務員で希望者は線量計を持っていきます。若い人の希望が多いと」

−お話を伺っているとJRの方々は発注者の立場で、業務の仕様書を作って協力会社に発注するところまでで実際の現場での仕事は普段は見ていないということですが、いつごろからそうなったのですか。問題点などありませんか。

 本田「メンテナンス体制が平成13年11月〜14年にかけて変わりまして建設、保線は設備管理業務位になりました。現場作業がなくなり、いわゆる技術の継承が難しくなってきていますね

『労働情報』(2018年9月)


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