2018/9/26

原発事故被害者の姿が見えなくされる「復興?五輪」  ]Xフクシマ原発震災
 ◆ 原発避難者の受難 (東京新聞【本音のコラム】)
鎌田 慧(かまたさとし・ルポライター)

 フクシマ原発事故の後、放射線が強く強制退去させられた地域以外で子どもを抱えて福島県外へ避難した人たちは「自主避難者」と呼ばれる。
 強制退去を命じられた家族の生活費などは補償の対象になっているが、自主避難者への生活補償はない。それでも将来の子どもの健康だけを考えての、苦渋の決断だった。
 このひとたちの住宅費の支援は、昨年三月で打ち切られた
 一年前の東京都の実態調査では、月収二十万円以下が過半数を占めている。新潟県精神保健福祉協会の調査では、重度ストレスが25%と通常の五倍に達している。居住の不安定を思えば当然ともいえる。
 福島の自然の恵みを受けて暮らしてきたひとたちである。この人たちにはなんの罪もない


 ところが、立ち退かない。居座っているなどと、非難されはじめている
 この状況をつくりだした東京電力の責任は忘れ去られ、被害者側がわがままと批判される、本末転倒。
 いままで各地の公営住宅や公務員住宅、雇用促進住宅など、空き家の提供を受けていた。が、六カ月後には打ち切りになる。

 さらに二年後には強制退去の人たちへの補償も縮小されそうだ。
 放射能を「アンダーコントロール」(安倍首相)といって誘致された五輪がはじまる。
 それまでに被害者の姿がみえなくされるのではないか。それが避難者たちの恐怖である。(ルポライター)

『東京新聞』(2018年9月25日【本音のコラム】)


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