2018/10/3

沖縄人のプライドの勝利、人間の尊厳に無知な強権政治の敗北  ]平和
 ◆ 希望の沖縄 (東京新聞【本音のコラム】)
鎌田 慧(かまたさとし・ルポライター)

 一カ月間に三回、前月を入れると四回、五日間。菅義偉官房長官の沖縄入り回数だ。県知事選挙で、自公など推薦候補の応援のためである。
 「私は危機管理を職務としていますので、特別な場合を除いて官邸の周辺から離れることはありません」(月刊「Hanada」十一月号)
 菅内閣官房長官の立て続けの沖縄訪問は、危機意識だった。
 なんの、安倍内閣の。あるいは「辺野古」米軍巨大新基地建設の成否が、日米関係の危機。安倍政権の危機感のすさまじさが、露骨にあらわれた選挙だった。

 佐喜真淳候補は、政権との一体化による所得向上を謳(うた)い、官房長官ともども携帯電話料金値下げを公約に若者の関心を引こうとしていた。


 わたしは、那覇市から四百キロ南の石垣島で玉城デニー候補に取材し、八十キロ北の名護市で佐喜真候補の演説会を取材した。

 小泉進次郎議員を三回投入、企業や団体の社員や職員を期日前投票へ大量に運ぶ「勝利の方程式」(渡具知武豊・名護市長)で、票が固められていた。
 「戦後沖縄の歴史を背負った政治家」と翁長雄志知事に評された玉城デニー候補が、米兵の父親、沖縄人の母親という出自を語る口調は柔らかく、自在である。福祉と人に対する優しさが胸を打った。
 彼の勝利は沖縄人のプライドの勝利であり、人間の尊厳に無知な強権政治の敗北である。(ルポライター)

『東京新聞』(2018年10月2日【本音のコラム】)


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