2018/12/11
外務省・法務省・文科省宛 国際人権関連NGO3団体共同要請書(2) Z国際人権
2018年12月7日
◎ 自由権規約第7回日本政府報告審査リストオブイシューに関する要請(続)
◎ 法務大臣 山下貴司 殿
(1)[「公共の福祉」概念の諸外国憲法における使用例について]
基本的人権を制限する場合の要件については、『世界人権宣言』29条2項が今日の国際標準となっています。自由権規約18条3項・19条3項、ヨーロッパ人権条約9条2項・10条2項、ボン基本法2条1項、などに同じ基準が採用されています。
それに対しわが国のように「公共の福祉」概念を一般的包括的な人権制約要件として採用している例は極めて特異です。国内の人権保障に国際標準が適用されるよう、CO(6)パラ22の勧告に従って、速やかに改善策を講じられるよう要請します。
(2)[QPR(7)パラ23で求められている「保証するための措置」について]
パラ23では、「公共の福祉」概念が自由権規約第18条と19条の3項で許されている僅かな制限以外に思想・良心および信教の自由あるいは表現の自由の権利を制限しないよう「保証するための措置」が、求められています。
法務省が音頭を取って、自由権規約18条3項及び19条3項に示される国際標準の人権制限要件を国内法として明文化する立法案を作成するなり、その要件を「閣議決定」「大臣通達」「通知」「人権教育啓発白書」などにより国内に周知徹底するなり、具体的な対策を講じられるよう要請します。
(3)[法務省内のQPR(7)パラ23&パラ26への回答作成担当部署について]
昨年要請時(2017年12月5日)に、私たちから「公共の福祉」概念についての検討担当部署を訪ねた際に、「所管していないことには責任をもって答えることは出来ない。」(吉田里日大臣官房秘書課国際室室長)とのお答えでしたが、その時に頂戴したパンフレット『法務省 2017年版』を見ると以下に引用するような説明があり、いずれかの部署の所管になってもおかしくないと思われます。
・ 「大臣官房司法法制部」の仕事には、「司法制度に関する調査研究や法令案の作成、法令・判例や法務に関する資料の収集・整理・編纂・刊行、法教育に関する事務」(p7)などがあげられています。
・ 「法務総合研究所」の仕事には、「法務省職員に対する各種研修を行っています。これらの研修では、それぞれの職務に応じて、法務省職員として必要となる知識及び技能を習得させるため、講義・討論・演習など様々な研修科目を取り入れています」(p10)とあります。
・ 「人権擁護局」の仕事として、「人権啓発活動は、人権尊重の必要性と重要性が国民の皆様に理解され、広まるようにするものであり、人権擁護機関の職務の中でも最も重要なものの1つです」(p27)と紹介されています。
・ 「訟務局」の仕事として、「国を当事者とする訴訟等について、国を代表し国の立場から裁判所に対する申立や主張・立証などの活動を行う」「法務省は、こうした訴訟事務を統一的かつ適正に処理することを任務としています」(p44)が紹介されています。
法務省として、「国際人権法」への責任ある対応を要望します。
◎ 文部科学大臣 柴山昌彦 殿
(1)[CO(6)パラ22の即時実行について]
一昨年の要請(2016年12月8日)において、CO(6)パラ22の即時実行を要請したところ、「勧告はあくもでも一般的なものであり、政府として内容を検討の上、引き続き適切に対処していきたい。」(鈴木育乃大臣官房国際課国際交流企画グループ専門職)とのお答えでした。しかし今回のQPR(7)パラ23&パラ26から、CO(6)パラ22が決して「一般なもの」ではなかったことが明白ではないでしょうか。
そこで改めて、CO(6)パラ22の勧告に従い、「10・23通達」に基づく国旗国歌に対する起立斉唱の強制が規約18条及び19条の各々3項に記された「厳格な条件」(the strict conditions)を満たしているか否か、国際基準に則った厳密な検討を速やかに行うよう要請します。
(2)[今回QPR(7)パラ26への回答作成に向けて]
QPR(7)パラ26への回答作成に当たっては、正確な事実関係を、都教委と当該NGOの両当事者から聴取して把握した上で、条文の趣旨に忠実に国際標準に則った課題解決に、先頭に立って取り組まれるよう要請します。






