2019/1/3

七十四年前に終わった戦争への反省と平和への希求  ]平和
 ◆ 命どぅ宝 (東京新聞【本音のコラム】)
鎌田 慧(かまたさとし・ルポライター)

 新年おめでとうございます。今年こそ命を大事にする政治に変えたい。
 沖縄のよく知られている琉歌の一節である「命(ぬち)どぅ宝(命こそ宝)」。この思想が社会生活のなかに根付いてほしい。

 「命は鴻毛(こうもう)より軽し」と鼓吹(こすい)され、戦争に駆り立てられた反省平和への強い希求が「命どぅ宝」にこめられている。七十四年前に終わった戦争は、アジア・太平洋地域で二千万外国人を殺戮(さつりく)し、(日本軍人・軍属二百三十万、民間人八十万の戦没者をだした。

 その痛恨の想(おも)いの凝縮が平和憲法前文であり、第九条である。
 それを声高にあげつらい、ないがしろにし、憲法尊重・擁護義務に違反している政権が、大手をふるっているのは奇妙な光景だ。


 しかし、「命どぅ宝」は戦争を封じるだけの言葉ではない。
 利益のためにはいのちを無視する野蛮も、批判の対象だ。

 戦後日本の急速な経済成長は公害列島化させた。ポリ塩化ビフェニール(PCB)が人工的につくりだされ、有機水銀、カドミウムなどの放出、アスベスト(石綿)が工場労働者や住民を苦しめ、殺害した。
 被害が発覚してから製造中止になったものは多い。が、刑事責任は問われていない。

 さらに危険で被害の強大な核分裂は大量破壊兵器・原爆として利用され、商業化されて原発になった。この速やかな中止こそ、今年の課題だ。

『東京新聞』(2019年1月1日【本音のコラム】)



※投稿されたコメントは管理人の承認後反映されます。

コメントを書く

名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL




teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ