2019/1/11

東京五輪ボランティア、都立高生へ事実上強制している証拠  Y暴走する都教委
  《二極化・格差社会の真相 (日刊ゲンダイ)》
 ◆ 高校生がSNSにアップ 五輪ボランティア「強要」の洗脳装置
斎藤貴男 ジャーナリスト

 新年も1週間が過ぎた。ぼちぼち暗黒の時代を正視しなければならない。

 東京都教育委員会が昨年11月26日付で都立高校の校長らに宛てた通知文を入手した。それによれば、2020年東京五輪・パラリンピックでの都市ボランティアの応募期間が12月21日まで延長されたと説明。で、参加する生徒にも〈大きな充実感、達成感を得られることが期待でき〉るので、〈周知と案内等について、お取り計らいのほど、よろしく〉うんぬんとあった。

 要は生徒たちを都が募集する空港や駅、観光名所の無償案内役にもっと差し出せとのお達しだ。実際、〈なお、本件については、改めて校長連絡会で御説明させていただきます〉なる結語、およびその後の2度も重ねられた同様の通知を、事実上の命令と受け取らなかった校長は皆無だろう。


 都立学校の校長らは同日付で、ある「実施報告書」の提出も求められた。

 全国の小中高校は2016年から「五輪・パラリンピック教育」を推進させられている。お膝元の東京都では週1コマのプログラムが義務付けられているのだが、都教委は今回、「重点的に育成させる5つの資質」と一方的に位置付けた「ボランティアマインド」「障害者理解」「スポーツ志向」「日本人としての自覚と誇り」「豊かな国際感覚」のいずれに取り組んだかとか、配布済みの副読本やDVDなどの活用状況を尋ねて、2月15日までに回答せよと迫っていた。

 都市ボラへの応募は結局、2万人の目標を大幅に上回る3万6649人を数えて締め切られた。約6割を女性が占めたという。
 大会組織委が募集し、同じ12月21日までに8万人の枠に対して18万6101人を集めた大会ボラ(各種競技会場や選手村などで観客サービスや競技運営のサポートなど大会に直接携わる活動を行う)に比べると地味で、不人気だった都市ボラへのエントリーが急増した裏には、こんなカラクリがあったのだ。

 大企業の従業員や、就活での評価との関わりを忖度してしまう大学生たちもまた、巧妙に徴用される組である。
 テレビはもちろん、自らもJOCとスポンサー契約を結んで五輪商売の当事者に成り下がった大手紙はこぞって黙殺。今さら指摘するのもアホらしい現実だ。

 幾人もの高校生が、都市ボラへの応募を強要された事実をSNSに上げた。と、たちまち誹謗中傷の集中砲火を浴びて、釈明に必死だという。
 五輪とは子どもをして権力に忠実な臣民に堕さしめる洗脳装置に他ならない。

 ※ 斎藤貴男 ジャーナリスト
 1958年生まれ。早大卒。イギリス・バーミンガム大学で修士号(国際学MA)取得。日本工業新聞、プレジデント、週刊文春の記者などを経てフリーに。「戦争経済大国」(河出書房新社)、「日本が壊れていく」(ちくま新書)、「『明治礼賛』の正体」(岩波ブックレット)など著書多数。

『日刊ゲンダイ』(2019/01/09)
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/245007


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