2019/5/21

法の下の平等に反する「高等教育無償化法」が来年度施行  ]Vこども危機
 ◆ 高等教育無償化が変だ (東京新聞【本音のコラム】)
前川喜平(まえかわきへい・現代教育行政研究会代表)

 大学等修学支援法が成立した(来年度施行)。この法律は高等教育無償化法とも呼ばれる。
 無償化といっても、その実態は、住民税非課税世帯など低所得世帯の学生に対して授業料・入学金の減免措置と給付型奨学金の支給を行うもので、無償化にはほど遠い。

 加えて問題なのは、支援の対象者に所得以外のさまざまな条件がつけられることだ。
 たとえば、高校卒業後二年までに入学した者に限るという条件。これは生涯学習の理念に反する。入学年齢で差別するべきではない。
 さらに変なのは、学生個人に対する支援なのに、入学する大学等に対して条件がつけられることだ。


 「勉学が職業に結びつぐ」「社会で自立し、活躍できるようになる」という「実践的教育」を行う大学等に限られるのだ。
 具体的には、実務経験のある教員による授業科目を一割以上配置し、法人の理事に産業界等の外部人材を複数任命するなどの条件が求められる。
 文科省がそれを確認し、確認された教育機関は法律上「確認大学等」と呼ばれる。

 「確認大学等」以外で学ぶ学生は、たとえそこでしか学べないものがあるとしても支援は受けられない。これは法の下の平等に反する
 この「無償化」は、学生を人質にとって、大学に対し産業界の要求に応じる教育を行うよう迫り、大学の在り方を歪(ゆが)める政策だと言ってよい。

『東京新聞』(2019年5月19日【本音のコラム】)


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