2019/6/21

食生活と育児 母親だけを犠牲にしないで  ]U格差社会
 ◆ 保護者活動クライシス
   〜働く母親は無理して休みを削る
(週刊新社会)

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 ◆ 妻の分担多すぎる
 我が家が共働き家庭になってから1年が経ちました。その中でわたしがおかしいと思っているコト、それは”妻の分担が多すぎる件”
 母親たちは、料理、掃除、洗濯などの”家の仕事”のほかに、”親としての仕事”にかなりの労力と時間を費やしています(お母さん達、本当にご苦労様)。
 親としての仕事、つまり保護者としての活動とは、「幼稚園の親子遠足」「幼稚園の給食当番」「お弁当作り」「登下校の見守り当番」「小学校の参観」「家庭訪問・個人懇談」「先生との連絡」「保護者会」「学校へ提出する書類を書く作業」「放課後の友達付き合い」「習い事の送迎」「休日の子どもの相手」…等々(まだまだあるけど!笑)。
 これね、結構ボリュームがあるのですよ(泣)、かなりの労力なのですよ(怒!)。


 兄弟がいれば、その労力は当然に倍以上。我が家は3人の子どもがいるから、業務は3倍。家庭訪問も3回、参観も3回、当番も3回。4月なんかは本当に忙しく、目が回りそうです。
 この親の仕事について、わたしは「全部母であるわたしがこなさなければならない」と思っていたのですよね。
 私の母も、夫も、母親である私がやるのが当たり前だと思っています。だから、子どもが生まれてからずっと保護者としての活動は全部私がやってきたのですね。
 育児休暇で、自分は仕事をしていないんだから、これは私がしなくちゃならないと思っていたのです。
 職場復帰してからも、そのまま私は自分一人でこれらのことをすべてこなしました。
 「参観で…」「遠足で…」「家庭訪問で…」と少ない年休を削りながら、同僚に気を遣いながら。
 そうしているうちに、私は毎日毎日、自分の仕事から急いで帰って来ては、当番やら行事やら保護者としての仕事を、一人でバタバタしながらこなし、疲労し、年休も私の気力もどんどん無くなって来たのです。

 ◆ 親の仕事してるか

 そんな頃に、夫婦の危機(クライシス)が訪れました。
 先日、私は仕事を休んで子どもの親子遠足に参加しました。炎天下の中の遠足で疲れてしまった私は、帰ってすぐにぐったりと倒れていました。
 夕方になり帰宅した夫は、疲れ切った顔の私に「時短の仕事やのになんでそんなに疲れてんの?お疲れさまぐらい言ってよ」と言いました。
 私は、その一言に怒りが爆発しました。
 「何日も前から、『今日は仕事休んで幼稚園の親子遠足に行く』って伝えたよね?なんなら今朝も言ったよね?疲れてんのはこの私だ−−−!!!』ついでに、「時短の仕事やからって疲れないわけじゃない!バカにするな!」
 コイツは、私が毎日自分の仕事もしつつ、どれだけ”親の仕事”をしてるか、そのしんどさをこれっぽっちも分かっていないのだ、と軽く殺意を覚えるほど腹が立ちました。
 これは、私たちの結婚生活最大のクライシスでした(笑)。

 私は、「そもそも”保護者としての仕事”にはどういった仕事がどれだけあって、妻がどれほど労力と侍間を使っているかを夫連中は知らないんじゃないか?あるいは、全く興味がないのではないか?」と思いました。
 分担うんぬん以前に、知らない夫・興味のない夫が多すぎるのです。でも、みんなそうならそれでいいやってことでもなくて、保護者としての活動の夫婦間の比重のアンバランスさはきっと夫婦の危機を招きます。我が家のように。
 本当は夫婦でもっとしっかりどんな仕事がどれだけあるのかという情報を共有することが大事。
 さらには、それをどのように2人でこなすのか?夫にできないこと、できるこどは何か?やらなくてもいい仕事はないか、楽になれる方法はないかなど、具体的な運営方法や方針を夫婦で考えていく必要が絶対にあります。

 そもそも、参観もPTAの集まりもほとんどの活動時間を平日の昼間にするという設定がおかしいのです。
 大昔の”男は仕事・女は家”みたいなステレオタイプ時代の名残なのでしょうけど、古すぎます。
 現代の母親は大半が働いています。なのに働いている母親像の想定が全くされていないその時間帯の設定には疑問を感じます。
 仕事を休んで、その時間の活動に出席してくれる父親が何割いるのでしょうか。結局母親が行かざるを得ないし、働く母親は、無理して休みを削るしかないのです。
 もしくは、参加しないという選択になります(PTA辞める人増えてます)。
 今のままだと仕事も続けられません。学校関係者の方々、どうかしてください(泣)。

 ◆ 育児休暇は女性

 今回は、私の職場での母親職員たちの現状を書きます。
 私は総合職で、仕事内容は男女において差はありません。女だからってやらなくていい仕事はありません。
 だけど、育児のために休暇を取るのはほとんど妻です。
 「子どもが熱が出たから迎えに来てください」という連絡が来るのは妻。子どもが平熱になるまでの期間休むのも妻。下校当番のため、参観のため、家庭訪問のために早退するのも妻。

 後輩の20代の女性職員は職場内結婚ですが、いつも自分が休んでいて「看護休暇はとっくに使い切って、もう有休もなくなります。これ以上休むとついに減給です…。保育料高いのに(泣)」と言っています。

 毎日旦那さんの帰りが遅く、「自分が保育所に迎えに行き、帰って夕飯を作ってすべて1人でこなしているので、心に全ぐ余裕がなくてもう心が折れそうです…!でも、生活のために仕事も辞めれません。(泣)」と言う後輩もいます。

 40代の女性の先輩は、「毎日仕事の後に保育所に迎えに行くのが本当にしんどくて、栄養ドリンクを飲んでいた」と言つていました。

 このように女性職員の方が圧倒的に、育児のために自分の有休や労力を削っています。女性職員はみんな、精神的にも体力的にも常にギリギリの状態で両立をさせています。もはや”限界”なんてものは、みんなとっくに超えてしまっていて、ゾンビ状態となってまで仕事と育児と家事をこなしているのかも……!
 これだけ、女性職員が両立に苦しんでいるなかで、子どもが熱が出たから、と言って早退する男性職員を私はまだ見たことがありません。
 ただ例外は若い男の子で、「家事も育児も夫婦2人でやるもの」という考えの子が多く、産後パパ休暇の取得は当たり前で、長い育児休暇を取る男の子も増えてきました(今は霞が関では先駆けで育休を取る男性職員が増えています)。

 ◆ 新しい価値感に

 私はそれを“すばらしい!いや、なんと羨ましいのだ!”と見ているけれど、40代より上の頭の固いオジサン連中は、「信じられない!奥さんは何しとんねん!」と言うのですよね。
 本当に古い!なんて古い!黙れ!女は産む機械って言ったヤツか!(怒)。
 このオジさんたちの頭の中には、『家のことも、親の仕事も母親がして当たり前だ』という価値観があるからなんですよね。
 こういう発言をするオジサンたちは、「オレはお前たちのために朝早くから夜遅くまで働いてやっているんだ。お前は気楽でいいよな」と言いながら、”家の仕事”も”親の仕事”もすべてを妻に任せてきて、本当に「労働」としての仕事しかしてこなかった人たち。
 その結果、子どもとも関わらず、妻ともあまりコミュニケーション取らず、(職場の飲みニケーションばっかりやってたんでしょう)、家族には煙たがられるようになり、家庭での居場所がなくなり結局夜遅ぐまで仕事に逃げる。退職したら熟年離婚されて一人ぼっち(あれだけ飲んでいた仕事仲間にも相手にされない)。このパターンの夫。

 あとは、ゾンビになって1人で育児を頑張ってきた母親職員や、独身女性職員も、男性職員が育児のために休もうとすると、その奥さんを批判したりします。「どうして奥さんが休まないの?」とか言う。
 自分が頑張って来たから許せないんですよね。
 私たちの親世代は、”24時間働けますか?”の時代の人たちなので、父親は家のこと子どものことなんてしなくて当たり前でした。その親を見ながら育った子どもである私たちの世代にも、この古風な価値観は無意識に根付いているのですよね。男にも女にも。

 「働き方改革」として労働時間を減らしたり、フレックス制度の導入をしたりするのは大事です。看護休暇の日数を増やすことや、有休制度の拡大は必須です。育児と仕事の両立をするためにハード面から整えるべきことはたくさんあります。
 それに加えて必要なのは「古い価値観を捨てて、新しい価値観に変えていこう」とする勇気です。
 男女ともに。それが、母親だけが自分を犠牲にして、育児を両立して行くのではなく、父親が育児を分担しやすい雰囲気作りに繋がるのだと思います。
 世の中の働く母親職員が、どうか精神的にも体力的にも楽になりますように。心と体を壊して結局仕事を辞めざるを得なくなる事例が少しでも減りますように。
 (今回のコラムを読んで、「そこまでして母親が働かなくていいやん」と感じた人は、考えが古いんですよ♪)(愛内マミ)

『週刊新社会』(2019年6月11日・6月18日)


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