2019/6/21

福岡地裁判決を受けて川内原発行政訴訟弁護団声明  ]Xフクシマ原発震災
  たんぽぽ舎です。【TMM:No3676】
 ▼ 福岡地裁による請求棄却判決(不当判決)を受けて
   原発を稼働するという結論のために、法の趣旨までも捻じ曲げた司法としてあり得ない判決

◎ 弁 護 団 声 明
2019年6月17日 川内原発行政訴訟弁護団

 1 福岡地方裁判所第1民事部(倉澤守春裁判長、山下隼人裁判官、野上幸久裁判官)は、本日、住民らの請求を退け、川内原発の設置変更許可取消請求を棄却した(以下「本判決」という。)。

 2 本件訴訟は、もともと、「火山ガイドは不合理であるが、民事訴訟においては巨大噴火のリスクは社会通念上無視できる」とした2016年4月6日福岡高裁宮崎支部即時抗告審決定を受け、基準が不合理である以上、許可処分自体は違法で取り消すべきであるという考えのもと提起されたものであった。


 実際、その後も広島高裁などで同様の判断が相次ぎ、火山ガイドが原発の審査基準として不合理であることは、争いようのない事実となりつつあった。
 本判決は、そのような中、科学的に見て、火山ガイドの定めに不合理な点のないことが立証されたかどうか、疑いが残るとしつつ、原子力関連法令等が破局的噴火による影響を考慮することまで要求しているとは解されないという理由で、火山ガイドが不合理とはいえないと判示した。

 3 このうち、これまでの裁判と同様、火山ガイドには、科学的にみて、噴火の可能性の有無及び程度を正確に評価できることを前提としている点で、不合理の疑いが残るとした点は妥当であり、国を相手にした行政訴訟においてこのような判断がなされたことは、火山ガイドの不当性を決定づけるものといえる。

 4 しかし、そのあとの論理は、極めて理解困難である。一方で、火山ガイドは不合理の疑いが残るといいながら、他方で破局的噴火については法令上考慮しなくてよいから火山ガイドは不合理ではないというのであるから、明らかに趣旨が一貫しておらず、これまでの民事訴訟における社会通念論を、行政訴訟に不合理に接ぎ木しただけの、極めてお粗末な判断である。司法判断の根幹である論理性を明確に放棄して結論を捻じ曲げた本判決の不当性は明らかといわざるを得ない。

 5 内容的にも、破局的噴火が原子力規制法の想定する自然災害に含まれないとしている点は明確に不合理である。規制委員会設置法は、原発の安全確保については国際的な基準を踏まえることとしているが、国際基準において被害の規模が大きいからそのリスクを無視してよいなどという基準は存在しないし、むしろ、原子力規制法においても、福島第一原発事故を踏まえて、大規模な自然災害を考慮することが規定されたのである。本判決は、原発を稼働するという結論のために、法の趣旨までも捻じ曲げた、司法としてあり得ない判決である。

 6 東北太平洋沖地震や熊本地震も、事前にそのような自然災害が起こる可能性は極めて小さいとされていた。破局的噴火については、専門家から多数の警鐘が鳴らされているにもかかわらず、これを無視して、裁判官の身勝手な社会通念で無視することは、第二の福島第一原発事故を容認するものにほかならない。我々は、このような判決に断固として屈することはできない。



※投稿されたコメントは管理人の承認後反映されます。

コメントを書く

名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL




teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ