2019/7/21

JAL争議の早期解決に向けて関東キャラバン  ]U格差社会
 ◆ JAL職場復帰のめたに
   闘いをさらに飛躍させ勝利的解決の展望を
(週刊新社会)
中部全労協 青柳義則

 JALの経営破たんにより、経営再建が進められる中で2010年の大晦日、パイロット(81人)と客室乗務員(84人)の165人が整理解雇された。
 人員削減の目標数は大幅に達成し、解雇時点ですでに1586億円もの営業利益を上げ、解雇の必要は全くなかった。当時のJAL経営トップの稲盛和夫会長も、経営上解雇の必要はなかったと述べている。
 さらに、日本航空(JAL)が2010年にパイロットと客室乗務員の解雇を強行する過程で、管財人・企業再生支援機構(当時)の幹部らが、解雇回避を求める労働組合活動を妨害した不当労働行為を行ったと2016年9月の最高裁で断罪され、違法な手続きによる不当解雇が明らかになった。

 ◆ 組合つぶしの悪質な攻撃


 日本航空においては、過去から一貫して、自主・独立した労働組合を敵視する労務政策が続けられていた。
 機長の争議権を奪う「機長管理職制度」、監視ファイル事件、メールボックス事件など違法行為は絶えなかった。
 この整理解雇も日本航空の労働組合つぶしという労務政策が貫かれ、債権カットとV字回復の目的を持った、不当解雇事件である。

 2010年9月27日に解雇基準が会社から発表され、労働組合の活動家を狙い撃ちするための人選基準を用いて、それに当てはまるパイロット、客室乗務員から仕事を取り上げ、希望退職に応じるまで、あるいは解雇するまで自宅待機とし、退職強要を続けたのである。
 国鉄闘争と同質の解雇事件と言わざるを得ない。
 いや、質的には緻密に法的対策をも用意周到に兼ね備えている、日本だけに通用する、年齢基準で解雇というオブラートに包みこむ手の入れようである。
 経営破たんの責任を労働者に押し付け、不当労働行為まで行って、労働者の生活と権利を守り、公共交通の安全のために頑張ってきた労働組合・労働者を解雇する理不尽さを許すことはできない。
 この間の全国に広がる大衆行動を中心とした運動の成果により、JALの植木義晴社長(現会長)は2018年1月の経営協議会で「自分が社長のうちに解雇問題について解決する」と発言、6月の株主総会でも山口宏弥乗員争議団団長の質問に「ご意見を尊重し誠心誠意組合とも話し合っていきたい」と答え、さらに、赤坂祐二新社長は就任直後の経営協議会において「なるべく早く解決したいと心から思っている」と発言した。
 会社と労働組合との「特別協議」が始まり、昨年5月から活動の自粛が始まり、自粛はしたものの特別協議の結果は、残念ながら当事者が望むようなものとはかけ離れたものだった

 ◆ 新たな運動の展開に

 一方で、2019年2月には全国32番目となる「不当解雇と撤回を求めてたたかう日本航空労働者を支える栃木の会」が発足し、JALの仲間たちを支援する運動は拡がってきていた。
 争議の質からして、誤解を恐れず言えば、闘いを伴わない交渉では相手にされない。企業内の枠を越え、不当解雇との対決の中で切り開いてきた闘争の展開をさらに飛躍させ、働く仲間と結びつく中でこそ、解雇問題の勝利的解決を展望することができる。JAL争議も例外ではなく、長い労働運動の歴史が示している。
 そして2018年12月、JAL争議団の仲間を励まそうと「12・21JAL闘争に連帯する夕べ」が企画され、JAL闘争を支援する仲間たちは今こそと集まり、参加者は280人に膨れ上がつた。

 争議解決はJALを社会的に包囲する大規模な運動が求められる、という議論に基づき5月20日から関東キャラバンを「呼びかけ人」が計画した。
 同じ時期にJAL闘争支援国民共闘会議がJAL経営陣の「争議解決に努力する」という昨年の株主総会の発言の履行を求めて、6月18日の同社株主総会に向けて大衆運動を強化しようと提起した。
 計画、準備、財政を自前で賄うという、今までになかった争議団と、支援の自立した運動として準備が始まった。

 10連休という”悪条件”に阻まれ、実質的な準備は10日あまりの短期間となり、当初予定の「全国キャラバン」は無理と判断、8都県にまたがる「関東キャラバン」とすることを確認し、キャラバン実行委員会を立ち上げた。
 事前の各地への要請は「準備期間が短すぎる」という批判はあったものの、JAL争議の早期解決という点で一致、可能な限りの協力を約束していただき、5月20日、山梨県甲府駅前の宣伝行動を皮切りに関東キャラバンは始まり、21日茨城県、22日栃木県、23日群馬県、24千葉県、27日埼玉県、28日神奈川県、29日東京三多摩、30日東京都、そして5月30日本社包囲行動へ繋げ結集した。

 宣伝だけでなく、署名抗議はがきの要講、集会、デモなど多面的な行動となり、参加者は延べ数1700人、配布チラシ1万1034枚(主要駅など20カ所)、オルグ・24団体となり、多くの団体、個人から多額のカンパを頂いた。
 今回のキャラバンが短時間で成功したことにみられるように、各地でJAL闘争が継続・発展していたことがはっきりした。
 その原動力は当事者や支援者が、それぞれの職場や各地の支援共闘や支援する会を拠点に活動を休止することがなかったからだ。
 そしてこの活動が、個々に独立した支援組織を横に広げ、統一した活動として結びつける努力を積み重ねてきたことである。
 最大の成果は、争議団と支援の自立である。しかし6月18日の株主総会で会社は一歩も引かない。
 JAL争議の早期解決の展望は、一地方、一局面の運動を全国展開できるかが今後の課題だ。

『週刊新社会』(2019年7月2日)


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