2019/8/15

南西諸島への自衛隊配備が地方自治・民主主義・地域経済を破壊  ]平和
 ◆ 奄美・石垣−自衛隊配備の現場を歩く
   辺野古新基地と一体の配備計画
(週刊新社会)


 5月に奄美大島、7月に石垣島を訪ねた。いずれも自衛隊配備ミサイル基地化が進む島々である。
 軟弱地盤や活断層など、次々に困難が生じながら、辺野古新基地工事が止まらないのはなぜか。その理由の一つは、南西諸島への自衛隊配備と一体となる中核基地が、辺野古新基地という事情だろう。

 ◆ 奄美

 奄美は、画家・田中一村が失意の中から永住の地として希望を育んだ島である。一村の愛したヒカゲヘゴは、奄美の空に大きく枝葉を拡げ、圧倒的な存在感で迎えてくれる。ハンセン病患者たちとの交流を力に創作を続けたことは、今回、奄美和光園を訪ねて初めて知った。
 2010年の豪雨は、奄美地方に甚大な被害をもたらした。
 災害救助態勢の充実を求める切実な声に乗じて、やってきたのは自衛隊、地対艦・地対空のミサイル部隊だった。


 駐屯地はいずれも山間地にあるため、日常の市民生活からは見えにくい。この点は、基地が市街地に隣接する沖縄と異なる。

 しかし、基地は設置されてそれで終わりではない。戦闘を想定した訓練は、日常的に行われることになる。
 米軍との基地共同使用、合同訓練など一体化も進むことになるはずだ。
 すでに、ヘリパッドが新設された高江、強襲揚陸艦への離発着訓練用に改修された伊江島補助飛行場では、オスプレイやF35飛来により、調査開始以降最多の騒音を記録している。
 駐屯地のフェンスには、改正ドローン規制法がまだ施行前にもかかわらず、「関係者以外立入禁止−無人航空機の飛行、これによる撮影等を含む」の告知が防衛省名で掲示されていた。

 奄美は、辺野古埋立土砂の搬出予定地にもなっている。
 辺野古への距離が近いため、県外土砂の投入が現実になれば、おそらく真っ先に搬出されることになるだろう。
 瀬戸内町の採石場には、すでに大量の土砂(岩ズリ)が野積みされ、いつでも搬出が可能な状態になっていた。
 辺野古への県外土砂の搬入には、条例により外来種対策が必要となる。
 県内産土砂による埋立が進む現在に至っても、沖縄防衛局から対策は示されないままだ。加えて軟弱地盤改良のためには、新たに埋立土砂総量の3分の1にもおよぷ海砂等が、新たに必要という。
 事業計画も工期も工費も明示せず工事を強行する、こんな公共事業がかってあっただろうか。

 ◆ 石垣

 石垣島にも、奄美同様にミサイル部隊の配備が予定され、3月に強行着工された。
 用地の取得も全体計画も定まらないままの強行に、平得大俣現地では抗議と監視行動が続いている。

 強行の理由は、アセス逃れである。
 20ha以上のエ事をアセスの対象とする沖縄県の改正アセス条例は、4月から施行された
 駐屯地は46haが予定されており、当然アセスの対象となる。
 沖縄防衛局は、2年近くが必要となるこのアセスを逃れるために、取得できている13qで見切り着工する脱法行為をやってのけたのだ。

 嘉手納基地、普天間基地周辺の河川や地下水では、米軍基地由来のPFOS・PFOAによる汚染が大きな問題となっている。
 駐屯地内部への立ち入りや調査が難しい点では、自衛隊基地も変わらない。
 生活環境境を地下水源に依存する石垣・宮古にあっては、地下水汚染予防のためにアセスは必須と言わねばならない。

 加えて着工は、自衛隊配備の是非について住民投票実施を求める1万4000余筆の署名(人ロ4万9000人の3割に当たる)が、市議会に提出されたなかで強行された。
 平得大俣地区は、農業者育成の努力が実り、若い世代が生産の中心を担っている。そんな地道な努力が、踏み潰されようとしている。

 辺野古と同様に南西諸島への自衛隊配備もまた、地方自治・民主主義・地域経済を破壊しつつ進んでいる。
(毛利孝雄)

『週刊新社会』(2019年8月6日)


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