2019/10/11

大阪府で「意向確認書」を出さなかったことを理由に再任用を拒否された裁判  X日の丸・君が代関連ニュース
  《大阪ネットニュースから》
 ◆ 2017年再任用拒否裁判報告
原告 梅原聡

 ◆ 再任用拒否までの経過と裁判の概要
 私は2012(以後12)年、14年の卒業式の「君が代」不起立で二度の戒告処分を受けました。それ以降は、卒・入学式から排除される形が続き、新たな処分を受けることはなく、17年に定年を迎え、再任用を申請しましたが、これを拒否されました。
 再任用審査会の議事録からは、再任用拒否の理由が「君が代」不起立だけであることはあきらかで、昨年2月に国家賠償を求めて大阪地裁に提訴しました。

 この裁判では、能力・実績などに特に問題のない私の再任用を拒否したことが、裁量権の逸脱濫用にあたるとして、1年間の報酬相当の損害賠償を求めると共に、再任用拒否の大きな理由になっている「意向確認」そのものが人権を侵害する違法なものであるとして、別に独立して損害賠償を求めています。


 ◆ 昨年の最高裁判決に寄りかかる府教委

 昨年7月の最高裁判決には「その当時の再任用制度においては・・・」とあり、高年法が成立し、地方公務員に対する総務省副大臣通知などが「雇用と年金の接続」を求めている本件では、最高裁判例とは事情が違います。
 これに対し府教委は、昨年7月の最高裁判決の判断枠組みが現在もあてはまると述べるのみで、有効な反論を行っていません。

 また、再任用制度について定めた府の条例は、年金支給開始年齢の引き上げに対応して再任用任期の末日を定めるなど、「雇用と年金の接続」が目的であることを指摘し、本件当時において、「任命権者は採用を希望する者を原則として採用しなければならないとする法令等の定め」があったと考えるべきで、裁量権の範囲は極めて限定されると、私たちは主張しています。


 ◆ 意向確認の違憲性と府教委の不誠実な態度

 「意向確認」に関しては、関大の高作正博教授に意見書を作成していただきました。
 「意向確認」の行為は「慣例上の儀礼的所作」ではありません。また、厚労省も「公正選考の基本的な考え方」で「人生観・生活信条・思想」などに関することを質問すべきでないとしています。
 これらから「意向確認」は「特定の教育上の信念等を有する教職員」を排除しようとするもので、「告白強制型・思想強制型」の思想・良心の自由を直接的に制約する行為であり、違憲であると断定しています。

 これにも府教委側からは、有効な反論がなされていないという印象です。
 府教委は「…意向確認ができた者については職務命令違反の可能性が高くないと評価して採用し、・・・上司の職務上の命令を遵守することが期待できない者は成績良好とは言えないとして不採用としており…」と意向確認の結果で採否を決めていると認める一方、「本件意向確認は原告に対し、『再任用されたければ君が代斉唱時に起立斉唱すると言え』との趣旨で述べているものではないし、起立斉唱しない限り再任用されず職を失うという制裁を背景にして回答を迫るたぐいのものでもない。」と矛盾したことを述べています。

 「意向確認」については、運動の成果として府の商工労働部から「再任用に関しての質問としては適切ではない」という助言を引き出し、その結果、17年4月以降「意向確認」の文言は単に「今後、上司の職務命令には従います」と変更され、昨年度・今年度と不起立処分者の再任用を勝ち取ってきました。
 文言の変更は、府教委自身が「意向確認」の内容を不適切なものと認識している証拠ですが、この指摘に府教委は全く触れず、自らの誤りに目をつぶってごまかそうとする非常に不誠実な態度に終始しています。

 今後、証人尋問等を通じて、府教委の姿勢を断罪し、謝罪と損害賠償を勝ち取り、「日の丸・君が代」の強制の問題点を広く考え直すきっかけにしたいと考えています。

『「日の丸・君が代」強制反対、不起立処分を撤回させる 大阪ネットワークニュース』
(18号 2019年9月22日)



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